あ♥@マブスファン

マブス専門NBAブログ(不定期)

【RS-75】ウォリアーズ戦雑感

 

 ハイキューを見に行きました。超面白かったです。元々アニメで追っていて、続きが気になり過ぎて漫画で全部読んだんですが、その事を後悔するぐらい映画の出来が良かった。勿論漫画も面白いんだけど。いやーアニメで追っている人が羨ましいね。

 映画が終わった後からウォリアーズ戦を見始めたので後半だけリアタイ視聴していて、その感想としてはドレイモンド劇場って感じでした。今まで管理人が見てきたVSマブスのドレイモンド・グリーンって、あらゆるポジションを上手く守れるってこと以外にディフェンスの長所を感じませんでした。マルチディフェンダーの走りなのは知ってるけど、今となってはそういう選手ってドレイモンド以外にたくさんいるし。同じ役割が出来る上でリバウンド魔人のルーニーの方がディフェンダーとしては優れているって印象でした。まあだからといってルーニーの方が選手として上って話ではない。ドレイモンドはオフェンスの役割が特殊だし。

 ただ今日はドレイモンドのディフェンス力が光る後半だったように思います。今までは目立たなくてこの試合で目立ったってことは、つまりマブスのオフェンスが変わったってこと。

 

■前半

 後追いで見た前半ですが、こっちでもドレイモンドが目立ちました。ということで試合を通してドレイモンド劇場だったってことになります。

 最初のオフェンスでギャフォードのスクリーンの逆を使ってカットするカイリー。ここにマークマンのカリー+ヘルプのドレイモンドが追いかけてドンチッチのパスを封じます。その間にドンチッチ+ギャフォード対ウィギンスの形に。ということで早速スクリーンでウィギンスを剥がしに行くんですが、ドレイモンドがすかさずギャフォードの元へ戻りファイトオーバー成功、ミスマッチを作れません。このドレイモンドがドンチッチに寄るタイミングでギャフォードへのパスっていうのが、ある種既定路線なんですがそれもさせてくれず。時間がなくなって結局ドンチッチ対ウィギンスの1on1に。ワンポゼッションでカイリー、ギャフォードの仕掛けを止めたドレイモンドでした。

 この時点でやべーって感じなんですが、それを上回るドンチッチ。ギャフォードとのP&Rをフェイクに左コーナーのPJへ豪快にパスして、コーナースリーを決めます。マブス基準では見慣れた光景だけど、今回はそれにPJのディップを省略するおまけ付き。正確過ぎだろ。ちょっと気色悪かったです。ディップを省略出来るのはPJのスキルでもあるんだけどさ。

 P&Rをフェイクに使ったスリップアクションっていうのがギャフォードがいる時間の新しい武器になったマブス。スクリーナーのディフェンスの裏を取れることが有効に働くセットオフェンスなので、ディフェンス側としてはスクリーナーのディフェンダーが裏を取られた時、ギャフォードの前に壁を作りたいわけです。それをコーナーを守っていたクレイがしようとしていたんですが、クレイがギャフォード側に動いた瞬間にパスを捌いたドンチッチ。それってつまりP&Rを仕掛けようとした時、目の前のディフェンダーじゃなくてクレイを見ていたってこと。視野が広すぎる。

 で、このポゼッションで読み取れるのは視野が広いドンチッチだけじゃなく、ウォリアーズがちゃんとマブスオフェンスを対策しているってことも読み取れます。もしこの試合がシーズン序盤に行われていたとしたら、ギャフォードのスリップ→フリーレーンでダンク→フリーレーンを作らないようにクレイがヘルプに行くって流れになる、言い換えるとこのポゼッションでギャフォードはダンク出来ていたはず。対策の対策を仕掛けたともいえるドンチッチのパス、何が言いたいかっていうとプレーオフっぽいよね。

 マブスがプレーインまで順位が落ちない限り、ウォリアーズとプレーオフで当たる可能性があるのはセカンドラウンド以降。随分と遠い話だ。とはいえ可能性はあるので、ナゲッツ戦同様プレーオフ前哨戦といえる今日の試合です。

 ただ、プレーオフ前哨戦とは思えないほどパスミスが多かったウォリアーズでした。アリウープパスミスにキックアウトパスのミス。どれも繋がれば決定的なシュートになり得たので、ここに助けられたマブスでした。まあウォリアーズは元々ターンオーバー多いんだけどね。

第1QウォリアーズTO 5

 ハイペースにターンオーバーを重ねた第1Qのウォリアーズでした。マブスファンとしては第1Qにターンオーバー5っていうのは卒倒したくなる数字です。ちなみ

第1QマブスTO 5

 マブスも同じターンオーバー数でした。というわけで卒倒。

 05:24のタイミングでセンターをギャフォード→パウエルに変更したマブス。今日はライブリーがいないのでその控えです。ウォリアーズの方もルーキーのブランディン・ポジェムスキーとトレイス・ジャクソン・デイビスの投入、ここから一気にウォリアーズの速攻が増えます。が、肝心なところでパスミス

 で、ドレイモンドが下がります。これでカリー+ベンチメンバーになりました。対するマブスはクリバーを投入し、お互いスモールな感じになりました。ギャフォードのリムプロテクションでゴール下を守っていたマブスなのでちょっと不安って感じでしたが、そこは問題なかった様子。平面のスピードでボールムーブに追いつきます。

 特に注目したいのは01:15のポゼッション。ポジェムスキーから、二枚のスクリーンを利用してオフボールで移動したムーディへのパスが渡るとカイリーがシュートチェックに行きます。それに対するカウンタードライブにクリバーが対応、ダイブするルーニーにドンチッチが対応します。以前だったらここでルーニーにパスが渡ってダンクされていたんだけど、それぞれがコミュニケーションミスせずに上手く対応しました。ただそこから更に仕掛けるのがクリス・ポールという男。スクリーナーになった後、オフボールで右コーナーに移動します。この右コーナーっていうのはルーニーがスクリーナーとして機能しているのでフリーになれるポジションであると同時に、ドンチッチがルーニーのマークを捨てるとウォリアーズの思惑通りにパスが通って、ルーニーのダンクが成立する非常に難しい場面。

 で、ドンチッチはルーニーを捨ててクリス・ポールを追いかけるんですが、ここのドンチッチのディフェンスが非常に上手かった。上手いし判断が早かった。上手かったからクリス・ポールはパスを出せなかったし、早かったからパウエルがコミュニケーションミスなくルーニーにマッチアップ出来ました。で、右コーナーから左コーナーまで追いかけるカイリー。よく追いかけたな。

サボらないエース二人

 ギャフォードが加入したタイミングからディフェンス戦術が変わったマブス。ギャフォードのリムプロテクションを活かす為に、他の選手がゴール下に誘導するように守るようになりました。クイン・スナイダーっぽい感じ。このディフェンスだとちゃんとシューターを追いかける必要が出てくるので、これが最近ドンチッチがディフェンスを頑張っているように見える要因のように思います。ディフェンスシステムが変わって、ドンチッチが頑張らないといけなくなった。

 対してパウエル&クリバーの時間は従来のヘルプ&ローテって感じでした。このディフェンスを実行する運動量が足りなかったから守れなかったんですが、ドンチッチ&カイリーがよく動いているのでしっかり守れていました。まあカイリーは元々動いてくれる方ではあったので、ドンチッチが頑張るようになったことが守れた要因に思います。スナイダーディフェンスの副産物なのか? ただこの時間になるとスリーを打たせまくるドンチッチ。サボってるな。

 最終的にウォリアーズはカリーを下げてクリス・ポールを起用します。そうなるとハーフコート中心のオフェンスになるウォリアーズ。ポジェムスキーはボールを持つと一人で走り出すけど。JGみたいだな。

 サマーリーグだったかのウォリアーズを見た時、クリス・ポールの補強っていうのは中々に機能しそうだと感じました。その理由っていうのがミスなく正確にパスを回せるクリス・ポールなので、ターンオーバーが減ってそこからの失点が減りそうだと思ったからです。少なくともマイナスの補強ではないのかなーと思っていたけど、今はプレーイン争いをしています。なんでだろうね。

 

■後半

 ドンチッチ&ギャフォードの連携とパワーで強みを作ったロケッツ戦に対して、ドレイモンドに連携を消されるマブス。それに対する対策でギャフォード以外の選手をスクリーナーにしたり、クリバーをストレッチ5にしたりと、手を変え品を変え誤魔化してきました。それで誤魔化せるんだけど、ここで効いてくるのがドレイモンドのローテーションの早さと対人ディフェンス。

 ドレイモンド以外に対してスリップアクションを仕掛けるとパスを通させてくれるウォリアーズ。ただ通されてもインサイドにドライブされないように中を固めるポジション取りを敷きました。そうなるとエルボー付近でボールを持った選手の選択肢はそのままシュートを打つか、パスを回すかの二択になります。

 マブスはここで積極的にパスを回してコーナーまで繋げるんですが、ドレイモンドはこのローテーションが早かった。そしてドレイモンド以外がローテーションした場合、つまりドレイモンドがリム付近にいるとしっかりディフレクションされて中々シュートが決まらない。ギャフォードがこの試合で外したシュートのうち、確か二本はドレイモンドが絡んでいたし。コーナーで貰ったDJJのドライブが決まらなかったのもここが大きい気がします。なんか普通にカリーに真正面からスティールされたシーンもあったけど。優れたチームディフェンスの上にあって輝く対人ディフェンスでした。

 ということでギャフォードがいる時間のオフェンスで苦しむマブス。こう書いといて過去に自分が書いた記事と比較すると「全然成長してねえじゃん」って感じなんだけど、自分たちの悪さから苦しんでいるのと、相手の良さから苦しんでいるのではわけが違う。ということでギャフォード加入当初の管理人としてはこの結果は嬉しい悲鳴って感じです。

ギャフォードOFF/DEFレーティング

前半 98.5/95.8

後半 120.0/112.5

 でもって試合中にある程度答えを出せたっていうのも、今日の試合で嬉しかったこと。それが第4Q06:25からのポゼッション。タイムアウト明けに対ドレイモンド用にどういうプレーを用意したかというと、ギャフォードのポイントセンターでした。ゲイリー・ペイトン二世の裏をついてカットしたカイリーにパスしてダンクします。

 ドンチッチ→ギャフォードの連携に対してパスコースを潰し、その上で一人ヘルプ&ローテするドレイモンド。総じてチームディフェンスが上手い、言い換えるとボールマンについていないドレイモンドが厄介ってことです。そういう選手に対して有効なのが1on1で守らせること。ラプターズでは優秀なディフェンダーだった渡辺雄太がネッツでディフェンスの穴と言われた理由でもあります。優秀なヘルプディフェンダーには1on1で仕掛けるんだ。まあドレイモンドはそれでも強いからたちが悪いんだけど。

 で、こうやってパスが回せるようになったのはやっぱりギャフォードの成長だよね。地道に積み上げてきたことが実を結んだようなポゼッションでした。このプレーをきっかけにオフェンスがまた機能し始めたように思います。ぶっちゃけクリバーがセンターの時はそういう悩みがなかったので、この試合で勝つだけならクリバーを酷使すれば良かった気はするんだけど、そうしなかったっていうのは今後を見据えているってことかな。

ギャフォード 10PTS 8REB 3AST

 FG 5/8だったギャフォード。外したシュートがドレイモンド絡みだったので、言い換えると1on1でドレイモンドから点を取れなかったってこと。そもそもパスを通させてくれなかったしね。その割に8本もアテンプトがあるっていうのは、速攻でよく走っていたからのように思います。だから課題は以前書いた1on1のスコアリング。ただ当時は「まず1on1で駆け引きを仕掛けること」からが課題であり、それがこの問題の大部分だったので、言ってしまえば課題の大部分は解決していると言えます。ここから更に個人で点を取れるかどうかがジャレット・アレンとの分水嶺かな。ギャフォードは管理人の中で株価爆上がりなので、期待しています。

ドレイモンド 11PTS 8REB 6AST 4STL 1BLK

 はい、本日の主役。ウォリアーズのギャフォード対策は完全にドレイモンドありきでした。そうやって自分たちよりデカい相手に勝ってきているわけです。でもってウェストの上位チームっていうのはこういう守り方をしてくるので、そういう意味でもドンチッチ→ギャフォードの連携が消された時に対応出来たことの意味は大きいと思います。

 しかしうざかったねー。チームディフェンスが上手いだけでもうざいのに、なんで普通に対人で守れるんだよって感じです。特に触れてないけどスクリーナーとしても超優秀な今日のドレイモンドでした。逆にルーニーの存在感がなかったのはちょっと気になります。

ウォリアーズ3P 15/32(46.9%)

 これだけスリーを決められて104点しか取られていないんだから、よく守れていたよね。クリス・ポールにあんなに決められたのはちょっと想定外だったけど。

PJ 20PTS 5REB 3STL 1BLK

 ドンチッチ→ギャフォードが機能不全になったこともあって、カイリーと並んで19のアテンプトがあったPJ。今日も今日とて酷いEFG%だ。あと一本決めてくれれば展開は全く違ったんだけど、20点っていうのが絶妙にケチをつけにくいところ。

クリバー 0PTS 3REB 2AST 1STL 3BLK

 個人的には何しとんねんって感じです。前半終了間際のシュートは除外したとして、1本ぐらい決めろやと思いました。でもレーティングは102.6/87.2でNETレーティングトップっていうね。アドバンスドスタッツが良いことに甘えてんじゃないよ。

 ウォリアーズとは4/6に再度対戦します。どちらもB2Bの対戦ですが、今度はマブスホームでの試合となるので、現地は盛り上がるだろうね。しかしハイキュー面白かったなー。