あ♥@マブスファン

マブス専門NBAブログ(不定期)

【23-24 RS-55】キャブス戦雑感

 

 キャブスといえばドノバン・ミッチェルのチームーーではなく管理人的にはクレイグ・ポーター・ジュニアのチームなんですが、その彼がGリーグに送られた今日の試合。前回対戦でミッチェルに加えてダリアス・ガーランドも欠場しており、その穴を埋めていたルーキーなんですが、それが見られないっていうのはちょっと残念です。そして今日もエクサムは欠場。一体復帰はいつになるのやら。

 

■前半

 第1Qからお互いに苦しいオフェンスから始まります。個人のディフェンス力が高いキャブスなのでオーバーヘルプはしてくれない。こう書くと前回のペイサーズと一緒なんだけど、スクリーンを使えば普通にスイッチしてくれます。ただドンチッチ対ジャレット・アレンとかでもしっかり守ってくるので、やっぱり個人のディフェンスで解決している雰囲気です。

第1Qマブス FG 10/23(43.5%) 3P 1/5(20.0%)

 成功率よりもそもそもスリーを打てていないことが気になります。これはやっぱりオーバーヘルプしてくれないって部分が効いているんだろうね。

第1Qキャブス FG 9/24(37.5%) 3P 4/12(33.3%)

 一方でマブス以上にオフェンスで苦しんでいたキャブス。インサイドを固く守るライブリーのおかげで2Pは効果的に守れたマブスですが、いつも通りキャブスにスリーを打たせます。そしてキャブスはきっちりスリーを打つけど思ったように入らないっていうね。まあこれはどのチームでも起こりうる話なんですが、

第1Qスコア 24対23(マブス1点リード)

 結果としてはほぼ同点。苦しいオフェンスの中で、それ以上に苦しそうだったキャブスオフェンスに救われたのがマブスだとしたら、苦しい中でディフェンスで耐えきったのがキャブスでした。そしてその努力は第2Qに報われます。

第2Qキャブス FG 11/15(73.3%) 3P 7/10(70.0%)

 打ちまくっていたスリーが入りまくって、最大15点差のリードになりました。まあでも、さすがに入り過ぎだ。最初はマブスのディフェンスの悪さからスリーを打たせてしまっていたんですが、最終的にトランジションから目の前にディフェンスがいようが関係なくプルアップで打って沈めていきました。ここまで来るとどうしようもない。ということで、センターをクリバーにしてアウトサイドに対して強く守るようにしたマブス。で、これが機能したことで傷口を塞いでいきました。

前半スコア 56対60(キャブス4点リード)

 塞ぐどころか15点差から4点差まで追いつきました。

第2Qマブス FG 11/22(50.0%) 3P 6/11(54.5%)

 第1Qはドンチッチ、第2Qの頭はカイリーの個人技アタック中心となったことでよりインサイドに収縮したがったキャブス。これによってオープンスリーが打てて決められたことが一つの要因です。そしてオフェンス面でもスリーを打ちづらくなったこと、センターがクリバーになったことでアレンのゴール下を得点源にしようとしたキャブス。結果的にペースが落ちて、第2Q前半のようにリズムよくスリーが打てなくなり停滞しました。ということで分かりやすくクリバーとペースコントロールで点差を縮めたマブスと、自分を見失ったようなキャブスでした。

 

■後半

 スリー連打が上手く行かなくなったことで、第1Qの戦い方に立ち返ったキャブス。エバン・モーブリーがプレーメイクに関わるんですが、こっちの方が見ていて面白い。モーブリーがスクリーンからダイブしてボールを貰うと、シューターだったりゴール下のアレンだったりにパスを回し、時に自分でシュートを打ちました。

 ただここの連携を消しまくったドンチッチ。身体能力的にゴール下のアレンを止めるのは厳しいものの、自身のフィニッシュ力を信じていないせいかパスをしたがるモーブリーに、読みの良いパスカットが効きました。ということでまた苦しくなったキャブス。そうなるとミッチェル頼りの傾向が強くなっていきます。

ドノバン・ミッチェル 31PTS 7REB 6AST 7TO

 3P 7/11で63.6%と決めまくったミッチェル。プルアップでガンガン決めてくるので、やはりスコアラーとしての能力は疑いようがありません。ただ7TOでいうのがね。第4Qが特にミッチェル依存が酷く、オフェンスはお手上げ状態だったJBビッカースタッフでした。眠くてしょうがなかった。

 試合全体を通して引き出しの少なさを感じたビッカースタッフ。前回の相手がペイサーズだったからっていうのもあって余計にそう感じたのかもしれません。第2Qに最大リードを広げてから、その点差を維持するようなオフェンスを先んじて打てず、あっという間に点差を詰められたところもそうだし、第3Qにモーブリーをポイントセンターにしたオフェンスが上手くいかないとすぐミッチェルに頼り出すし。ミッチェルはターンオーバーするし。

 一方でシューターには徹底してスリーを打たせたり、トランジションのポジショニングは適切だったり、モーブリーのボールの貰い方も非常にスムーズだったりと、意外と細かいところがしっかりしているのが面白い。引き出しは少ないものの、それぞれに再現性をしっかり追及していることが伺えます。ただミッチェルが絡んだオフェンスになると、そのディティールの部分がどうもテキトーに感じます。それがミッチェルの7TOに繋がっているようにも思うわけで、

エースとHCの相性が悪い

 こう見えるわけです。ただ面白いのが、ミッチェルはジャズ時代にこういう細かい部分に対応出来るPGっぷりがあったってことです。そしてオフェンスを作り込むことはそれなりにしているビッカースタッフなので、普通に考えれば相性が良さそうなんだよね。ミッチェルのこととなると盲信してしまうビッカースタッフなのか、あるいはそういう細かいプレーが嫌いなミッチェルなのか。

 采配の悪さから接戦に持ち込んでしまったように見えるキャブスでしたが、その悪さは既に第2Q後半から表れており、ぶっちゃけマックス・ストゥルースが捻じ込んでくれなきゃ第4Q後半は丸々ガベージタイムでおかしくないような内容でした。

マックス・ストゥルース 21PTS 4REB 4AST

 第3Qまで影が薄かったものの第4Qに大爆発。最終盤の大接戦時にインバウンズパスを取りこぼしてしまうという、チームの致命的なミスを演出に使いました。ストゥルースが決めなかったらどうしてたんだって感じなんですが、それまであまり入っていなかった彼を起用したってことは、やっぱりビッカースタッフの采配勝ちなのか?

 第4QのFG5本全てがスリー、それをパーフェクトで決めたストゥルース。その割にシーズンの3P%は33.3%なんだね。そういやヒートでも安定して決めるっていうよりはたまーに大爆発するシューターって感じだったのを思い出しました。今日の試合を直接勝利に導いた選手なので、文句なしの活躍と言えるでしょう。ギリギリファウルされてるんじゃね? ってぐらいにクローズアウトされても決めていたしね。

アイザック・オコロ 9PTS 6REB 5AST

 何気に活躍していたオコロ。エースキラーディフェンダーとして強力なものの、シュート力に難がありスペーシングの管理が難しく、差し引きで若干マイナス寄りな選手だと思っていましたが、今日は2/4でスリーを決めています。実は今シーズン3P 39.1%とのこと。偉いな。これだけ入ると寧ろ使い勝手の良い選手に思えてきます。

ドンチッチ 45PTS 9REB 14AST 3STL 1TO

カイリー 30PTS 6REB 3AST 3TO

 ペイサーズ同様個人で守りきりたい様子のキャブスディフェンスだったので、やはりアテンプトはハンドラーに偏りました。ただペイサーズとはレベルの違うディフェンダー相手にドンチッチは58.6%、カイリーは50.0%の確率でシュートを沈めました。その上でドンチッチはインサイドの連携を上手く止めていたので、これがキャブスオフェンスが停滞した要因にもなっています。5STLぐらいしたのかと思っていたけど、思ったより少ないな。

 カイリーの3TOも責めるほどでは全然ないよね。そもそもチームとして今日は5TOとびっくりするぐらい少なかったし、エース二人で75点取って、その上でまだ何かを求めるっていうのもちょっと違う気がします。

PJワシントン 11PTS 2REB 2AST 3STL 1BLK

 オールラウンドに活躍した今日のPJ。FG 5/8で62.5%、2Pは4/5で80.0%と非常に効率良く点を取っています。トレード後から一貫してPJにはスクリーンからのスリップアクションをさせたがるキッドですが、今日は迷いなくシュートに行くシーンが多かったし、キックアウトパスを捌くシーンもありました。まんまモーブリー、もっと言えばパウエルやドードーと同じプレー。これをグラントにもさせていたわけですが、スクリーンからの動きはPJの方が良いものの、スリーの精度ではグラントが圧倒しているので……どうなんだろうね。ディフェンスはPJの方が良い。というかこの試合を見たら、ますますペイサーズ戦であんな情けなかったのか分からない。

 

 論理的に崩すよりもゴリ押しで戦い続けたキャブス。ドンチッチやセンターを引き出したりも特にせずに突っ込んでくるので、マブスディフェンスの良い部分が目立ちました。みんながキャブスみたいなオフェンスをしてくれれば苦労はないんだけどね。

 そしてクレイグ・ポーター・ジュニアがいた前回対戦では彼とジョージ・ニヤング、ディーン・ウェイドあたりが絡む面白いバスケをしていたので、今日のオフェンス展開を見て余計にCPJが恋しくなります。ニヤングは今日も活躍していたけど、別にニヤングじゃなくていい感あったし。早く戻ってきてくれ、CPJ。