■イレギュラーな試合
正直時間がないので書くかどうか悩んだんだけど、メモとして残しておこうと思います。というのも、今回の試合は今までのマブスからすればイレギュラーな部分が幾つかあったからです。
マブス FG 52/87(59.8%) 3P 21/41(51.2%)
まずこの得点効率がイレギュラーでした。ぶっちゃけスリーに関してはウォリアーズが空けている節があったので納得できるんですが、気になるのは2Pの67.4%の方です。
ウォリアーズはインサイドを固めるディフェンスを採用していて、後半はほぼゾーンだったにも関わらず、全く止められていなかったという結果でした。
ウォリアーズ FG 49/103(47.6%) 3P 27/54(50%)
それ以上に不可解だったのがウォリアーズの得点効率。マブスより確率は低いものの、成功数は6本も多い。つまりスリーの打ち合いに関しては勝っていたウォリアーズ。マブスが決めすぎだと思っていたら、ウォリアーズはもっと決めすぎだった。
一方で2Pの確率は44.9%と、なんとスリーの確率よりも低い数字でした。中々見ないレベルでインサイドの攻略に苦しんでいたウォリアーズです。
ウォリアーズはヒールドを獲得したことでよりアウトサイドで打つ形が出来ています。その分カリーが動くスペースが減ったという弊害はあるものの、ヒールドはトランジションの強みもあるので、ここはポジティブに見ることが出来る部分。しかしこの二人を囮にしたカッティングやスクリーンからのダイブが有効に働いていなかった今日の試合でした。特にダイブするパターンで苦しんだというか、ダイブが有効じゃないからカッティングも効きづらくなっていた印象。
その理由の大部分は異様にハッスルしていたドンチッチだと思っています。普段ならサボりそうなインサイドヘルプを、今日は誇張なしにワンポゼッションも手を抜いていませんでした。人が変わったようにヘルプポジションを取ってインサイドの穴を埋めており、後半からはドンチッチを外に引き出す形を作りたがったウォリアーズ。
45PTS 11REB 13AST 3STL 2BLK
FG 16/23(69.6%) 3P 6/11(54.5%)
それでいてオフェンスではシュートが入りまくりと、攻守に半端ない仕事をこなしていました。明らかに復帰後からディフェンスを頑張っているドンチッチなので、前半のシュートの不調、もといドライブしたがらなかったのもコンディション面の影響が大きい気がする最近です。あれでも5割をキープしていたんだから、今思えば凄いよね。
ペリメーターディフェンスとなればさすがに優秀とは言い難かったんですが、頑張ってはいた。特に後半は引き出されたり引き出されなかったりしていたので、ポゼッション間でヘルプの集中力が途切れそうだと思っていたけど、ここを迷わず判断出来ていたのはちょっと驚きました。オフェンス以上に集中力を発揮していそうなドンチッチでした。
しかし、それを踏まえてもウォリアーズは点が取れなさすぎだと思ったんだよね。
ドレイモンド FG 6/14(42.9%) 3P 5/9(55.6%)
顕著に表れていたのがドレイモンドのところで、この人は基本的にスリーの悪さからFG%を下げている選手なんですが、今日は逆に空けられたスリーをしっかり決めていました。その反面2Pは1/6の16.7%と非常に悪く、普段のスタッツとは真逆の成績。スクリーナーとしてのアクションをマブスが守っていた形です。
何よりドレイモンドがスリーを9本も打っているっていうのがおかしいというか、前は誰もチェイスに来なくてもわざわざスクリーナーになって作り直していたのに、不自然なぐらい打ち切っていました。それはマブスのディフェンスを見ての対応なのか、それともウォリアーズ側の事情があったのか。
ちょっとウォリアーズはハーフコートの構築をミスっている感がありました。シューティングの部分は強化したものの、そもそもウォリアーズの強みってスクリーナーだったのに、そこは補強しなかったオフシーズン。それはドレイモンド、ルーニー、ジャクソン・デイビスを信じていたってことかもしれないけど、少なくとも今日の試合ではそのどれもが不発に終わっており、サンダーと同様にスリーを打たざるを得なかった感がありました。サンダーはスリーも決めたしSGAも無理やり点を取っていたけど、ウォリアーズにSGAはいないわけで。
第4Qにカリーがドライブから崩そうとしていたところも含め、かなり苦しそうなウォリアーズでした。クミンガのスタメンもこの辺の事情がある気がするんだよね。そんなウォリアーズはシュル―ダ―をトレードで獲得したとのこと。それでいいのか。
難しいのは、それでもウォリアーズはトランジションで点が取れるということ。実際これだけハーフコートで苦しんでいながら、今日の試合は10点差に収まっています。ドンチッチのシュートが入らなかったら全然負けられた試合だったっていうのが、いまいち踏ん切りがつかない理由なのかね。
マブスに触れると、今日はドンチッチ、ギャフォード、クレイを並べていたね。ドンチッチがインサイドヘルプを積極的にやり続けることによって、インサイドのスカスカ感はかなり緩和されていました。反面アウトサイドのチェイスの苦しさが目立ちましたが、これでようやくスタートラインに立てたって感じだと思っています。後はどこまでローテーションを頑張れるか、平面のスピードを追求していく段階です。
とはいえ、どうしたってドンチッチ&ギャフォードなので外を完全に追いかけきることは不可能なんですが、逆に言えば「相手のスリーの確率次第で誤魔化せる」状態までは持っていけているので、そこはポジティブに見ていい部分。こうなるとクリバーはいなくても良くなってくるんだよね。
見ていて非常に集中力の高さを感じる試合でした。ただ大事なのは、この集中力をシーズンを通して維持できるかだよね。昨日のロケッツVSサンダーとかもそうで、互いに問題があるチーム同士だけど自分たちのプレーを信じて戦っているから、ボロよりも強みが出ているわけで。ウェストは特にその雰囲気が強く、集中力を欠いたチームから順位を落としていくから気を抜けない。見ている方としては面白く、選手としては勘弁して欲しそうなウェスト事情を感じさせる試合でもありました。