あ♥@マブスファン

マブス専門NBAブログ(不定期)

【考察】キッドは正しく理解されているのか?-2

 

 昨日投稿した記事の続きです。前置きはここまでと息巻いたはいいものの、もう試合の内容を忘れてしまいました。覚えている範囲で書いていきます。

 

ペリカンズの話

 早速脱線なんですが、管理人はシーズン序盤からちょくちょくペリカンズの試合を見ています。というのも11月にマブスが戦った時、ペリカンつえーってなったのにあまり話題になっていなかったからです。その時からディフェンスの強さをベースにしつつ、シーズン中盤に差し掛かろうという今でも様々なオフェンスを試しているペリカンズだから、突出して目立つ選手がいないってのがあると思います。

 昨シーズン、プレーイントーナメントで惜しくも敗れたペリカンズ。ぶっちゃけザイオンが出ていたら勝っていたような気がしますが、プレーオフに出場していたとして、優勝できたかと言われれば、うーんって感じです。

プレーオフで勝つ為の準備期間

 正しいレギュラーシーズンの使い方ですね。まだプレーオフに出ていないこと以外、特におかしいことはありません。CJやイングラムをPGにしたりシューターにしたり、ザイオンをポイントフォワード化したり、シューター4人+スクリーナーの形にしたり。そこから徐々に使える戦術のブラッシュアップを始めたのか、シーズン序盤に大活躍していたマット・ライアンは最近使われていません。ザイオンとバランチュナスが二人でペイントエリアを占領するオフェンスはたまに見る。すごく好き。

 こうして色々な戦術を試せるっていうのは、裏を返せばそれだけの選手を用意できているということです。怪我しやすい主力選手たちの影でコツコツ育て続けたHCの育成、プレーオフに進めなくても、そして大衆に注目されなくても腐らず努力してきた若い選手とそれを支えるベテランたち。特にハーブやトレイなんかは毎年のように成長を見せています。あとナジ・マーシャルの成長には驚きました。良いディフェンダーになれそうな体だなーぐらいしか良い印象がなかったのですが、今となってはシューターは勿論、たまにP&Rハンドラーなんかもしています。本当よく頑張ったな。

 

 いや何のブログだよって感じですが、管理人はペリカンズをものすごく買っています。今季の優勝候補筆頭だと思っていますし、ザイオンをはじめポテンシャルの高い選手を見出すスカウティングや、育成力と豊かな戦術を持ち合わせるウィリー・グリーンHCの獲得など、バスケに理解のある優秀なフロントだと感心しています。ザイオンの体重管理問題は……まあ、言わないでよって感じです。

 この試合、楽天NBAのファンコミュでペリカンズを褒めちぎるつもりでいたのですが、そんなことをしている場合じゃなくなったわけです。

 

■第1Q

 ルカ、エクサム、ライブリーと見事にオフェンスの起点役が欠場したマブス。それに対してザイオンイングラム、CJが欠場のペリカンズでした。どっちの方がきついかって言われたらマブスの方がきつそうです。だってその三人いなくても強いじゃん。ってことで主力三人がいない試合を探してみましたが、なんとこの試合が今シーズン初だったそうです。イングラムが37/41試合の出場ということで、全然休んでないみたい。数字で証明出来そうにないので、試合を見た印象でその強さに触れてみましょう。

 第1Qはバランチュナスのポストアップからのオフェンスが主な戦術でした。後はP&Rでハンドラーとのコンビプレーとそこからのキックアウト、それとディフェンスからの速攻って感じです。この基本ラインは試合終盤まで継続されます。

 バランチュナスのポストアップに対して、マブスはパウエルを当てます。サイズ的に彼が適任なわけですが、マブスはそこからダブルチームを仕掛けます。フィジカルとサイズで上回り、尚且つスキルもあるバランチュナスをパウエル一人で守り切るのはきついという判断ですね。これは正しい。

 しかしそこはさすがのペリカンズ。最初の得点はダブルチームに行こうとしたDJJの裏をカットしたダイソンへパスし、綺麗に二点取ります。他にもダブルチームを誘ってアウトナンバーになったシューターへパスを捌き、エクストラパスからのスリーや、単純にポストプレーでフックを沈めたりファールドローされたりと、次々にオフェンスを展開します。

第1Qペリカンズ 29点

FG=52.4%(11/21) 3P=42.9%(3/7)

 見事にオフェンスで攻略された第1Q。ただ高い成功率の割に29点で済んでいるのは、ポストアップ起点でペースが遅いオフェンスになったからというのが一つ。もう一つはオフェンスリバウンドのケアに気を遣っていた成果だと思います。

 ペリカンズのOREBは11.0でリーグ13位の数、ウェストで4番目の多さです。ちなみにウェストでの一位は12.8でウォリアーズとジャズが同率、12.3でブレイザーズが3位。これを以てOREBが強いのかって言うと微妙だし、OREBが取れたからといってそれが有効なのか疑問に思うでしょう。ジャズを除けばどっちもプレーイン圏外のチームだし。ってことで、少し視点を変えて見てみましょう。
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 これはFG%の高いチーム順に並べた状態です。ペリカンズのFG%は48.7%でリーグ8位、LALとLAC、MINは殆ど一緒なので同率5位ぐらいとしましょうか。この順番にしてOREBを見てみましょう。


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 ペリカンズ以上の効率でシュートを決める8チームの中で、最もOREBを確保しているのがこのチームなわけです。言いたいのは、平均OREBの数が多いこととリバウンド力が高いことはイコールではないってこと。効率よくシュートを決めるってことは、それだけOREBに参加するチャンスが減るってことなので、必然的に平均OREBは多くなりにくいです。ブレイザーズやウォリアーズのOREBが多いのは、それだけシュートを外しまくっているってことでもあります。

 そしてペリカンズは効率よくシュートを決めながらOREBもよく確保するチーム。それはつまり、シュートミスを戦術的にケアしているってことです。ペリカンズはハーフコートオフェンスでスリーを打つ時、ゴール下にバランチュナスがいるシチュエーションが多く、外れた時に彼にOREBを取らせてセカンドチャンスに繋げようとします。この傾向は、オープンになったシューターがあっさりスリーを打たないことからも見て取れます。バランチュナスがゴール下でポジジョン出来ない状況だと打たないんだよね。その代わりバランチュナスのスクリーン&ダイブと連携したムービングスリーは積極的に打つ。いやらしいよね。しかもそういうシュートの方が逆に決まったりするから余計にさ。

 そんなバランチュナスのOREBは今季2.5でリーグ25位と、優秀ではあるって感じです。もっとチームメイトがシュート外しまくってくれたら増えそうですが。その彼のOREBがこの試合の第1Qでは0、チームとしても1と少ないです。そりゃ確率良く決められてるんだからそうだろってなるのですが、実際ボックスアウトでバランチュナスにリバウンドポジションを取らせないようパウエルが奮闘していたのも事実。グラントも怪しい感じではあったけど貢献していました。そもそもサイズも違えばパワーだってさすがにバランチュナスの方が上なんだから、大健闘と言う他ないです。

 

■キッドの話

 ここでようやく名前が出るこの記事の主人公。スモールボールに拘り過ぎてOREBを取られまくって、何やってんだとよく言われるキッドですが、この第1Qのディフェンスプランからスモールボール=OREBを取られまくるっていうのは違うことが分かると思います。そう単純な話じゃない。

 OREBを取れるバランチュナスという選手がいて、実際にOREBを取りに行こうとしている戦術に対してマブスは有効に守っています。大事なのはボックスアウトの徹底です。ここを見てスモールボールを批判するのはちょっとクレイジー。そんな単純だったらグラントにNBAでの存在価値なんてないよ。

 

 ってことで今回の記事はこれで終わりです。キッドが主人公の記事だったはずなのに一回しか出てないし、内容の9割はペリカンズの話だし、色々と破綻している気はします。何よりまだ第1Qのことしか書いてないです。なのでそれ以降の話は次の記事で書きますが、果たして短くまとめきれるか不安です。