あ♥@マブスファン

マブス専門NBAブログ(不定期)

【23-24 RS-49】シクサーズ戦雑感

 

 今シーズン初対戦となるシクサーズ。長らくイースト4位あたりをキープしている印象でしたが、現在は30勝19敗でイースト5位。6位のペイサーズと2.5ゲーム差とプレーオフ確定ラインを超えるにはちょっと怪しい勝率です。それにはOGアヌノビーが加入して以降15勝3敗と異常な強さを発揮しているニックスや、左半月板損傷によって全休覚悟の手術に乗り出したエンビードの事情なんかもあります。エンビードがオンコートの時のNETレーティングが+10.1と圧倒的な数字を叩きだしているシクサーズなので、彼が離脱して尚順位を保てるのか。さすがにきついだろうな。ちなみにエンビードオフコートでもNETレーティングは+1.7と一応プラスではあるシクサーズです。

 そしてマブスは6試合欠場していたカイリーがようやく復帰。その間ドンチッチは40分超えのミニッツを貰っていたので、今日のカイリーの課題はまず「ドンチッチのミニッツを減らせるか」っていうところだと見ていた管理人でした。まあ結果的には減らせているんだけど。

 

■第1Q

 シクサーズについては殆ど見ていない管理人なのでどういうバスケをするのか楽しみにしていましたが、印象的だったのはコーナースリーを一切追わないディフェンス。ハンドラーに人数を掛けて、とにかくインサイドでめちゃくちゃにされることを嫌がったシクサーズでした。だから選手のポジショニングとかもあってキッドのディフェンス戦術っぽいんだけど、そこからスリーを追うっていうのを差し引いた感じです。ある種前回のバックス戦と同じ雰囲気。だからスリー入るまで打てば? って感じですが、まあ入らなかったね。

第1Qマブス 3P 2/10

 純粋に下手な上にやる気もなかったバックスと違い敢えて追わないことを選んだシクサーズなので、スリーを打たされてる感があるのはしょうがないけど、こんなに入らないとはって感じです。この内DJJとTHJはどちらも3本打って全て外しています。DJJはなんか自信失くしていたよね。ドライブさせてくださいって顔していたけどペイントエリアを固められているから、泣く泣くスリーを打っていた印象です。

THJ FG 0/8 3P 0/5

 今日は試合を通して入らなかったTHJ。そういう日だったんだろうね。ということで見事にシクサーズのディフェンスにハマってしまったマブスですが、ドンチッチとクリバー、JG中心にオフェンスを組み立てていました。JGというか、トランジションオフェンスか。

第1Qシクサーズ FG 13/24(54.2%) 3P 4/8

 一見すると上手くいっているように見えるシクサーズオフェンスですが、ここもまあまあ良くなかった。ハーフコートではタイリース・マキシーのドライブとトバイアス・ハリスのポストアップが起点となります。マキシーなんかはしっかりゴール下まで切り込んで決めていたし、トバイアスも自分のプレーをしながらもフリーの選手にパスを捌いていたし、それ自体は良かったけどミスが多かった。ここがマブストランジションに繋がった印象です。反面、異様なまでに統制されたシクサーズトランジションオフェンス。

シクサーズFBP 16.3(リーグ4位)

 と思って調べたら、やっぱりそうかって感じでした。このリーグ4位っていうのはプレーオフチームの中では最多です。ほぼ変わらないけどペイサーズよりも多いのか。昨シーズンからエンビードがいない時間は急にディフェンス&トランジションみたいな印象でしたが、どうやらエンビードがいる時間でもやっていたシクサーズ。というわけでハーフコートでは分があるマブスに対して、トランジションシクサーズの独壇場でした。

 ここでドンチッチがベンチに下がり、ハーディが出てきます。そしてカイリーがハンドラーになるポゼッションがあったわけですが、まあ酷いなんてもんじゃなかったね。ディフェンスがいるところに突っ込んでわざわざ潰されに行くし、ポイントガードのポの字もないパスをコーナーのTHJに出すし、THJは打つし、

酷過ぎたカイリーのオフェンス

 ただトランジションの餌食になって点差を広げました。ゲームメイクの話ならマジでTHJと大差ないぞ。って思うんだけど、一部の人にはカイリーがPGに見えるみたいです。何が見えているんだろうね。

第1Qスコア 26対33(シクサーズ7点リード)

 ドンチッチがいた時間は19対19だったので、分かりやすくドンチッチがいなくなって困ったマブスと、水を得た魚だったシクサーズでした。ハーディがシュート決めてくれなかったらどうなっていたんだ。

 

■第2Q

 展開自体は第1Qと変わらず。ドンチッチにはダブルチームに行くシクサーズ。ただここでドンチッチがパスを捌く相手がほぼクリバーになりました。そして第2Qは何もせずとも勝手にダブルチームし始めたシクサーズなので、ドンチッチはクリバーにパスを捌くだけ。あとは彼の判断に任せるっていう感じです。そして展開されたスリーを決めるシューターたち。

第2Qマブス 3P 5/12(41.7%)

 この内JGが4/5で決めたので、JG以外は1/7。もうドンチッチ、クリバー、JG以外どうでもいいマブス。だってコーナーでフリーになっているカイリーですら追わないからね。それはどうなんだと思いますが、

第2Qドンチッチ FG 1/4 3P 1/3 1TO

 まあ、狙いはこういうことなんだろうね。インサイドにドライブしてくる分にはFG 0/1と1TO、完璧に守り切ったシクサーズでした。

第2QシクサーズFBP 5

 第1QのFBPが9だったので、分かりやすくマブスのシュートが決まるようになってファストブレイクに走れなくなったって感じです。だからオフェンスが決まれば自然と得点力を落とすシクサーズなので、ほぼJGのスリーで攻略した第2Qでした。

 

■第3Q

 さすがにドンチッチへのダブルチームが効果的じゃないと思ったのか、マンマークの雰囲気を強めたシクサーズ。とはいってもドライブしてくればすかさず囲みに行くので、あくまでドンチッチを自由にさせないプランは継続している模様。バランスを調整したって感じです。

 しかしこの時間はどちらもオフェンスが上手くいかなかった。ドンチッチがドライブしたらコーナーを空けてくれるシクサーズなのでJGにパスが渡ります。修正とは何なのか。そしてびっくりするほどのワイドオープンを外すJGでした。対するシクサーズもポール・リードやモー・バンバがゴール下でボールを貰うわけですが、ポロポロポロポロ外しまくります。

第3Qリード&バンバ FG 2/9(22.2%)

 これがセンターのFG%かよ。バンバは元々あんまり良い印象なかったけど、リードもこんなに酷かったんだね。幾ら何でも酷過ぎたシクサーズの控えセンター事情。

第3QマブスFBP 5

 第1、2Q合わせて6だったFBPが第3Qだけで5でした。どう考えてもこのセンター陣が原因だろって感じです。

第3Qマブス FG 9/22(40.9%) 3P 3/11(27.3%) FT 3/4

第3Qシクサーズ FG 8/28(28.6%) 3P 1/7(14.3%)

 ザ・泥仕合を制したマブス。こっちはこっちでドンチッチがFG 1/6、3P 1/4と相変わらず悪い。そこでシュートを捻じ込んだカイリーでした。

第3Qカイリー FG 5/6(83.3%) 3P 1/1

 この内ミドルレンジが4本っていうのが評価が難しいところ。結局ゴール下を攻略することは出来ていないからね。一回グラントとのギブ&ゴーでゴール下に侵入出来そうだったんだけどね。あれはグラントが悪い気がするけど。

 

■第4Q

 カイリーにダブルチームを仕掛け始めたシクサーズ。結局この試合は終始ダブルチーム。ディフェンス戦術の基本がダブルチームって、ニック・ナースはどんだけディフェンダーのことを信用していないんだって思いますが、案の定カイリーがフリーの選手にパスを捌くとたった二本のパスでワイドオープンのスリーが完成します。そしてこれを決めたマブス

第4Qマブス 3P 7/10

 これが第1Qに決まっていればとっくに終わっていた試合なんだけど、楽しませてくれるね。ちなみに管理人は夜勤明けで見ていたので、第4Qは寝落ちしていました。なんでグラントが二桁得点してるんだと思ったらこのクォーターだったのね。

第4Qスコア 41対28(マブス13点リード)

 終わってみれば3P 17/43で39.5%と、分かりやすく3P爆撃で勝った試合でした。爆撃のきっかけを作ったのはシクサーズ

ドンチッチ 19PTS 8REB 3AST 3TO

 FG 6/15、3P 4/10で共に40%と低調だったドンチッチ。だからドンチッチを止めろっていうシクサーズの狙いはハマったんだけど、そりゃあれだけヘルプに寄ってたんだから当たり前だろって感じです。それでドンチッチも止められなかったら本当に何してたんだってなります。

 本当はハンドラーを止めつつ、パスに対してスピードで追いかけ回すっていうのをやりたかったのかなと思うけど、この試合だけを見ると全く出来ていませんでした。自滅しただけって感じ。しかしそういうディフェンスってまんま21-22シーズンのマブスだよね。エンビードがいないことで機動力のあるウィングばかりのチームになったシクサーズでしたが、実現は出来なかった。逆になんでマブスは出来たんだと思った今日の試合でした。

JG 20PTS 6REB 4AST

クリバー 14PTS 4REB 5AST

 今日の試合を支えた二人。JGはFG 6/9で3Pが4本、クリバーは6/8で2本のスリーを決めました。JGは特に苦しい時間にトランジションとコーナースリーで繋いでくれて、クリバーは相変わらず優秀なパスの中継役を担ってくれました。中継役自体はパウエルで良いんだけど、やっぱりスリーが打てるっていうのが大きい。パウエル&クリバーは役割の差別化が出来ています。ちなみにシクサーズのハーフコートオフェンスが上手く行かなかった原因の二人でもあります。

カイリー 23PTS 5REB 8AST

 凄く何とも言えない数字のカイリー。というのも2Pの確率が8/14の57.1%。これ自体は良いんだけど問題はゴール下の成功率と本数。4/8とゴール下の成功率としてはお世辞にも高いとは言えず、ミドルレンジを決めきったことで確率を伸ばしました。そして今シーズンを通してミドルレンジの成功率が39.8%と低調なカイリーなので、ちょっと信用しきれないシュートチョイスだった今日の試合です。

 どうも肯定的には見れない管理人。それって結局ブランソンで良かったじゃんって思うんだよね。21-22シーズンのブランソンはミドルを47.3%で決めていたし、ゴール下もカイリーの61.3%に対して67.2%と、

劣化版ブランソン

 どうせ高い契約になるなら、ブランソンで良かったような気がしてなりません。そしたらフィニ―スミスも残っていたし、指名権もあったってことでしょ? ブランソンを放出してまで獲得した選手なんだから、劣化版ブランソンに収まってたら収支的には圧倒的にマイナスなカイリーの契約に見えます。おまけに今シーズン半分も出ていないし。

 そしてハンドラーとしての不味さも見せつけた今日のカイリー。ドンチッチとボールシェアする選手としてはあまりに物足りなさを感じました。8ASTも半分はクリバー、つまりドンチッチのおこぼれだしね。早くエクサム復帰してくれないかな。