あ♥@マブスファン

マブス専門NBAブログ(不定期)

【23-24 PO-5】VSクリッパーズ Game-5

 

 絶望的なゲーム3から、タフショット連発&プラムリーとラスで勝ち切ったゲーム4というクリッパーズ。それに対してマブスは一貫して自分たちのオフェンスを貫いています。言ってしまえば手を変え品を変えているクリッパーズと、頑固おやじなマブスと言う構図。

 「手を変え品を変え」っていうのは柔軟な対応が出来ていると言うことも出来るけど、逆に言うと自分たちのバスケが出来ていないってことでもあります。そんなゲーム5です。

 

■第1Q

 これまでのゲームと同様、ハンドラー&ビッグの対決というのが基本ラインのオフェンス展開です。そこにドンチッチを狙うPG13やハーデンのアイソが混じってファウルトラブルになったゲーム4でしたが、結局この試合も第1Qで2ファウルしてしまいます。

 このファウルトラブルについてはチームとしても個人としてもある程度対策はしていて、コーナー担当のコフィ―を主なマークマンとして動かないようにしたり、スクリーンでハーデン対ドンチッチやPG13になった時は下がり気味に守ったりという風な感じ。特にドンチッチ側の対応が二人をやりにくくしていたように見えました。

第1Q

ハーデン 3PTS FG 1/5(20%) 3P 1/3(33.3%)

PG13 3PTS FG 1/5(20%) 3P 0/2

 第1Qは二人合わせてFG 2/10という酷い結果に。PG13はフリースローを二本貰ったけど、ドンチッチのところじゃないし。

 プレーオフに入ってからドンチッチのディフェンスは劇的に改善しました。具体的に何がっていうとドライブで抜かれることが減ったって感じです。それは周囲のヘルプディフェンスがインサイドをしっかり固められていて、ドライブコースが限定されているっていうのがひとつと、ドンチッチはそもそもフィジカル的にドライブに当たり負けはしないってこと、それにやる気が合わさってドライブコースをしっかり塞げるように足が動いているって感じ。で、ゲーム2とかはその上でシュートを打たせないようしっかりチェックに行けていましたが、ゲーム4ではそこを逆手に取られてファウルを誘われていました。

 そしてゲーム5のドンチッチは、がっつり引いてシュートを打たせるかのように守っていました。これがブッカーやテイタムだと酷いことになりそうですが、今日のハーデンとPG13には有効に働きました。

 今日のゲームでクリッパーズがドンチッチを狙った目的は恐らくファウルトラブルにさせたかったってことだと思います。ステップバックすれば余裕でシュートを打てる場面でも、頑なにドンチッチにドライブしていたからね。でもってドンチッチがシュートフェイクに反応してくれないから困り果てていました。

ファウルをさせたいクリッパーズとのチキンレース

 ハーデン&PG13が「そんなに引いて守ったらシュート打っちゃうよ」というように鎌をかけたところに反応せずに対応したドンチッチ。実際にはそのシュートが入らないからどうぞ打ってくださいって感じになりました。面白いのが、ここでのドンチッチのディフェンスってただ疲れて反応出来ていないようにも見えるんだよね。だからこそクリッパーズ側が作戦変更に踏み出すのが遅かったのかなーと思っています。実際、単純にドンチッチが疲れていただけって可能性はあるんですが、管理人は意図的にドンチッチが仕掛けたように見えました。

 まあでも、ファウルさせることが目的のオフェンスって上手くいかないよね。ある意味このシチュエーションでハーデンとPG13は、ドンチッチからファウルを思うように取れなくて打たされているってことだから。搦手に拘り過ぎて自分たちの本来のオフェンスを見失ったような二人のスーパースターでした。

 一方でドンチッチのファウルトラブルを避けたいっていうマブスの意図とズバッツは噛み合って、ビッグマンでの得点は稼げていました。

第1Qズバッツ 8PTS FG 4/4

 ドンチッチのヘルプが弱いことと、単純にギャフォードにもライブリーにも押し込めるズバッツがクリッパーズの起点になりました。ズバッツの8点に対して第1Qのギャフォード&ライブリーは4点なので、ビッグマン対決は制したクリッパーズでした。その代わりにハンドラー対決ではマブスが勝ち、結果トントンって感じの立ち上がりです。

 

■第2Q

 ゲーム4の第4Qに違いを作りまくったラスとプラムリーを投入するクリッパーズ。困っていますと言わんばかりの出し方。それでプラムリーのスクリーンからオフェンスを展開するのかと思いきや、ずーっとダンカーズスポットにいました。なんじゃそりゃ。でもってドンチッチが戻ると、連続してドンチッチのところからシュートを打つクリッパーズでした。ということでドンチッチがいなくなってどう攻めるか困っていたような感じでした。

 対するマブスはスリーが入り始めます。決めたのはクリバーだけなんだけど。

第2Qマブス 3P 4/11(36.4%)

 PJがワイドオープンを0/4と外しまくっている間に、クリバーは4/6で決めました。ちなみに前半マブスの3Pは5/21の23.8%で、あと一本はDJJのものです。至って通常運転なマブス

1st Halfクリッパーズ 3/15(20%)

 対するクリッパーズは前回と打って変わって全く入らない。第2Qは0/7です。まあゲーム4もワイドオープンは外しまくるのに、なぜかタフなスリーばかり入っているクリッパーズだったので、まあそうなるわなとは思います。

 

■後半

 第3Qは両チームのターンオーバー合戦という訳の分からない立ち上がり。これを見るとちょっとヒヤッとしましたが、DJJのスリーで落ち着きます。と思ったらドンチッチがパスミスでターンオーバー。そしてカイリーがファウル祭り。それに負けじとクリッパーズも速攻からコフィ―がトランジションでスリーを外し、ドライブからのタフショットを外し。第3Qは雑にならないと気が済まないのかってぐらいに、お互い雑な展開が続きました。

 付け入る隙は幾らでもあるのに、全くモノに出来ないクリッパーズ。それもこれもスリーが入らないから。まあでも、スリーが入らなくてもビッグマンとの連携で繋げられたマブスと、それが出来なかったクリッパーズの差はあるよね。このシリーズは段々とマブスのビッグマンが活躍していってるんですが、それってクリッパーズがディフェンスのインテンシティを徐々に失ってるってことで、最終的にはディフェンスが物を言うプレーオフっぽい試合でしたとさ。うーん、もうあんまり書きたいことがない。

 最終的にこのシリーズ初出場となるPJタッカーを起用したティロン・ルー。管理人のPJタッカーへの評価って、ヒート時代がギリギリ全盛期で、バックス時代はもうだいぶ怪しい、それ以降はちょっと無理って感じ。実際クリッパーズの試合で出てるとこ見たことないし。もう誰も入らないから、だったらって感じなのかな。これを見たらティロン・ルーの引き出しはもうないのかなと思った管理人。

 実際に試合に出たPJタッカーは頑張っていました。OREBに積極的に参加するし、ディフェンスもハッスルするし。それらが全部ファウルという形で裏目に出ているのが最近のPJタッカーだと思っているんですが、今日はちゃんとプラスに働いていました。ライブリーへのチャージドローはやられたと思ったけどね。チャレンジしてもディフェンスファウルで処理されていました。可哀相。

マブス FG 47/87(54.0%) 3P 14/36(35.9%)

クリッパーズ FG 33/87(37.9%) 3P 9/35(25.7%)

 やっぱドンチッチのファウルを狙いだしたのが運の尽きって感じがします。相手に合わせず、自分たちのリズムでシュートを打てばハーデン&PG13の二人で3P 3/13は避けられたんじゃないかな。コフィー、パウエル、マンの3/14は知らん。PG13が第3Qに気合で2本のスリーを決めましたが、それ以外は本当に入らなかった。逆にあの2本があったからドンチッチは39分の出場になったような気もするので、爪痕は残しました。だからなんだって思うけど。

マブスターンオーバー 8

クリッパーズターンオーバー 13

 今日のマブスはターンオーバーが非常に少なく、ターンオーバーからの失点も7点しかありません。前回が23点だったので、クリッパーズを追いつかせなかった大きな要因です。特に前半はたったの2TO! これは本当に素晴らしい以外の言葉がありません。

ギャフォード 8PTS

ライブリー 12PTS

ズバッツ 15PTS

プラムリー 3PTS

 第1Qはビッグマン対決でクリッパーズにアドバンテージを取られましたが、終わってみればギャフォード&ライブリーが20点、ズバッツ&プラムリーが18点とリードしました。特にプラムリーのところから仕掛けて来なかったのは、ちょっと意味が分かりませんでした。

 ハンドラーで勝ち、ビッグマンで勝ち、スリーでも勝ったマブス。ゲームチェンジャーとしてラスを投入する策も、オフェンスでは徹底的にスリーを捨て、ディフェンスはスクリーンで剥がし、速攻にはクリバーと完全に答えを出しているので、まあ終わりでしょ。

 試合中、2-2の状況でゲーム5を取った81.7%(だったと思う)のチームがシリーズを制している、みたいな数字が紹介されていました。まあ采配的にいえばそうだよね。今日もティロン・ルーが苦し紛れにPJタッカーを起用したように、プレーオフ用の秘策なんてゲーム7まで残らないよ。秘策を残したままゲーム7に臨むとか、ただの無能だしね。もっと早く使えば試合数減らせただろって叩かれる。

 とはいえティロン・ルーなので、PG13をセンターにしたスモールとかは仕掛けるかもしれません。そんなの付け焼刃だろって感じなので、クリッパーズとしては次の試合、

付け焼刃の策に頼るか、自分たちのバスケを信じるか

 この二択を迫られる試合です。そしてこの選択がゲーム6の結果を左右すると思っています。優勝するチームっていうのはまず後者を選択するし、結局それが最後に物を言うところでもあります。

 

 ということで、最後にこの試合で気になったところを二つ。一つは一瞬だけ使われたJG、DJJ、クリバー、PJ、ギャフォードのラインナップ。ドンチッチもカイリーもエクサムもハーディもいない、誰がオフェンスすんのってラインナップで、ワンポゼッションディフェンスした後にキッドはタイムアウトをコールしました。これ最初意味が分からなかったんですが、アフタータイムアウト対策だね。そしてもうひとつが恒例のDJJ。

DJJ 12PTS 3REB 1AST 3BLK

 FG 5/7の71.4%に3P 2/4と、今日も今日とて素晴らしかったDJJ。アシストが凄かったね。第3Q 04:30辺りでドライブキックアウトしてクリバーがコーナースリーを決めたんだけど、最初盛大にファンブルしてたまたまクリバーのところに行ったのかと思ったよ。あと少しパスの軌道が低ければカットされていたかもしれないし、長ければクリバーは取り切れなかったし。ワンステップしてちょうど頭の上に来るっていう絶妙なパスでした。狙ってやったのかはちょっと分かりませんが、それが出来るとしたらとんでもない成長速度だね。っていうか本当にDJJか? 次はDJJのパスに注目したいと思います。バックコートからのボール運びで2TOしたのは、とりあえず目を瞑ってやろう。