今シーズン四度目のウルブス戦。見飽きた感がありますが、どうやら今シーズンはこれが最後の対戦の模様。ということで今までの対戦の集大成が見られると思いきやドンチッチ、ライブリー、カイリー、DJJ、エクサムと主力選手が軒並み欠場しています。逆にウルブスは誰一人欠けていません。元気だな。なんだかんだ怪我に強いっていうのはチーム作りをする上でかなり重要な要素だよね。同じ選手を使いながら継続的に色んな戦術を試すことが出来るんだから。まあウルブスが色々試すチームかと言われると……うん、どうだろう。
ちなみに今日は試合を見ながら気になったプレーを止めて書いていくスタイルです。
■第1Q
ルディ・ゴベアのポストアップから始まったウルブスのオフェンス。そんな場所でボール貰ってどうするんだと思いましたが、案の定ホームズを押し込めてないゴベアです。押し込めなきゃ外すのにね。ジャズ時代と比べたら若干改善したように見えるショートレンジのフィニッシュ力ですが、少なくともNBAセンターとしては依然として物足りなさがあります。
そんなゴベアがコーナーのジェイレン・マクダニエルズにパスを捌いて、スクリーナーになりに行きました。スイッチしたホームズとTHJのゆるーい空間に入り込んだマクダニエルズはそこそこタフなミドルレンジを決めます。色々試すのはいいけど、そんなもの試してどうなるんだって感じのオフェンスでした。対するマブスはJGにハンドオフでボールを渡し、ホームズの華麗なバウンドパスから簡単な2点を取ります。普通のNBA選手どころか、一般人みたいなディフェンスのアンソニー・エドワーズ。
続くウルブスはまたもゴベアを起点としたオフェンス。フリースローラインあたりにポジションを取り、カットしてきたマクダニエルズにパスしようとして失敗、ターンオーバーです。ここはJGがよく見ていたところですが、それはそれとしてどう考えてもアカンやろってパスをしたゴベアでもありました。
ゴベア起点のプレーが続いていることから、今日は彼中心のオフェンスで行くのかなと思っていたところ、ゴベアのスクリーンを無視したエドワーズがドライブでイージーに2点取ります。じれったかったのかな。「またゴベアか」と思っていたマブスディフェンスは反応出来なかったので、ある意味頭脳プレーだ。
エドワーズがハンドラーになりスクリーンを掛けに行くゴベア。しかしこけてしまった。何してんだよって感じですが、エドワーズはドライブを仕掛けずそのままコントロールして、復活したゴベアにパスを捌くとイージーダンクが決まりました。以前はエドワーズとゴベアのプレーエリアが被りまくって不満そうにしていたエドワーズですが、大人になったね。というわけでゴベアの絡むオフェンスは全然上手く行っているようには見えないのですが、なんとかチームメイトに助けられている感じです。
ゴベアが駄目だと感じたのか、タウンズが絡みだしたウルブスオフェンス。センターなのにガードみたいなプレーをする彼なので、ぶっちゃけマブスで止められる選手はいません。ドライブでハーディが食らいつきますが打点の高いフェイダウェイを決めたり、スピードのあるカッティングからハンドオフ気味のパスを貰って捻じ込んだりとやりたい放題。マブスで一番タウンズを止めるのが上手いのはドンチッチだと思っている管理人ですが、今日は不在です。
ここまでウルブスのことばかり書いていますが、それぐらいマブス側は書きたいことがない。まあドンチッチがいない試合なんて久々だからか、みんな「何すればいいんだろう？」みたいにパスを回すだけ回して、時間がないから1on1みたいな感じです。いかにも慣れないメンツで始まった第1Qって展開。なんてことを思っていたらエドワーズとタウンズを残してベンチメンバーに切り替えたウルブスと、ホームズをパウエルに代えたマブスです。あとO-MAXも入ってきた。
パウエルが入ると退屈だったマブスオフェンスが一気に引き締まりました。ポイントセンターとして振る舞いながら、パスを出した瞬間ロールマンになる。ペイントエリアでフリーになったらそこからまたパサーになると、
ポイントセンターと普通のセンターを行ったり来たりするパウエル
こんな姿が見られました。ワンポゼッションの中でこの役割をスムーズに行き来出来るのは、さすがベテランって感じです。そして外しまくるシューターと、OREBに絡みまくるO-MAX。ただそこはディフェンスのウルブス、タイムアウト明けにはパウエルのインサイドの連携を消しました。
第1Qスコア 21-22（ウルブス1点リード）
ドンチッチがおらず何をすればいいか分からなかった序盤から、パウエルを入れて一応チームオフェンスにはなったマブス。結果1点差のビハインドなわけですが、両者の内容には大きく違いがあります。
マブスの3P 1/10
ウルブスの3P 1/8
タフなスリーを打ち続けて外しまくったマブスと、ワイドオープンは作ったけど入らなかったウルブス。そしてスリーが入らない中、個人技でフィニッシュしたタウンズです。ただのPGみたいにパスを捌いて、次のプレーを促しつついけると判断したらドライブするエドワーズなんかもいた。本当にプレーチョイスがPGみたいだ。
JGのFG 4/4
完璧にシュートを決めたJG。年々フィニッシュ力を改善してきた努力が実を結んだ一方、元々備わっていた視野の広いパススキルは活かせませんでした。あちらが立てばこちらが立たず、ままならないな。
■第2Q
第1Qはダンカーズスポットに押し込められていたホームズ。マブスは第2Q初っ端からホームズとのP&Rでオフェンスを展開していきました。そうそう、それでいいんだよ。P&Rで最初のミドルを決めたハーディ、次も同じ場所からシュートを打って外しますが、そこにダイブしたホームズがOREBをもぎ取ってケアします。これこそ管理人がP&Rの真骨頂と思う部分です。というかハーディはP&Rがちょっと上手くなったな。と思ったらグラントに変なパスをしてターンオーバー。うーん。
そのハーディ&ホームズとは別のところからオフェンスを展開しようとするJG。ドライブしてコーナーにパスを出しますがスティールされます。意識してパスを出すように心がけたんだろうけど、さすがに無茶でした。あちらが立てばこちらが立たず。
第2Qはあんまり書きたいことがないな。JG、ハーディ、THJがハンドラーになってホームズとオフェンスを展開していたわけですが、やっぱり一番課題を感じるのはJGかな。時間が進むにつれて若干良くなったけど、プレーチョイスが自分のシュートに寄り過ぎな気がするJG。シュート決められるのは分かったから、他のことしてくれよって感じです。ハーディはまあ上々、THJもいつも通り。
THJ FG 2/10（20.0%） 3P 1/7（14.3%）
「打ち切れるならスリーを打つ」っていうTHJなので、まあこんなもんかって感じです。良くも悪くもプレーチョイスの線引きがはっきりしているわけですが、ここがまだ曖昧なJG。それだけ出来ることが多いって意味でもあるので、管理人は期待しています。
■終わり
第3、4Qを通して見ましたが、一度も手を止めることなく終わりました。オフェンスでもディフェンスでも大きな変化はなく、普通に負けました。まあ一つの試合中に何でもかんでも解決したらレギュラーシーズンなんて要らないしね。退屈ではあったけど、同時に必要な試合だったようにも思います。ということで、あとは気になった数字なんかを取り上げて終わりにします。
エドワーズ 9PTS 5REB 5AST
これがエースの数字かって感じです。今日はとにかくPG兼ディフェンダーに徹していたエドワーズ。ディフェンスの緩くなった部分を見逃さずにパスを捌き、周りの選手にプレーを促しました。その割に5ASTっていうのは驚きです。
タウンズ 29PTS
ゴベア 17PTS
個人技担当として躍動したタウンズでした。O-MAXにマークされた時は若干嫌そうだったけど、蓋を開ければFG 11/15と高確率で決めています。そして今シーズン平均13.4点のゴベアも平均以上に得点を取りました。エドワーズが使わなかったスペースを、今日はゴベアが使ったからって感じです。序盤あれだけダメダメだったのにね。
目立ったのがエドワーズだったってだけで、ウルブスはちゃんとフリーになった選手を探してパスしていました。カイル・アンダーソンとかは特に。それで仮にフリーになれなかったとしても「個人技で何とかすればいいや」ってぐらいの気持ちだったのが今日のウルブスでした。マブス以外では、その個人技のところで困るからOFFレーティングが高くないのかな。そうなったらエドワーズがなんとかするんだろうけど。
ホームズ 11PTS 10REB 3AST
今シーズン最長の30分出場です。管理人は普段全く気にしないのですが、EFFが24なので数字上では一番目立ったホームズ。やはりP&Rでは優秀な働きをしてくれました。控えセンターとしては充分に活躍してくれそうなのを証明したような今日のホームズ。同時にライブリーみたいに高さで解決してくれるような尖った特徴がないので、やっぱり控えセンター以上になることはなさそうとも思える試合でした。これからもみんなのP&Rの先生として頑張って欲しいところです。
パウエル 3AST 4TO
地味にだけどパウエルの3ASTって、彼のキャリアを考えるとめちゃくちゃ多いんだよね。ポイントセンターと普通のセンターを行ったり来たりしたパウエル。今日の試合では一番正面から攻略したって感じのオフェンスだったけど、ウルブスを崩すには至らず、タイムアウト一回で修正されてしまいました。
パウエルのポイントセンター化には7割方賛成ってぐらいの管理人。少なくともドンチッチがサボる為のオフェンスって意味では賛成なんですが、それをやるのがパウエルかぁってところで全面賛成出来ませんでした。というのもセンターに高い位置でボールを持たせる戦術って、オフボールの選手を全力で追いかけてセンターをフリーにするっていう守り方をすれば割と簡単に崩壊するからです。昨シーズンプレーオフのサボニスとかね。ヨキッチにそんなことしたら逆に崩壊させられちゃうけど。
センターがフリーにさせられた時の対処方法は「スリーを決める」なんですが、スリーが苦手なパウエルなので噛み合わなそうだなーと思っていました。しかし今日のパウエルは良かった。ここのプレーは別の記事で書こうかな。
JG 18PTS 2REB 1AST
FG 8/13と高確率で決めたJGですが「君はそれで満足なのか？」って思ってしまいます。今日のJGは優秀なスコアラー。しかしスコアラーっていうだけならTHJと変わらないわけです。もっとアシストしろよと、そう厳しいことを言いたくなるんですが、前回のマジック戦はそもそもシュートを打つ前の段階で躓いていたことを考えると、改善はしています。ということで引き続き次の試合に期待しています。
