あ♥@マブスファン

マブス専門NBAブログ(不定期)

【23-24 RS-68】ナゲッツ戦雑感

 

 久しぶりの雑感スタイルです。レギュラーシーズンも残り15試合を切り、緊張感のある試合が増えてきました。特にウェストは1~3位が1ゲーム差、6~8位が今日の結果で0ゲーム差と超大混戦。その中で4位のクリッパーズと5位のペリカンズはその間に挟まれて、絶妙な立ち位置を保っています。このまま行くとどっちが4位になろうが5位になろうが対戦相手は変わらないんですが、ホームコートアドバンテージがあるから、欲を言えば勝ちたいところ。とはいえクリッパーズペリカンズも主力選手が怪我しがちっていう問題があるので、無理はしたくなさそう。ホームコートアドバンテージは手に入ったけど、カワイが怪我したとかなったら笑えないし。

 マブスは現状7~8位を行ったり来たりしており、何としても6位まで浮上したいところ。プレーインを回避したいっていうのと、現在3位のウルブスはKATが怪我したってことで、上位3チームの中では最も勢いを落としているチーム。優勝を狙うならウェスト6位っていうのは喉から手が出るほど欲しくなる順位。

 ただそうならなかった時のことも考えなければならないのが難しいところ。KAT離脱でウルブスの順位が上向くことはないと仮定した場合、ウェストの第一、二シードはサンダーかナゲッツのどちらかになるわけです。だからマブスが7、8位になった場合のことを考えると今回はプレーオフ前哨戦という立ち位置になります。

 結論から言うと、良い試合だったね。こんなに接戦の試合って久しぶりな気がする。ということで3点差以内で決着がついた試合をちょっと調べてみたんですが、

3点差以内で決着した試合(各シーズン3/18まで)

21-22シーズン 11試合

22-23シーズン 15試合

23-24シーズン 6試合

 数字にすると凄い違いだな。今シーズンは接戦の試合が異様に少なかったマブス。ちなみに最後に3点差で決着したのは2/28のキャブス戦、その前が1/30のマジック戦。5点差以内とかだったらもっと多いんだけどね。

 

■ギャフォードの話

 今日の試合はとにかくギャフォードが良かった。前回の記事で取り上げた「ギャフォードのポジショニングの修正が必要で、ハイポストでのプレーパターンを増やして欲しい」って部分が、ほぼ完璧に修正されていました。目ん玉飛び出るかと思ったぜ。

 最初のポゼッションでカイリーがプルアップでスリーを打ったシーン、ここでギャフォードがコートの左側を空けるように動いていました。カイリーのドライブコースを作る為なんですが、良いよね。でもここは数試合前から既に改善していた部分なので「ちゃんと学んでるんだなー」ぐらい。

 次のポゼッションではダンカーズスポットにギャフォードが立った状態でのドンチッチのドライブ。マブスに来た当初はここでヨキッチとポジション争いしまくってドライブする場所を潰していたんですが、ここでギャフォードはボールを要求せず。敢えて何もしないからこそ、パスを通される可能性を考えてゴール下のヨキッチもヘルプに行きづらく、イージーなレイアップになりました。

 10:15からのポゼッションでP&Rからパスを貰えなかったギャフォード。ここでもドンチッチより前を走り過ぎないようにしてドライブコースを確保。パスは来なかったんですが、右ウィングでボールを持ったDJJがドライブすると、DJJのドライブコースを空けるようにポジショニングを変えるギャフォード。DJJは外します。

 で、08:18のポゼッションね。スリップアクションでハイポストでボールを貰ったギャフォードがノータイムで右コーナーにパスを捌きます。DJJからのエクストラパスでワイドオープンになったカイリー。たださすがのナゲッツで、MPJがすかさずクローズアウトしてカウンタードライブを選択、ミドルをブロックされました。その後なんやかんやでギャフォードがダンク。

三日間で急成長したギャフォード

 ちょっと涙出そうになったね。徐々に改善してはいたけど、前回のウォリアーズ戦ではまだまだかなーって感じだったギャフォード。この三日間の間に一体何があったんだってぐらいに今日はハイポストの判断が良かったです。これはあくまでワンプレーですが、今日はずっとここのプレーチョイスが適切でした。何より積極的に自分で仕掛けようとしているところが良かった。しかもその仕掛けがフックシュートじゃなくてダンクっていうのがね。ちゃんと自分の強みを活かした駆け引きをしているってこと。ダンクに行こうとしてコーナーにパスを出すっていう、更に高次元な駆け引きも出来ていたし。

 恐らくこの三日間でフィルムセッションとかして改善したんだろうけど、人って三日でこんなに変われるんだね。歴史的な記録を残しながらそれに驕らず、本来の自分の強みではないプレーをチームの為に身につけたギャフォードの献身性には感服する他ありません。

8PTS 6REB 1AST FG 4/7(57.1%)

 ボックススタッツで見ると平凡な数字ですが、管理人的には33連続FGよりよっぽど価値がある数字だったと思います。+/-はちゃんとチーム二番目の+13だし。ちなみに最も高いのはDJJの+20。すげー。

ギャフォードOFF/DEFレーティング 114.6/89.4

 ギャフォードがいる時間のオフェンスが整備されたことで、今日の試合でギャフォードのOFFレーティングはDJJに次いでチーム二番目という数字。これまでの傾向とは全くの真逆です。

オン/オフコートTOV% 10.4%/14.0%

 これまた真逆の数字になったTOV%。ゴール下ではなくハイポストから積極的にボールを貰うようになった為、危険なパス回しが減ったことがこの数字に表れているように見えます。

 試合自体の面白さなら戦術の仕掛け合いが多かったペイサーズ戦とかの方が面白かったんだけど、今シーズン一番感動したのは今日の試合かもしれません。それほどギャフォードの献身性と向上心には胸を打たれました。これで次の試合で元に戻っていたら笑うけど、さすがにそんな事ないよね?

 ぶっちゃけギャフォードの話だけで終わっていいぐらいなんですが、一応他のことも書いとくか。

 

■その他

 個としての能力があまりに完成されている上に、それをチーム全体に波及することが出来るヨキッチ。彼とジャマール・マレーを中心にオフェンスを多様に展開していくのがナゲッツで、前回の対戦ではそれにアーロン・ゴードンが加わってゴール下でポンポン点を取られました。その上でヨキッチのシュートが止められない苦しさね。

 ただ最近のマブス、というかドンチッチは結構ディフェンスを頑張っています。なんで頑張り始めたのかは分からない。多分プレーオフとプレーインの瀬戸際になって緊張感が増しているからだと思います。まあ頑張っているといってもやることは基本的にゴール下↔コーナーを行ったり来たりなんだけど。

直近15試合ドンチッチ平均移動距離 3.28

 実際距離自体は変わってないしね。ちなみに10試合以上出場した選手の中ではリーグで下から二番目の数字です。一位、じゃなくて最下位はジェームズ・ハーデン。

 頑張る気持ちは良いし、ナゲッツも前回と比べてやりにくそうにしていたけど、同時に空回りしちゃっているのが今のドンチッチ。オフボールやスクリーンで崩せなくなったナゲッツはドンチッチを狙いまくり、ディフェンスでハッスルしたドンチッチですが、あんまり止められないっていうね。ちょっと不運なファウルもあった気がするけど。で、これがライブリーと並ぶとディフェンスの連携の悪さも相まって中々に苦しかったです。

 シーズン序盤はライブリーとDJJの連携が悪かったマブス。オフボールスクリーンなんかでシューターがポップアウトする時に「どっちが追いかける?」みたいな雰囲気になることが多かったし、リムアタックに対しては「どっちが止めに行く?」みたいになることもしばしばありました。要するにライブリーとインサイドのヘルプディフェンダーの連携が悪く、それがスタメンから外された理由のようにも思います。

 ただそのDJJが、今日はスクリーンに対してスムーズにスイッチ対応していたのが印象的です。ライブリーと並んで出ていないからっていうのは大きな要因だとは思うけど、ナゲッツを困らせるほどスムーズにやっていたのはちょっと驚いた。多分誰かが何かしらの指示をしているってことなんだろうけど、一体どういう指示を出しているのか非常に気になります。こればかりは現地の最前列とかじゃないと分からないか。

 

 今日の試合で勝敗を分けたのはヨキッチがいない時間。マレーがコントロール役になってオフェンスを仕切るんですが、マブスディフェンスの連携の良さで思うように崩せなかったからか、マレーの1on1シチュエーションが多くなりました。そこでもう少しマレーが決めていればだいぶ話は違った。まあドンチッチの助けもあって、言うほど深刻な問題でもなかった気がするけど。

 おまけにヨキッチもシュートを落としていたので、そもそもが苦しかったナゲッツ。センター陣のディフェンスが効いていたような、いないような。それでもMPJ、ゴードン、レジー、ブラウンと次々に得点源を作る多彩さはさすがとしか言いようがない。そうやって試合を繋いで第4Qにマレーが爆発、見事に第4Qギリギリで追いついたわけです。無理やり勝ち筋を作ってくる集中力は文句のつけようがないマレー。同時に管理人がナゲッツファンなら「もうちょい早くスイッチ入れろよ」と言いたくなるマレー。

 試合を見た感じ、ナゲッツに通用するとは思ったけど、プレーオフで勝てるとまでは思えない内容でした。マブスナゲッツの連携を消していたのは非常に良かったんですが、連携を消されたとしても個人の力で試合を決めちゃうのがヨキッチとマレーだからなー。それが勝てると言い切れない部分。まあうちに限らず、どのチームだってそうか。