あ♥@マブスファン

マブス専門NBAブログ(不定期)

【23-24 PO-2】VSクリッパーズ Game-2

 

 カワイ・レナードが復帰となったゲーム2。ゲーム1を見た後だと、ぶっちゃけカワイがいる方がドンチッチはやりやすそうな気がしたんですが、実際はどうだったのか。

 

■第1Q

 コフィ―がそのままカワイと入れ替わった形のクリッパーズ。カワイ&ズバッツのところでギャフォードのスクリーン→ダイブの形に。ここのパスを見失ったギャフォードでしたが何とかロストはせず、ポール・ジョージにダンクを仕掛けて外します。ただ外したところをDJJがフォロー。

 その次はギャフォードのスクリーンを利用してコーナーに動くカイリーにパスを捌くドンチッチ。ここでスリーを打てず、ドライブしたところをカワイに挟まれてスティールされます。

 三つ目のポゼッション。ドンチッチ対カワイの形をPJのスクリーンでドンチッチ対ハーデンに。華麗にハーデンを抜いてズバッツにアタックし、ファウルドロー。

 09:40からのポゼッション。カイリー&ギャフォードのP&Rに対してカワイがヘルプポジションを取ってケアします。その分空いたPJにパスが通り、ドライブキックアウトからカイリー→DJJのドライブ。ズバッツに仕掛けてファウルドロー。

 といった風に簡単にミスマッチを作らせてくれるクリッパーズディフェンスでした。ミスマッチをカワイのヘルプディフェンスでフォローしたかったんだろうけど、そうするとパスコースが空くからボールが回っていつものマブスって感じのオフェンス。これがズバッツのファウルトラブルに繋がったように思います。

 まあ幾ら優秀なディフェンダーといっても、それなりにサイズがあるカワイなのでスクリーンをオーバーで守るのはちょっと難しそうな気がします。だからスクリーンひとつで簡単にスイッチしてくれるし、そうするとマブスとしてはいつも通りのことをすればいいわけです。ただカイリーがスティールされたように、ヘルプディフェンダーとしては厄介な選手なので、色々な意味で代役だったコフィ―と真逆。カイリーはカワイがいる方が嫌だろうけど、ドンチッチはコフィ―の方が嫌そうっていうのが管理人の感想です。

 ギャフォードからライブリーに変えたマブス。スクリーンで剥がすこと自体はギャフォードの方が上手いと思っている管理人ですが、逆にライブリーのスクリーンでもミスマッチを作れるなら、ディフェンスを考えてライブリーを長く使う方が有効に見えました。でもってちゃんとミスマッチが作れたライブリー。ということで、カワイが復帰したことでオフェンスが改善したような第1Qのマブスでした。なんじゃそりゃ。

第1Qマブス FG 8/19(42.1%) 3P 3/8(37.5%)

 ここにフリースローの4点も加わって23点を取ったマブス。ゲーム1の第1Qより1点多くとれたぞ。

第1Qクリッパーズ FG 5/20(25.0%) 3P 1/4(25.0%)

 対してクリッパーズは大失速の19点でした。これに関してはマブスのディフェンスがゾーンになったことが効いたっぽい。04:45のポゼッションでクリバーがアウトサイドからゴール下に走って行くところとか、完全に場所を守るディフェンスだよね。

 クリッパーズクリッパーズで、ゲーム1と同じくミスマッチを作って、ハーデンのパスで簡単な点を取りたかったわけですが、ここがゾーンによって封じられた感じです。ズバッツがいればもうちょっとゴール下を押し込んで点が取れていたんだろうけど、あいにくのファウルトラブル。

 第1Q残り2分ぐらいでカワイが下がり、コフィ―が出てきます。でもクリッパーズマンマーク徹底じゃなく、ゾーンで守ってきます。ゾーンにされる分にはミスマッチも作れるし、スリーも打てるし、何も怖くないマブス。ここでスリーが入らないと辛いんだけど、クリバーもスリーを決めました。

 

■第2Q

 相変わらず苦しいオフェンスのクリッパーズ。ということでハーデンが下がってラスが出ている時間、クリッパーズはカワイのポストプレーを仕掛け始めました。NBAを19-20シーズンから本格的に見始めた管理人にとって、カワイって完全にオフェンスの人なんだよね。

 10:30ぐらいからのポゼッション。カワイ対PJのマッチアップで、ワンドリブルのステップサイドからミドルを打つとこれを沈めます。これをファーストプレーで決めてくるあたりがさすがって感じです。

 そこからのオフェンスでスクリーンからドンチッチ対コフィ―の形を作ると、これに対してドンチッチがポストアップを仕掛けます。ここはゲーム1の後半から修正した場面。フェイダウェイを打って外します。

 マンマーク徹底で守って来るなら、ポストの1on1でいじめちゃうよっていうのがゲーム1からの修正で、次のポゼッションではドンチッチ対ノーマン・パウエルのポストアップに対してハーデンがダブルチームを仕掛けました。ここでダブルチームに来たのがラスだったらよく分からんって感じなんですが、ハーデンが仕掛けてきたってことはティロン・ルーがこの形を嫌がっているってことだよね。でもってダブルチームを仕掛けるならパスを捌けるので、ドンチッチ→THJ→カイリーからドライブして、ライブリーのアリウープまで持って行きました。ということで、マンマークのディフェンスに対しても答えを用意できたマブス

 対するクリッパーズオフェンスもカワイ対PJのポストアップを継続。カワイがディフェンダーを引き付けてシンプルにパスを捌き、パウエルのスリーを演出します。本当に現代バスケかってぐらいにポストアップばっかりで、これがロースコアゲームに繋がったように思います。やっていることは昔のバスケなんだけど、きっかけは現代的なディフェンス。温故知新ってやつだ。

 ミスマッチを作ってボールを回し、マンマーク徹底にはポストアップするマブスと、ミスマッチを作ってボールを回し、困ったらカワイのポストアップというクリッパーズ。我慢比べの展開になってきました。マブスの日常。ドンチッチがいない時間にオフェンスが停滞するのも日常です。

ギャフォード 9MIN 0PTS FG 0/3

 ギャフォードのスクリーンからミスマッチは作れるんだけど、どうにも押し込めないことが苦しかった。ゴール下でギャフォード対カワイになってスティールされるし。そうなるとやっぱライブリーだよなーって感じです。

第2Qマブス FG 8/18(44.4%) 3P 1/5(20.0%)

第2Qクリッパーズ FG 10/24(41.7%) 3P 1/9(11.1%)

 第2Qは22対22と、お互いに粘ったクォーターでした。ただ最後のポゼッションはちょっと勿体なかったね。絶好の速攻シチュエーションだったんだけど、PJとDJJのエントリーが遅れてコートを広げられませんでした。ドンチッチは待ってたっぽいけど、時間がなくてタフなスリーを選択せざるを得ないって感じでした。これまでずっと我慢出来ていただけに、あともう少し頑張って欲しかったところです。

 

■第3Q

 第3Qのクリッパーズはミスマッチを作ってズバッツのゴール下を狙う意識を強めました。その為にカワイ対カイリーのポストアップの形から、ゴール下のズバッツにパスを出したりしてね。そのままカワイが仕掛けてよさそうなシーンだけど、より簡単な点を取りたいってことだ。ただマブスのゾーンに苦しんで、中々押し込みきれないズバッツでした。ファウルドローからフリースローを貰うけど、決められない。手を変え品を変えするけど、結局は我慢比べ。

 06:56のところで、テレンス・マン→ラスに変更して、スターおじさんズ+ズバッツの形にしたクリッパーズ。ここはティロン・ルーがラスで勝負を仕掛けたところであり、即ちゲームプレビューの「ラスの理不尽速攻に耐えられるか」っていう注目ポイント。

 最初のポゼッションでトランジションからハーデン→ラス→コーナーのポール・ジョージとパスを繋ぐと軽快にスリーを沈めます。ディフェンスではギャフォードの押し込みをカワイが止めて、OREBに絡むDJJを振りほどくラスのリバウンド。マブスがシュートを外せばラスがボールをプッシュし、ゴール下のズバッツにパスを捌いてファウルドロー。7点差をつけられたクリッパーズがラスを投入してから同点になるまで、僅か1分14秒のことでした。ほんま理不尽大王

 そんな理不尽大王に対抗する為に出されたのがクリバー。ギャフォードを下げてクリバーのワンビッグにします。で、ラスの速攻に対応しようとサイズを下げたらズバッツが活きやすくなるっていうね。よく出来てるわ、クリッパーズ

 クリバーの投入で戻りが早くなったことと、クリバーとは関係なくマブスのシュートが入ったことでラスのボールプッシュは脅威を失ったものの、自分のマークマンを捨ててクリバーからスティール、そこからまたボールプッシュと、完全にウェストブルック劇場な第3Qでした。

第3Qクリッパーズ

ターンオーバーからの得点 7

2ndチャンスからの得点 4

速攻からの得点 8

 第3Qに25点スコアしたクリッパーズですが、その内19点がハーフコートオフェンスじゃないところからの得点でした。それだけクリッパーズも困っていたし、そこを解決したラスの存在感は半端じゃなかった。

 ただマブスはそこで自分たちのバスケを見失わずに我慢し続けられたのが良かった。自分たちがやりたいことはちゃんと出来ているっていう自信があったからこそ大崩れしませんでした。ここで自分たちもハイペースでの点の取り合いに付き合ってしまったら、ラスにもっと点差を付けられていたかもしれません。

 

■第4Q

 第3Qの流れを維持したいかのようにラスを使い続けるティロン・ルー。パウエルの見事なスリーやラスのブロックなど、一見やられたい放題に見える展開ですが、ここでも我慢するマブス。ディフェンスの隙間を縫ってパスを捌き、いつも通りのオフェンスを展開し続けます。

 そしてタイムアウト明けにはドンチッチ対ハーデンのポストアップ。まだ我慢し続けるぞというマブスオフェンスと、どうにかして突破口を掴みたいクリッパーズディフェンス。ラスがダブルチームを仕掛けるとドンチッチがパスを捌いて、PJがフローターを決めます。07:55のポゼッションではドンチッチ→クリバー→PJとパスを繋いでコーナースリー、これで同点に追いつきます。そしてトランジションからカワイに対してドンチッチがスリー。なんだかあっさり逆転したように見えるけど、それまで我慢して自分たちのシュートを打ち続けたことが、ここまでのプロセスを作ったような時間でした。

 第4Q中盤に差し掛かって、スターおじさんズ+パウエルのスモールラインナップを仕掛けたクリッパーズ。オフェンスで殴り勝つぞっていう意思を感じつつ、このラインナップでオーバーヘルプ厳禁のマンマーク徹底ディフェンスをされると、それまでのボールムーブが止まってしまいそうで怖かったんですが、ラスがダブルチームを仕掛けたところでカイリーにパスを捌きスリーを決めます。

第4Qマブス FG 8/16(50.0%) 3P 6/9(66.7%)

第4Qクリッパーズ FG 10/22(45.5%) 3P 4/9(44.4%)

 第4Qを31対27でなんとか勝ち切れたマブスでした。こうしてみたらスリーが入っただけじゃないかって感じだけど、入るまで我慢し続けられたから第4Qになって入り出したようにも思います。

 この記事で何度も我慢って言葉を使っていますが、それがこの試合の全てだったように思います。ゲーム1での修正を実行して、シュートが入らなくても「これが自分たちのバスケ」だと信じ続けられたことでラスの理不尽速攻に大崩れせず、寧ろ簡単にパスコースを空けてしまうラスの弱点を終盤突っつき回すことも出来ました。で、我慢出来たのはオフェンスだけじゃなくディフェンスでもそうでした。

VSドンチッチ

FG 2/14(14.3%)

3P 1/8(12.5%)

 これはクリッパーズの選手がドンチッチに対してオフェンスを仕掛けた時のFG。管理人が自分でつけた数字なので、恐らくNBA.comの数字とは違うんだろうけど。

 特に素晴らしかったのはハーデンへのディフェンスで、ドンチッチとマッチアップした時はFG 1/5でした。ちなみにアテンプトは全部スリー。ゲーム1ではハーデンのスリーにやられまくったわけですが、ここを守るのが非常に上手かった。ハーデンのステップバックって下手に追いかけるとファウルになるので守るのが難しく、実際第3QにJGが接触していないのに3Pファウル取られていました。ですがドンチッチはハーデンの体の左側に逃げるようにクローズアウトして、接触しないこととプレッシャーのあるシュートチェックを両立させていて、結果今日のハーデンは3P 2/10という数字に。

 まあこの数字ってディフェンスの結果だけを切り取った数字なので、実際にはこれ以上にインサイドでズバッツとフィジカルファイトして、アウトサイドを追いかけてと頑張っていました。45分出ながらね。その上で最後まで冷静にパスを捌くし、シュートは決めるし。

 ドンチッチに限らず、カイリーはルーズボールリカバーで奮闘し、PJはカワイを自由にさせなかったし、クリバーはラスとズバッツを守ったし。個人的にはライブリーがディフェンスのミスマッチで狙われた時にゲーム1以上に頑張れていたことと、JGがOREBに絡みまくっていたことが印象的です。JGは本当に昨シーズンに戻ったようなプレーだった。あとはDJJがミドルレンジでシュートを打ったのもかなり印象的でした。

 ロースコアだし、大接戦だしでカジュアルなファンにはつまらないし不満も貯まりそうな試合だっただろうね。まあそれがウェストのプレーオフで戦うってことだと思います。クリッパーズのスリーが決まっていればって話だけど、ティロン・ルーはちゃんとラスを使って解決したし、アフタータイムアウトのプレーはきっちり決めたし。ほんとどうなってんだよってぐらい決めたよね。そういった仕掛けを食らった上で勝ちきれたことは非常に大きい意味があったと思います。