クリバーが下げられてもナンスが入ったラインナップだったから、OREBでは荒らされないだろうと思っていたら、そうでもありませんでした。JGがDREBを取りに行こうとしてポロっと落としたり、そんな感じです。疲れていたのかもしれない。加えてパウエルもあっちに行ったりこっちに行ったりで疲れていたのか、バランチュナスにファールしたりとぐだぐだな展開でした。
そこで出てきたのがグラントです。まあこれは分かる。そこからDJJが入るのがよく分からない。分からないっていうか、グラントとDJJのハードワークは認めるけど、そこにインテリジェンスが足りないって話です。DJJはヘルプディフェンスは出来るけど、JGみたいにシューターがフリーになる前に動けるほど早くはない。そういう能力は寧ろグラントの方が高いように思います。そのグラントにボックスアウト役をさせて、こうそくへるぷみたいなDJJを投入して、あとはカイリー、THJ、ハーディ。
どうしたんだよキッド
グラントを起用したいならクリバーとボックスアウト役をシェアするか、JGにダブルチームの穴を埋めてもらうかしないとどうなるのかっていうのが第4Qのスモール起用の結果だったように思います。元々怪しかったグラントは、ポストのバランチュナスにボールを入れさせないよう奮闘しましたが失敗。そこが失敗するだけならまだいいのですが、他のディフェンダーがグラントのヘルプに行こうと寄った結果、マークマンが曖昧になっていた印象です。加えてホーキンスを守っていたDJJがバランチュナスにダブルチームに行き、がら空きになったホーキンスにワンパスでスリー。カイリーが走っていましたが追いつかなかった。第4Qに来て初めて、第1Qの最初のプレーみたいな崩され方をしたマブスでした。
そこからパウエルを戻しましたが勝てなかった。OREBを取られまくり、結果今季の平均OREB以上の数字を残したペリカンズでした。
ペリカンズの合計OREB 14
うち5つがバランチュナスで、第4Qだけで4つ取られました。第3Qまで徹底したリバウンド対策が一気に崩壊した第4Qでした。ぶっちゃけ後半パウエルを投入しても取られまくったのは、疲れていたパウエルっていうのがあると思います。最後の方はカバー→ボックスアウトの動きが鈍かったし。ここは彼の負担を管理出来なかったキッドのミス。
9REB/8AST/3STL
うち5つがOREBだったパウエル。OREBに絡んだ回数でいえばとんでもないことになります。ここの仕事を減らす為にクリバーを使っていたのに、それを第4Qの最初に下げたのは謎です。復帰戦でプレータイム制限があったんだろうけど、だったら第4Qにちょっとだけ使うのもよく分からない。
結局、どう考えてもあのスモールはないだろって感じです。グラント+クリバー、パウエル、JGの誰かを出していれば理解も出来るのに、ハードワークの部分を全てグラントに押し付けたように見えました。自分の采配を理解していない、言ってしまえば「急に人が変わった」ような采配でした。
■フロントの魔の手?
既に一万字を突破したところで本題に入りました。急に人が変わったような采配の裏に、フロントの指示があったのでは? という話です。
パウエル、クリバー、グラント、JGをハードワーク担当として起用し続け、第3Qまで試合を崩壊させず、第4Qの頭にはじりじりと点差を詰めていたマブス。
1/14 NOP戦のマブス
チームのOffレーティング/Defレーティング 117.4/128.3
パウエル 132.3/119.4
JG 127.9/126.6
クリバー 104.3/82.6
グラント 81.5/135.7
グラントはとんでもないマイナスを叩きだしていますが、パウエルの代役として第3Qまでは試合をもたせていました。他は概ね試合のイメージ通りの数字です。この組み合わせで四人の仕事を分散させていたのに、そんなことは全く考えていないようなスモール起用。ちょうどこの時並んでいたのがカイリー、THJ、ハーディ、DJJ、グラントでした。三人が今季獲得&再契約した選手です。
フロントが用意した選手
キッドは苦しい時ほど上手く行った戦術を使いたがるHCです。だからドンチッチがいつも酷使されるわけだし、何が何でも勝ちたいという彼の性格とも一致する采配です。そんな彼がまるで自分を見失ったような采配。そこにいたのがフロントの引っ張ってきた三人選手。おや……? おまけに残りの二人がTHJやハーディと、カジュアルなファンに人気が出そうな選手を並びました。
点が取れないから、スコアラーいっぱい使うぜ!
なーんにも理解できないラインナップでしたが、強いて言うならこんな意図が読み取れました。それまでこの試合でのオフェンスはカイリーとTHJに任せっぱなし、たまにパウエルポイントセンターで使おっかなーぐらいのプランしか感じなかったキッド。その分ディフェンスでアジャストしてきた彼が、自分が用意してきたディフェンスのアジャストを全部捨てて、オフェンスに方向転換するとは思えません。まして点差は縮まっていたわけだしね。
そしてこの試合はドンチッチが不在でした。その中でフロントが用意した選手の活躍によって逆転勝利すれば、フロントの評価はうなぎ登りなわけです。逆に負けたとしても、以前からバッシングされているキッドのせいにしやすいので、ローリスク・ハイリターンな賭けなわけです。これがドンチッチがいる試合ならハイリターンにならない。結局「ドンチッチすげー」ってなっちゃうからね。フロントが采配に口を出す動機がないわけではないってことです。
・終始ディフェンスでアジャストしてきたキッドが、急にその全てを捨てたような采配(人が変わったような采配)
・フロントが用意した選手が並んだラインナップ
・フロントの評価を上げたいという動機
ここまで書いておいてですが「絶対フロントから指示があった!」と言うつもりはありません。ただ根拠も動機もあるにはあるってこと。それを疑いたくなるほどこの試合の采配はとち狂っていたように思います。
長々と続いたキッドの話も次で最後です。そう、まだ続きがあります。キッドのことを考えすぎて嫌いになってきた管理人ですが、最後はよくある批判意見に対しての私見をまとめて、最終的にキッドがマブスに要るのか、解雇すべきなのかについて書こうと思います。