あ♥@マブスファン

マブス専門NBAブログ(不定期)

【23-24 RS-54】ペイサーズ戦雑感続き

 

■第2Q

 第1Qと同じラインナップを継続するペイサーズに対して、マブスはドンチッチ、ハーディ、JG、クリバー、ライブリーのラインナップに変更します。ドンチッチにはルーキーのベン・シェパードをつけるカーライル。

 最初のプレーでライブリーとドンチッチのP&Rを仕掛けます。するとシェパードは割とあっさり剥がれてくれますが、ペイサーズのヘルプディフェンスでゴール下までは侵入させてくれません。どう考えてもリーグ最低レベルのディフェンスチームとは思えない連携を見せるペイサーズ。ドンチッチがミドルを外すとP&Rでマッコネルがライブリーを狙い、ミドルを決めました。

 11:10あたりのポゼッション。再びP&Rを仕掛けるマッコネルに対して、クリバーがファウルしないようにプレッシャーを掛けます。苦しくなったマッコネルがジェイレンにパスしたところをライブリーがスティール、速攻でファウルされますがトランジションテイクファウルにはならず。

 続くポゼッションでP&Rを仕掛けるドンチッチ。ライブリーがシェパードを剥がしてミスマッチになりましたがここをファウルで止めます。大胆にシェパードの方にぶつかりにいったライブリーだったのでイリーガルスクリーンをコールされると思いましたがそこでは吹かれませんでした。このプレーに限らず、全体的にスクリーンの部分はかなり判定が緩い審判。ペイサーズのホームだからか?

 ただシェパードもスクリーンに対してがむしゃらに追うので無力化するには至らないマブス。ということで次は彼に対してJGとライブリーの2枚スクリーンで剥がしにいこうとしました。これでようやく剥がれてくれて、ライブリーにダグ・マクダーモットがつく形になったところでロブパスを選択。これをシェパードと二人でコンテストして、止めるペイサーズでした。ペイサーズのディフェンスに対応出来ていたんですが、その先の展開まできっちり用意しています。そして10:00からのポゼッションでJGのスクリーンがオフェンスファウルに。ずっと怪しいスクリーンを掛け続けていたので、ペイサーズファンとしてはようやく吹かれたかって感じだろうね。

 タイムアウト明け、ターナーを戻したペイサーズ。そのターナーを活かすようにインサイドのポジションチェンジを促しまくったマッコネルでしたがライブリーが留まり続けます。そしてトッピンがよく分からないパスを出してライブリーがスティール。普段はこれで空けてくれるってことなのか? いずれにせよトッピンがスタメンに置かれない理由をちょっと垣間見れたポゼッションでした。

 ライブリーをギャフォードに変えたマブス。それに対してペイサーズハリバートンネムハード、ターナーを戻しました。するとまたネムハードがドンチッチを見ます。嫌になるね。ただここでギャフォードのスクリーンが比較的有効に効くので、ネムハードに後手を踏ませて1on1で点を取るドンチッチ。でもやっぱりミスマッチを作らせてはくれないので、ここからマブスはドンチッチ以外のところで仕掛ける作戦に出ます。カワイソレーション。

 その最初のポゼッションはハーディとギャフォードのP&R。ハーディについてるマクダーモットを剥がしてターナーのミスマッチを狙うわけですが、ここをあっさり対応するマクダーモット。いやネムハードにも効いたのに、なんでマクダーモットには効かないんだよ。ということでここはハーディのハンドラーとしての質が明確に出たプレーでした。決めたけどね。そしてギャフォードになったことで、オフェンスでは積極的にリムアタックを狙うようになったターナー。まあこれがライブリーとギャフォードの差って感じです。

 マブスはスタメンを全員戻し、ペイサーズはマクダーモット→マサリンに戻しました。スタメン+シアカムがトッピンのペイサーズ。そしてマサリンが戻るとドンチッチ対マサリン、カイリー対ネムハードにマッチアップを変更しました。カイリーにどうにかして欲しいキッドに対してのアンサーというわけです。先手を取り過ぎだ。

 ただマブスとしてはスクリーン対応の上手いこの二人を避けてプレーを作っていきます。トッピンのスクリーン対応の悪さをついてPJがスリーを打ちますがトランジションで豪快なダンク。ターナーもよく走るな。続いてJGもボールをスティールされると、全然上手く行かなかったのでドンチッチが個人技で解決しようとします。

 ギャフォードのスクリーンで一瞬剥がれたと思っても、すぐに追いついてくるマサリン。レベルは違うけど、マティス・サイブルっぽい。というわけで一度のスクリーンじゃ剥がれてくれないので、繰り返しギャフォードがマサリンを止めて、プルアップスリーにこぎつけたドンチッチ。これを外しますがJGがOREBを確保します。これによりディフェンスが一度乱れた状態から始まったので、今度はギャフォードの一回のスクリーンで剥がれてくれたマサリンでした。ということでミスマッチになったギャフォードにパスを出しますが、パスが短かった。ただシューティングファウルになります。

 そこからドンチッチが下がった時間がありましたが、これが割と上手く行きます。完全にカイリーの個人技頼りのオフェンス。ギャフォードがスクリーンに行こうが、ネムハードが奮闘しようが構わずシュートを打って決めます。そしてここがペイサーズのディフェンスの悪さを象徴するようなシーンでもありました。

個人で守れるディフェンダーがいない

 スクリーン対応、ヘルプ&ローテ、トランジションディフェンスとチームディフェンスはきっちりしているのに守れないっていうのは、単純に個人のディフェンス力の問題に思えます。チームディフェンスのレベルは高いけど、極端に個人レベルのディフェンス力が足りない。まあその分オフェンスに力を入れているから勝っているわけで、優勝するには中々難しい取捨選択が必要になりそうです。

 で、ドンチッチが戻ってギャフォード→クリバーをセンターにすると、カイリーの個人技ではなくミスマッチを突くオフェンスに戻すマブス。ウィングにボールを任せるドンチッチですが、PJがハンドリングミスしたり、THJがプッシュショットを外したり、その度にファストブレイクで点を取られて散々な結果でした。ということでドンチッチの個人技頼りに……と思ったらこれを継続します。

 ギャフォードがクリバーになったことでP&P主体になるわけですが、ここの対応に手こずるペイサーズ。今までは頑張ってオーバーで追いかければよかったわけですが、その前にロールするのかポップするのか判断が必要になったことで、クリバーのスクリーンに引っ掛かり始めます。そしてスクリーンの対応が遅れるとヘルプしてくれるペイサーズなのでパスがまた回り始めるんですが、ここでシュートを落とすチームメイト。

47対51(ペイサーズ4点リード)

 ドンチッチがいる時はこうなって、

55対60(ペイサーズ5点リード)

 カイリーに任せていた時はこうなって、

60対67(ペイサーズ7点リード)

 ドンチッチを戻したら最終的にこうなりました。ぶっちゃけカイリー個人技の時間をもっと伸ばしていれば逆転出来ていたような気はするんですが、脳筋と論理のうち後者を選んだキッド。その結果点差を離されたわけですが、まあそうしないとチームって成長しないしね。

 

■第3Q

 前半から引き続きハンドラーにはネムハードをつけたがるペイサーズと、どうにかしてネムハードを剥がしてミスマッチにさせたいマブス。ここをマブスは戦術と力技で解決していきました。カイリーについているネムハードをライブリーとJGのスクリーンで、カイリー対ハリバートンにずらすとミドルを打つカイリー。これを外します。

 実はハリバートンもスクリーン対応が上手い。上手いといってもネムハードみたいに隙間に潜り込んだり、マサリンみたいに引っ掛かった後に追いつくスピードがあったりするわけではありません。普通にスクリーンには引っ掛かるし、そこから正面に立つことも出来てはいませんでした。ただスクリーンで剥がされた後、シュートに対してチェックに行くのが上手く、ファウルしないようにハンドラーと適度に距離を取りながら、シュートを打つ寸前で手を伸ばしていきます。

三者三様のスクリーン対応

 これが見ていて非常に面白いです。ネムハード&マサリンはハンドラーに自由を与えないように守るのに対し、ハリバートンは割と自由にさせているけどシュートに必ずチェックに行って、外させる守り方をしています。

 ハリバートンディフェンダーとしても優れていますが、アグレッシブに守り過ぎるとファウルトラブルになってしまうリスクもあります。だからそのリスクを考えてディフェンダーと適度に距離を取ることは正しいし、かといってウィングスパンが長く普通にシュートに行くと触られるっていうね。オフェンスとディフェンスを天秤に掛けた賢いファウルマネジメントだと思います。

 ということでハリバートンを狙うのもそれほど有効ではないので、やっぱりズレを作りたいマブス。10:00あたりのポゼッションでPJがシアカムの腕を掴んでネムハードにぶつけに行きます。シアカムの体がネムハードに当たり、一瞬出遅れたところをカイリーがプルアップで打ち、スリーを沈めます。これが力技の部分。これでオフェンスファウル取られないんだから少々めちゃくちゃしても吹かれない今日の試合。

 08:50のポゼッション。ドンチッチとカイリーが同時に出ていることでドンチッチ対マサリンの形が多いペイサーズに対して、P&Rを仕掛けます。最初のスクリーンには上手く対応したマサリンでしたが、もう一度掛け直すと剥がれてくれてターナーとのミスマッチに。ドンチッチがファウルドローします。08:28のところでもう一度同じプレーが起こりますが、今度は一発でマサリンを剥がしたライブリー。再びのミスマッチで過剰に反応したペイサーズの隙を見て、コーナーのカイリーにパスを捌きスリーを沈めました。

 第1Qはここを躱しまくったマサリンでしたが、ライブリーはスクリーンの掛け方を修正しています。ポイントは足幅を広くしてよりマサリンが引っ掛かりやすくなったっていうのが一つ。そしてもう一つ、分かりやすくマサリンに体を寄せに行っているってことです。今日の審判の緩さを見て、ハーフタイムにもっとぶつかりに行っていいって言われたんだろうね。ということで第1Qはマサリンを剥がせなかったライブリーが、第3Qに剥がせるようになりました。これならディフェンス力の違いからギャフォードを出す意味がなくなるんですが、ペイサーズはそのライブリーのディフェンスを突いて行きます。

 ターナーのポップアクションを増やしたことでライブリーを引き出し、手薄になったインサイドを攻めるペイサーズ。そうするとライブリーの代わりにPJがインサイド担当になるんですが、ここの連携が悪かった。

75対82(ペイサーズ7点リード)

 ライブリーを起点にオフェンスでアジャストしたのに、点差は縮まりませんでした。ミスマッチを作ることが出来た反面、守れなくなるっていうね。ザ・チェスマッチって感じです。というわけで比較的スイッチ気味に守れるギャフォードに変更されます。

 ギャフォードになるとさすがにマサリンじゃ引っかかってしまうと感じたのか、すぐさまドンチッチ対ネムハードにマッチアップ変更するペイサーズ。そしてギャフォードのスクリーンには一瞬引っかかるネムハードなので、ミスマッチからロブパスが成立、ただここはターナーとシアカムのサイズで解決させました。ただOREBからJGのコーナースリーが決まります。

 05:10あたりのポゼッション。カイリーの代わりに入ったTHJがギャフォードを使ってネムハードを引き剥がしてパスを出しますが、これがズレてターンオーバーに。第2Qにドンチッチが出したところと同じ場所にパスを出したTHJでした。03:17のところでもパスミス

81対89(ペイサーズ8点リード)

 スクリーンを使ってミスマッチを作るところまでは上手く行っていますが、その後の凡ミスが多かったマブス。03:17のところだけは何の関係もないミスですが、オフェンスでもディフェンスでもコミュニケーションがまだ取れていない感が強いです。これをプレーオフでやられるとガッカリするんですが、そうならない為にレギュラーシーズンで試しているってことだ。

 第3Qの残り時間はマッコネルを投入し、ギャフォードを狙う作戦に出たペイサーズ。ギャフォードを引き出した後、マサリンネムハードにプレーを促すわけですが、それとは関係なくプルアップでスリーを沈めるマサリンでした。しかし面白いのが、マサリン対ギャフォードの1on1だとやられまくるところ。VSセンターだと頼りないギャフォードですが、一方でフォワードのマサリンを止めまくりました。ホームズっぽい。ホームズほど横の動きが早いわけじゃないのにね。一方でネムハードにはやられるギャフォード。何でも出来るな。

91対100(ペイサーズ9点リード)

 第3Qの最終的なスコアはこれ。結果として点差は離れましたが、ここはギャフォード相手に淡々と決めきったネムハードの良さが際立ちました。あとマッコネルのゲームメイクね。

 

■第4Q

 このまま点差が離れるとガベージに突入してしまうマブス。ということでドンチッチを下げて、カイリーにオフェンスを任せました。

100対104(ペイサーズ4点リード)

 ペイサーズを攻略するには脳筋が一番と証明した第4Qでした。一方で点差が縮まったってことはペイサーズのオフェンスを止められたってことですが、その要因はマッコネルに翻弄されなかったクリバーと、やらかしまくったトッピン。ここまで追いつくのにもう少し時間が掛かると思っていましたが、僅か3分半で点差が縮まったのはトッピンのおかげだろうね。ただタイムアウト明けにスリーを決めます。プレーメイクに関わらなければハイスペックな男。

 ライブリー以外をスタメンに戻したマブス。まあわざわざ相手に攻めやすいところを作る理由もないしね。ギャフォードがセンターになったことでよりインサイドを固めないとターナーにやられるわけですが、そこでペイサーズはスリーを連発、決めまくりました。これを見てギャフォード→クリバーにしたっぽいキッド。クリバーのガードディフェンスに全てを掛けたわけですが、インサイド担当になったPJが耐えられなかった。別にギャフォードとクリバーを並べればよかったと思うんですが、PJを使いたかったのかな。

PJワシントン 2PTS 6REB 1AST 4TO

 かなりボールを回して貰ったPJでしたが期待には応えられず、FG 1/6でした。マブスに来てから3P%が19%と、スペーシング的にかなりマズい選手です。PJがマブスに来てから今までの対戦してきたチームは基本的に守り切れないのでコーナーのPJを捨てる作戦に出ていました。その結果スリーを打たざるを得ない状況になり、逆にスリー以外のオフェンスがあまり見られませんでした。ペイサーズはそんなPJにもディフェンスをつけてくれていたので、ギャフォードと同じく今日が本当の意味で何が出来るか発揮出来る機会だったんですが、まあ良いとは言えないよね。シュートの精度は勿論だけど、4TOっていうのがちょっとヤバいです。しかも単純なハンドリングミスやパスミスなので結局彼が何が出来るのか分からなかった、というかこの試合だけ見たら何も出来ていなかったんだけど。管理人的にはトレード獲得後、信用しきれなかったギャフォードが株を上げて、逆に元々株が高かったPJが評価を落とした試合でした。

THJ 11PTS 3REB 1AST 4TO

 同じく4TOしたのがこの人。最近スリーが絶不調でしたが、今日は3/6と効率良く決めています。ただし2Pは1/6。今シーズンは妙に2Pを決めていたので、寧ろ懐かしい数字に思えてきます。ミスマッチを作った後のパスミスが多く、それが4TOという数字になっているので、そもそも個人の凡ミスをしまくったPJとはだいぶ質が違うんですが、明らかにおかしいパスミスもあったので何とも言えない。PJよりはマシだけど、良いとは言えない感じです。

 そして今日は珍しくディフェンス面での活躍が光った試合でもありました。ペイントエリアの攻略を重視しているペイサーズだったので、アウトサイドディフェンスの悪さよりもミスマッチでもインサイドで奮闘するフィジカルさが際立ちました。珍しいよね。ちょっとハーディじゃ苦しい部分。

マブス アシスト 15

 全体的にアシストが少なかったマブスですが、まあペイサーズがそういうディフェンスをしていたからね。意地でもミスマッチにならないようにスクリーンを躱して、オーバーヘルプを避ける守り方でした。だからマブスもオーバーヘルプさせる為にミスマッチを作ろうとしたし、そこはライブリーとギャフォードが解決したんだけど、その後の展開があまりに拙かった。でもまあ、そうだよね。トレード後まだ10試合もプレーしてないチームで、しかもローテーションも大きく変わったのに問題なくオフェンス出来る方がおかしいよ。トレード後に対戦したチームがみーんなドンチッチにダブルチームに行くから、簡単に崩壊してくれてオフェンスの連携の課題が見えにくかっただけだったように思います。その課題を突き付けたのがリーグ最低レベルのDEFレーティングのペイサーズっていうのが面白いけど。

 ということでカーライルとキッドの熱いアジャスト合戦でした。単純にこの二人のアジャスト合戦も面白かったし、サイズがないことを武器にしたディフェンダーの存在っていう、バスケ面で新しい知見が得られたし、大満足です。しかしペイサーズは本当にチームディフェンスが良かったな。ペイサーズがウェストのチームだったらどうなるんだろうとか、ちょっと思っちゃいました。