あ♥@マブスファン

マブス専門NBAブログ(不定期)

【23-24 PO-6】VSクリッパーズ Game-6

 

 19-20シーズンから続くマブスクリッパーズの因縁の対決。その幕切れとしてはあっけないゲーム6でした。ゲーム6に関しては本当に語りたいことが特にありません。強いて言うならクリバーが怪我したことと、それに対してティロン・ルーがラスを積極的に起用しなかったことぐらい。ということで、今回はシリーズを振り返りながら、次戦のサンダー戦の展望を少し書いていきたいと思います。

 

■シリーズの流れ

 カワイが欠場したゲーム1は代役として起用されたコフィ―がディフェンダーとして奮闘しました。そのカワイが復帰したゲーム2とゲーム3はマブスが勝利するという、クリッパーズとしては辛い展開に。

カワイ 29.5MIN 12PTS 8REB 2AST 2STL 0.5BLK

FG 5.5/12.0(45.8%) 3P 0/2.5 FT 1.0/1.5(66.7%)

 復帰したカワイの状態はだいぶよろしくなくて、その様子は特にディフェンス時に見て取れました。レギュラーシーズンのドンチッチかと思うぐらいに動けていなかったし、ゲーム3には頻繁にインサイドのヘルプディフェンスがルーズになっていたし。オフェンスでもゲーム2はまだエースムーブ出来ていたけど、ゲーム3はオフェンスを避けるようにボールを手放しているシーンがありました。

まともにプレーできる状態じゃなかったカワイ

 ゲーム2は辛うじて試合を繋げるぐらいにはプレー出来ていましたが、ゲーム3になるともう立っていることすらきつそうに見えるほどプレーのレベルが落ちていました。これがクリッパーズの辛さ。でも、カワイがいなくてもPG13という二番目のエースがいるじゃん。

PG13 37.0MIN 19.5PTS 6.8REB 4.8AST 1.2STL 0.5BLK

FG 6.5/15.8(41.1%) 3P 3.0/8.2(36.7%) FT 3.5/4.2(84.0%)

 平均得点が20点にも乗らないエースってどうなんだって感じです。PG13は元々エースムーブをやらせるとだいぶアレな感じでしたが、ゲーム5やゲーム6はその悪さを存分に発揮したような試合でした。オフェンスの判断が悪すぎたし、ドライブで抜けないし。PJやDJJを抜けないならまだしも、ドンチッチにも守られるし、最終的にはカイリーにすら抑えられたPG13でした。まあ元々ドライブで抜くのが上手い選手って印象はないんですが、にしたってね。DJJはミニマムだぜ。一方でディフェンスやトランジションに関してはプレーオフPの名に恥じない活躍を見せていました。ゲーム2、いや、一応ゲーム3までは。

 ということでカワイの穴は大きかったクリッパーズ。それでも20-21シーズンにはカワイなしでジャズに勝ってカンファレンスファイナルまで辿り着けたし、そもそも今年はハーデンという名ポイントガードがいるわけで。

ハーデン 40.3MIN 21.2PTS 4.5REB 8.0AST 1.0STL 1.0BLK

FG 6.7/14.8(44.9%) 3P 3.0/7.8(38.3%) FT 4.8/5.3(90.6%)

 なんだかんだハーデンは凄いよね。ゲーム5、6はクリッパーズのスリーが入らなかったからマブスは守れていたけど、入っていたらちゃんと点取り合戦が出来ていたと思います。そのぐらいしっかりパスを繋いでいたし、ゲーム1やゲーム4は自身もシュートが入っていたことで随分困らされました。

 ハーデンの影響を最も強く受けたのは、当然ズバッツ。プレーオフで32.0分のミニッツを与えられ、16.2点を記録しました。勿論どちらもプレーオフではキャリアハイ。びっくりしたのが、FG%もキャリアハイなんだね。とまあ万全のカワイがいなくてPG13がダメダメでも、ハーデン&ズバッツでオフェンスの形は作れていたクリッパーズでした。

 ゲーム5、6にチーム全体としてスリーが入らなかったのはしょうがないと割り切ったとして、じゃあスリーが入ったら勝てていたのかはちょっと微妙なラインだよね。

クリッパーズターンオーバー 前半/後半

ゲーム1 6/8

ゲーム2 5/4

ゲーム3 9/10

ゲーム4 5/8

ゲーム5 5/10

ゲーム6 4/7

 ゲーム2以外はどの試合も前半より後半の方がターンオーバーが増えていました。その傾向はゲーム4以降の試合で顕著に表れていてます。

マブスターンオーバー 前半/後半

ゲーム1 6/3

ゲーム2 8/6

ゲーム3 5/4

ゲーム4 9/8

ゲーム5 2/8

ゲーム6 6/4

 対するマブスはゲーム5以外は前半の方がターンオーバーが多く、後半に改善を見せています。そのゲーム5も前半のターンオーバーは2だしね。マブスクリッパーズ、何が違うかっていったら集中力の違いだよね。

 

疲労困憊のクリッパーズ

 クリッパーズはシリーズが進むにつれて集中力を失っていきました。

 最初はディフェンスの崩壊からスタートしました。主にインサイドヘルプのところでルーズな対応が増えていき、ゲーム2までマブスを100点以下に抑えていたのが、ゲーム3以降段々と失点を増やしています。

ギャフォード&ライブリー 得点

ゲーム1 3+3=6

ゲーム2 0+7=7

ゲーム3 8+13=21

ゲーム4 5+8=13

ゲーム5 8+12=20

ゲーム6 13+10=23

 インサイドの対応が悪くなったことで、マブスのビッグマンが得点を取るシチュエーションが増えました。特にギャフォードは分かりやすく得点が増えています。

マブス 3P

ゲーム1 10/33(33.3%)

ゲーム2 14/33(42.4%)

ゲーム3 9/35(25.7%)

ゲーム4 11/33(33.3%)

ゲーム5 14/39(35.9%)

ゲーム6 12/36(33.3%)

 その割にスリーを守ることも出来ていなかったクリッパーズでした。ディフェンスが崩壊していたんだよね。

集中力を保つことが出来なかったクリッパーズ

 その要因が何かって言われると難しいけど、層が薄かったっていうのはあると思います。ゲーム5からPJタッカーが出てきたのがそうだよね。このプレーオフでタッカーは割と活躍していたと思うんですが、それってやっぱり、タッカーのプレーレベルでも目立つほど他の選手のエネルギーがなかったって感じだよね。この集中力のなさっていうのがゲーム5、6での3P%に繋がっていたのかなーとはちょっと思います。ズバッツもゲーム1はギャフォードをボコボコにしていたのに、ゲーム6には攻めあぐねていたし。

 

マブス

 ぶっちゃけクリッパーズ側の失速に助けられた部分がかなり大きいとは思っています。それは悪い意味ではなく、シリーズの最後まで集中力を保てていたってこと。

ドンチッチ 42.5MIN 29.8PTS 8.8REB 9.5AST 1.0STL 0.5BLK

FG 10.3/25.5(40.5%) 3P 2.7/11.2(23.9%) FT 6.5/7.8(83.0%)

 ミニッツはプレーオフキャリアハイの42.5分。そして得点、FG%、3P%はキャリアワーストです。ターンオーバーが3.7とこれまでのプレーオフキャリアで最も少なく、AST/TO 2.8もキャリアハイです。ちなみにドンチッチがプレーオフでAST/TOが2を上回ったのは20-21シーズンのみで、2.5を超えたのはこれが初。まあシリーズが進んでどうなるかは知らないけど。

ドンチッチ OFF/DEFレーティング

オンコート 117.5/105.6

オフコート 92.8/122.4

 ドンチッチがいない時間のオフェンスが上手く行かず、カウンターで失点しまくったことでご覧の通り。エクサムの不調やTHJの離脱もあって、ドンチッチのプレータイムが長くなるのは必然でした。なんかファンコミュを見たらこのドンチッチに対して集中力がないとか、そんなんなら試合に出るなとか書いている人がいたけど、寧ろよくやったでしょ。疲労なのか怪我なのか、その影響は自身の得点に現れていますが、その中でオフェンスを回し続けたのは驚異的なパフォーマンスと言えるでしょう。

カイリー 40.0MIN 26.5PTS 5.7REB 4.7AST 1.8STL 0.3BLK

FG 9.5/18.5(51.4%) 3P 3.7/8.2(44.9%) FT 3.8/4.5(85.2%)

 前半はシュートを外しまくり、後半はシュートを決めまくったカイリー。ちなみに前半のFGAが6.5、後半が12.0と、前半のほぼ二倍のシュートを打っています。恐らくキッドから指示があったんだとは思いますが、よく入ったよね。

ウィングの得点

PJ 10.8

DJJ 8.8

クリバー 5.7

JG 4.2

 二桁得点取ったPJはよく頑張ったといえるのかどうか。あれだけワイドオープンでパスを貰いながら31.3%っていうのは何とも言えない。ちなみにDJJが38.5%、クリバーが55.6%、JGが25.0%という3P%です。あれだけレギュラーシーズンに外しまくっていたクリバーが一番確率が高いっていうね。肝心な時にしか仕事をしないクリバーでした。

 この四人の中で一番評価したいのはDJJなんですが、それはゲーム1に見せたいつも通りのショットセレクションが、試合を重ねる毎に劇的に改善していったからです。でもゲーム6はいつも通りだったので、やっぱりよく分かりません。

 あとJGはOREBが1.3でした。48分換算で3.7。状況によってベンチから起用されるっていうのは、21-22シーズンの彼を見ているようでした。3P%も含めてね。この事からキッドはやっぱりJGをベンチからのウィングオプションとして見ているように感じます。

 

■HC対決

 ところでティロン・ルーって現地だとどういう評価をされているのかね。管理人は「采配は上手い。チーム作りは知らん」って感じです。ただチーム作りの点に関して、面白いとは思いました。

 というのもカワイ、PG13、ハーデン、ラスと濃いメンツを揃えながら、この四人がそれぞれ自分の持ち味を失わずにプレーしていたからです。ハーデンがいる時間はハンドラーさせるし。まあハンドラーしないハーデンに価値があるのかって感じだしね。その影響かラスはコーナー待機することがままあったんですが、それ以外はラスのめちゃくちゃなプレーを許容していたティロン・ルーでした。ドック・リバースだったらこの四人をスタメンに並べてすぐに不満言われてそうだよね。

 そういったスター選手の特徴を活かしつつ、ディフェンスで積極的に仕掛けたり、アフタータイムアウトで悪い流れを切ったりと、采配の面では特に文句を付けられることはなさそうな活躍っぷりでした。

 対するキッドは、ゲーム1に仕掛けられたクリッパーズディフェンスに対応。アフタータイムアウト対策として、マブスタイムアウトを取る時はクリッパーズのオフェンスが終わった後にするといった対応もしました。その一環で、タイムアウトを取る前のポゼッションだけドンチッチもカイリーも下げ、ディフェンダーだけを並べるといった対応もしていました。そういう時に限ってシュート決められていたけど。

 仕掛けまくったティロン・ルーに対し、キッドは対応しただけ。オフェンスも延々とドンチッチからオフェンスを展開させ続けました。だからティロン・ルーと比べたら仕事してないんだよね。それは同じことをしているだけで勝てたマブスという事情と、ドンチッチからの仕掛けを止める術がなかったクリッパーズという事情があります。それはチーム力の差と言っていいのか分かりませんが、ドンチッチとハーデンの差は感じたシリーズでした。

 

 まあしかし、あっけなかったね。管理人としては何としてもクリッパーズに勝って欲しかったんですが、ゲーム6が終わった時に「あのクリッパーズに勝てた!」みたいな感慨はありませんでした。ゲーム4以降はドンチッチが欠場しない限りもう負けることないでしょっていう感じで見ていたし。

 クリッパーズはオフにPG13、ハーデン、ラスの契約問題があるので、もしかしたらカワイ&PG13体制は今シーズン限りになるかもしれません。選択権が選手側にあるので、クリッパーズとしては金を積む以外に出来ることがないから、どうなるんだろうね。とにかくカワイ&PG13に勝ち逃げされなくてよかったと思います。

 

■VSサンダー

 ここからサンダーとのシリーズのプレビューです。勝てるかどうかって話なら、だいぶ苦しいと思います。ザイオンがいないとはいえ、まさかペリカンズをスイープで倒すとは思わなかったよ。

 まず間違いなくドンチッチにはドートをつけるサンダー。嫌なディフェンダーはスクリーンで剥がすっていうのでいいんですが、問題は剥がせるかどうか。ドートはスクリーン対応も上手い選手なので、まずライブリーとギャフォードがスクリーンで剥がせるのかが最初の課題です。それが出来なかったら二枚スクリーンを用意して無理やり剥がし、スペインP&Rかな。ただTHJが戻るのかどうか、戻った時のコンディション問題もあるので、ここはカイリーが担当するかもね。

 で、そうやってミスマッチを作ることに成功したら次の課題。ライブリー&ギャフォードがサンダーの選手を押し込めるのかどうかです。バランチュナスは点が取れていたけど、彼はポストプレーが上手いからね。ガードだらけのロスター構成で機動力があるので、クリッパーズみたいにスリーを打たせてくれるとは思えません。インサイドを固めながらもきっちりスリーを追いかけてきそうなので、余計にドートを剥がせるか、ビッグマンが押し込めるかっていうのが重要になると思います。とはいえレギュラーシーズンは出来ていた気がするので、まあオフェンスはある程度なんとかなると思います。

 ただ仮にドートを剥がせなかった場合は、カイリーのところでミスマッチを作って1on1させるっていうプレーも出てきそうなので、カイリーはそこでどれだけ点が取れるか。今の時点でドンチッチの疲労がだいぶヤバそうなので、カイリーが1on1で点を取れるかどうかはクリッパーズ戦以上に重要になると思います。まあカイリーはカイリーで、前半から飛ばし続けて体力が持つのかっていう問題があるけど。

 あとはスモールラインナップのところかな。スリーを追いきれないマブスなので、相手のオフェンスを止める為にスモールにする時間が増えそうですが、クリバーがいません。ということでPJやDJJを使ってスモールにするんでしょうが、そこで二人がどこまで頑張れるか。これは来シーズン以降の展望にも繋がるので、注目したいと思います。

 そんなところかな。クリッパーズに勝てただけで管理人としては満足なので、このシリーズはサンダーに胸を借りるつもりで戦って欲しいと思います。