トレードデッドラインが近づいてきました。既にOGアヌノビーやパスカル・シアカムの大型トレードが行われている一方で、この記事を書いている時点ではそれほど活発にはトレードが行われてはいません。トレイ・ヤングとジェイレン・ジョンソン以外放出可能と言っている割に全く動かないホークスや、ドードーと一巡目指名権2枚との交換を断ったネッツ等、動く気満々のチームはいるのにね。
そんな中でマブスはこのTDLで動くべきかどうか、動くならどういう選手を獲得するべきかを考えてみましょう。
■現時点でのマブスの状況
現在26勝23敗でウェスト8位と、何とも言えない順位のマブス。以前なら8位がプレーオフ当落線上だったので、若手に経験を積ませるって意味でここの順位を狙うっていうのは悪くないんだけどね。プレーイントーナメントっていう制度が始まってからそのラインは6位まで引き上げられました。だから8位っていうのは過去の基準で考えると悪くはないけど、今の基準で考えると「プレーオフに出られるかどうか分からない」という非常に微妙な立ち位置です。単純に経験ってだけなら10位のチームだって出来るんだから。
強くもないし、弱くもないマブス
ザ・中途半端チームです。まあリーグ全体で見たら15位とちょうど真ん中だしね。そしてNBAで最も良くないとされるのがこの中途半端なチーム。優勝するには絶対的に力が足りないけど、再建に動くのも難しい。特にマブスは強くないのになぜか指名権が全然ないし、高額契約の選手がいっぱいいるので、大胆にチームの若返りを狙えないっていうのが相当痛いです。だから今後のプランとしては、
・優勝を目指して大型トレードを狙う
・今の順位を維持する
・プチ再建に動き出す
概ねこの三つがあります。そしてこのTDLの動きでフロントの意向、つまりフロントが今のマブスをどう評価しているのかが見えてきます。ぶっちゃけ今は何を考えているのか分からない。
■トレード方針
チームをどう動かすにしても、とりあえず欲しいのは指名権です。マブスは自前の一巡目指名権が4つだけと非常に少なく、二年連続で一巡目指名権がない年があってはいけないってルールから実質動かせる指名権は2つのみとなります。そういう事情があるので、指名権を使って選手を獲得しようにも最大2つまでしかアセットにならず、それじゃあ良い選手を引っ張ってくるのはちょっと……って感じです。そもそも交渉の場にすら付けそうにない。
だから補強するにも再建するにも指名権の確保に動くのはとりあえず正解と言えます。そして指名権を出してくれるチームっていうのは今勝ちたい、もしくはこの数年で勝負を掛けたいっていうチーム。ただそういうところって既に自前の指名権を出してスター選手を獲得しちゃってるところもあります。クリッパーズとかね。
あと数年の内に勝負したい&指名権を持っている
そこから更に、
指名権を出してでもマブスから獲得したい選手がいる
こういうフィルターをすると候補となるチームは一気に減ります。前者のフィルターなら幾らでも候補となるチームはあるんだけどね。一巡目指名権を使ってまで欲しくなる選手がマブスには全然いないってのがより今後のプランを難しくしています。
なんとか一巡目指名権に変えられそうな選手といえばJG、THJ、ホームズ、ライブリーぐらいかな。グラントはぶっちゃけ今シーズンでだいぶ株を落としているし、カイリーみたいなリスキー過ぎる案件に手を出すほど切羽詰まっているチームもそうそうありません。それにそういうチームはもう指名権使い果たしているし。いやー、どうするんだろうね。
■選手獲得による補強
それはそれとして、怪我人だらけの今シーズンのマブス。クリバー、カイリー、エクサム、ライブリー、DJJもちょっと怪我していました。そんな状況でよく今の順位をキープ出来るなと思うわけですが、こう見るとやっぱり層を厚くする補強に動きたくなります。
ハンドラー
ルカ・ドンチッチ
カイリー・アービング
ダンテ・エクサム
ジェイデン・ハーディ
(ティム・ハーダウェイ・ジュニア)
(ジョシュ・グリーン)
(セス・カリー)
少なくともハンドラーを出来る選手は十分にいるマブス。()の選手はあくまで出来るってだけ。この内カイリーとエクサムの欠場が多いわけですが、それでもハーディがいるしTHJ、JG、セスも一応出来ます。ていうかTHJは今もやってるし。だからここの層は問題なさそうです。
ウィング
ティム・ハーダウェイ・ジュニア
ジョシュ・グリーン
セス・カリー
グラント・ウィリアムス
デリック・ジョーンズ・ジュニア
ダンテ・エクサム
マキシ・クリバー
O-MAX・プロスパー
ジェイデン・ハーディ
AJ・ローソン
数は多いけどうっすいよね。この中で他のチームでもスタメンになれそうな選手ってTHJとJGぐらいじゃないかと思います。でもTHJはスタメンには置きたくないタイプだし。だから実質JG以外は控えかそれ以下のウィング陣です。ということで今後も戦力を維持したいなら、ここのアップグレードは必要になりそうです。
■センター
デリック・ライブリー
ドワイト・パウエル
リショーン・ホームズ
マーキーフ・モリス
マキシ・クリバー
ウィングと比較すると厚すぎるセンター陣。ぶっちゃけこれだけいたらどうやったって持て余すよね。こうして整理すると、そりゃホームズにプレータイム回らないかって思います。
まとめてみるとハンドラーとセンターの層が厚く、代わりにめちゃくちゃ薄いウィング陣という歪な構成のマブスです。なんでこんなんになったんだろうね。基本的にはハンドラー1人、ウィング3人、センター1人ってバランスなんだからさ、どんだけハンドラーとセンター集めたって全員は出せないでしょ。結果的にハンドラーもセンターも持て余してスッカスカのウィングっていう、シーズン前から分かりそうな問題にぶち当たっているマブスです。というわけで現状のマブスが出来ることと言えば
・ハンドラーとセンターを整理して、ウィングの層を厚くする
・有能な選手をトレードして一巡目指名権を獲得する
こういう方向にしか動けなさそうです。如何にして今の傷を塞げるか。これでまたハンドラーとかセンターとか追加したらいよいよ迷走してるって感じですが、ないとは言い切れないのがこのチームの恐ろしいところです。
