あ♥@マブスファン

マブス専門NBAブログ(不定期)

【23-24 PO-7】VSサンダー Game-1

 

 マーク・ダグノートHCが試合前にこんな発言をしていたそうです。まあ言うだけのことはある。そんなゲーム1でした。

 

■第1Q

 ドンチッチ対ドートを狙うサンダーに対して、ドンチッチ対チェットを作りたいマブス。レギュラーシーズンでサンダーに勝利した試合は、チェットのディフェンスを狙って、狙い通りスリーが入ったことが大きな要因だったのでこれは既定路線です。で、ドートのところをギャフォードのスクリーンで剥がすことに成功します。ただスイッチはしてくれない。P&Rの数的不利をカバーするサンダーはコーナー担当のSGAがマークマンを捨てていたので、DJJにワイドオープンでパスが渡ります。

 対するサンダーのオフェンスは、チェットのポップアウトでギャフォードを狙います。度々ワイドオープンでスリーを打つチェットですが決まらず。彼とは関係ないところでシュートを決めていきます。

 P&Rをドロップで守るチェットとドンチッチを追いかけるドート。その二人が交わる場所でステップバックしてミドルを決めたドンチッチ。似たような形からSGAにステップバックスリーを沈めれば、ドートに対してフェイダウェイも決めます。ということで、少ない仕掛けでオフェンスし続けたドンチッチでした。だからマブスとしては悪くないんですが、ターンオーバーで流れを止めてしまいます。

 一方のサンダーも狙い通りギディーからチェットに展開出来ていましたが決まらない。速攻でも普通にターンオーバーするし。狙い通りに進めているマブスと、狙い通りに進めてシュートが入らないサンダー。ただリアクション的に余裕があるのはサンダーだよね。ターンオーバーしようが全く気にせずディフェンスに戻っています。

 このポゼッションのオフェンスは面白かったんですが、肝心なところが載ってないっていうね。ドートのところに寄っていくカイリーが、ライブリーのスクリーンを利用してドライブフェイクからパスを出し、ドンチッチ対SGAの形を作っています。そこからドンチッチとライブリーでP&Rを仕掛けファウルドロー。

 サンダーは徹底してドンチッチにはドートを付けたがっているし、マブスとしては何としてもドンチッチ対ドートを避けたいわけです。このポゼッションはカイリー対ドートに仕向けて、ドンチッチから遠ざけたオフェンスでした。ドートを避けてもSGAが付くっていうのはサンダーの強みですが、ドートじゃないだけマシって感じ。

第1Q 23対23

 サンダーはこの内ターンオーバーからの得点が6点、2ndチャンスポイントが6点と、半分以上がハーフコートオフェンスじゃないところからの得点です。上手く行ってないけど余裕があるのはこういうところだよね。ハーフコートがダメでもハードワークで勝つぜっていうことが出来る、サンダーカルチャーの強さが出た第1Qでした。

 マブスマブスで全然悪くはなかった。ターンオーバーがなければ本来このクォーターはマブスが勝てていました。気にしてもしょうがないと思いつつ、6ターンオーバーっていうのがね。しかもサンダーのディフェンスが良いとかではなく単純に浮足立っているようなミスだったので、数字以上に勿体ない印象が強かったです。

 

■第2Q

 SGAとドートがいない時間のサンダーはシューターを並べます。マブスディフェンスの隙を見つけてシンプルにスリーを打っては外し、リードを取られたところでタイムアウト。ドートを戻します。そのドートに対してドンチッチはポストアップを選択。高さの有利を活かして2Pを決めれば、ファウルドローもしちゃいます。

 ここまではドンチッチがドート相手にでもシュートが入っているからオフェンスが上手く行っているんですが、それをこの試合中続けるのはまあきついよね。ってことでドートを剥がす為にスクリーンを2枚用意するマブス

 JGとギャフォードの二人でドートを剥がし、P&Rを仕掛けてドンチッチがフローターを外します。ここでドンチッチがフローターを打つこと自体は何もおかしくはないんですが、コーナーのJGにパスを出さなかったのは珍しい。珍しいっていうか、今シーズンのドンチッチならパスを出しそうなのに出しませんでした。こういうところが、ちょっと疲れてるのかなーって感じだよね。

 07:10からのポゼッションでも同じ形でドートを剥がすマブス。囲まれたところでドートがヘルプしてボールをロスト、寸前でタイムアウトをコールします。ブチ切れているドンチッチ。一番近くにいて、すぐに駆け寄ったJGとギャフォードにブチ切れています。ちなみにこれは「たまたま近くにいた二人に切れている」んですが、あれだけ囲まれていたらそりゃ近くにいる奴はパス貰いに来いよって話だよね。ということで怒られても仕方ないJGとギャフォードでした。そしてタイムアウト明けはこのダブルスクリーン作戦を止め、ドートにポストアップを仕掛けるドンチッチ。それがやりたくなくてダブルスクリーンしたはずなのにね。一人でマブスオフェンスを攻略したドートでした。

 カイリーを戻してハンドラーさせるマブスと、カイリーにドートを付けるサンダー。ここでファウルドローに成功し、ドートを引っ込めさせます。これはナイス判断。これとチェットがいないことによってドンチッチのパスの負担が下がり、ギャフォードが活き始めます。スクリーンからボールを貰ってはリムアタックしてファウルを貰い、果てはトップからカイリーのカットにギャフォードがパスを合わせます。もう何回も書いた気がするけど、トレード直後のギャフォードだったらこの時間ゴール下に引きこもっているだけなので、こうして多彩にオフェンスを展開出来ているのは素晴らしいね。

第2Q 30対39(サンダー9点リード)

第2Qドート+/- +8

 第2Qに4分23秒しか出場しなかったドートですが、その時間だけで+8の得失点差を作りました。逆に言えば彼がいない時間のオフェンスは30対31と、ちゃんと戦えているので、やっぱりドートが一人でマブスを封じ込めている感があります。ほんと、ドートが遅刻しなけりゃ勝てるって言うだけのことはあるわ。

 

■後半

 前半は終始ドートを避けようとしたマブス。じゃあ、と言わんばかりにサンダーはドートをドンチッチ専用マークとして置きます。脳筋

 後半になるとマブスはカイリーにハンドラーさせる時間が増えます。ダブルスクリーン作戦が上手く行かなかったから、こっちに切り替えた感じです。

 ちなみに、管理人はカーライルを見て育ったせいかハンドラーを同時に二人置くっていうのはあんまり好きじゃありません。それならディフェンダー一枚入れとけよって思ってしまいます。ただこの試合ではハンドラーを二人置くっていう良さが出ています。簡単に言うとドンチッチ対ドートの形を作りながら、ドンチッチが何もしないカワイソレーション。これによってカイリー&ギャフォードのツーメンゲームでオフェンスを展開出来ました。

 対するサンダーはギディーのゲームメイクから展開してはシュートを外すし、ターンオーバーもするし。どうせサンダーはスリーが入らないからギディーを使わないでしょって思っていたけど、それとは関係ないところで下げられていました。可哀相なのか、何なのか。これによって再び点が並んだマブスとサンダー。

 そんなわけでアイザイア・ジョーを投入すると、オフボールで動いて一発目でスリーを沈めます。THJとは大違いだ。ギディーが抜けてSGAの1on1中心になったサンダーが次々にスリーを決めたことで、一気に得点を重ねます。

 カイリーをハンドラーにしたことである程度オフェンスを展開出来ていましたが、インサイドで囲まれるとサイズがないからパスが捌けない。最終的にタフショットをチェットにブロックされると、カイリーの能力的にキツイ部分も多少ありました。カイリーならもっとミドルで打っていいと思うんだけどね。

 で、この後のインバウンズ。高い位置でボールを貰ったライブリーがパスを出せず、ショットクロックバイオレーションになります。ここが特に顕著っていう話なんですが、ドートはオフボールでのディフェンス力も極めて高く、ボールを持たせることすら困難にさせるディフェンダーという一面が強く出た第3Qだったと思います。そういった事情からか、最終的にドンチッチがハンドラーになりました。

 ただここはサンダーのドンチッチ対策を逆手にとれたところでもあります。ドンチッチにドートを意地でも付かせたいサンダーだったので、シューターが絡むスクリーンに対して簡単にワイドオープンを作ってくれました。それに捌けるドンチッチっていう凄さもありつつ、ドートのところからオフェンスを作れたマブス。ただサンダーのようには決まらなかったから苦しいよね。

 マブスがスモールラインナップになった第4Qには、さすがにこれが嫌だったのかドートにスイッチを促すことに成功します。これが入れば第4Qに追いつけたかもしれない。まあどっちにしろサンダーは決めすぎってぐらいスリーを決めていたので、しょうがないか。

ドート 25MIN 7PTS 4REB 1AST 2STL

 25分で+18という異常な貢献を見せたドートでした。ドンチッチ&ギャフォードのP&Rをチェットと守ると彼の腕の長さもあって、ギャフォードへのパスすら思うように出せないチートディフェンスコンビ。それに対して三つの対応策を用意したゲーム1なので、キッドがどのタイミングでどれを選択するかだよね。

 またドートはOREBにしつこく絡むってところでもマブスを苦しめました。4つのリバウンドは全部OREB。これにハーフコートオフェンスでシュートが入らない時に、2ndチャンスで得点に繋げました。また確保出来なくても、リバウンドに絡むことにマブスが速攻に走り出すのを遅らせていた面もあります。リバウンドは高さだけじゃないよと突き付けるかのようなサンダーでした。

ギャフォード 16PTS 11REB 1AST 5BLK

 チーム3番目の得点源となったギャフォード。FG 5/12はまあセンターとしてはアレなんですが、その分FT 6/8ということもあり、オフェンス面でかなり貢献していたと思います。やっぱりフリーレーンがないとフィニッシュが安定しないし、空いているのにコーナーにパスを出さないとか色々あったんですが、それは伸びしろってことにしよう。その駆け引きの場に立っていること自体を評価しています。

 このシリーズに関してはライブリーより、パワーでゴール下まで切り込めるギャフォードの方が有効そうに見えました。ライブリーはディフェンスだとタフだけど、オフェンスだと見た目通りのヒョロヒョロって感じだし。

 

 ドンチッチキラーとして超優秀なドート。クリッパーズではラスが割と似たようなことを出来ていたんですが、それ以上にディフェンスを乱してはパスを捌かれていました。対するサンダーはドート以外も優秀なディフェンダー。そしてPJがファウルトラブルしたように、ドライブ能力もPG13とは比べ物になりません。シュート力、ドライブ能力、OREB、ディフェンスと、ガード中心の強さを存分に発揮したサンダーでした。色んな意味で、クリッパーズとは大違いってこと。

 ということで記事は終わりです。ちょっと前にNBA.comをいじっていたら、スタッツに反映されるプレーは動画になっていることに気づいたので、今回実験的に取り入れてみました。ただ試合を自由に切り抜けるわけではないので、見せたいけど動画になっていないプレーも沢山あります。ドートがボールを持たせなかったプレーとかね。内容を整理しやすいので今後もちょくちょく取り入れていきたいとは思いますが、記事に掛かる時間が半端なかったので、二、三本混ぜるぐらいにしたいところです。こんなん続けていたら仕事に支障出るわ。