あ♥@マブスファン

マブス専門NBAブログ(不定期)

【23-24 RS-52】ウィザーズ戦雑感

 

 トレードしたチーム同士の試合となったウィザーズ戦。今年のウィザーズといえばジョーダン・プールを獲得してカイル・クズマとエースコンビを組ませていますが、申し訳ないけど見るに堪えないバスケをしていた印象しかありません。プールとクズマが自由気ままにシュートを外し続けていたイメージ。ビラル・クリバリーが可哀相で仕方ない。昨年の11月にダミアン・リラードが気になってウィザーズ対バックスの試合を見たことがあるんですが、きつ過ぎて第2Qの前半までしか見られませんでした。だからぶっちゃけテンションが上がる内容ではないと思っていましたが、そこそこ面白かったです。

 

■第1Q

 ウィザーズといえば若さ丸出しみたいな雑なオフェンスが特徴的なチーム。それはブラッドリー・ビールとクリスタプス・ポルジンギスがいた昨年からそんな感じで、モンテ・モリスがコートにいない時は連携が終わっているイメージがありました。そのビールがプールになったらまあ、そうだよね。

 ただこの試合は、そんなイメージとは対照的にデニ・アブディアのアタックから始まりました。正確には、その前にオフボールムーブでプールがボールを貰いに行き、その後アブディアに戻したって感じです。まじか。そのアブディアのドライブをドンチッチが止めるとクズマにパスを捌き、プルアップで大胆にスリーを外します。そこはクズマっぽい。

 攻守交代。ドンチッチがボールをコントロールしていると、マービン・バグリーがショーディフェンスでアブディアとのダブルチームを仕掛けます。いとも容易くフリーのギャフォードにパスを捌き、フックシュートを沈めます。

 そしてウィザーズの次のオフェンスはタイアス・ジョーンズとバグリーのP&R。後ろから迫ってくるJGのプレッシャーをものともせずフローターを沈めました。プールとクズマがフル無視。

 ドンチッチに対して再びダブルチームを仕掛けるアブディアとバグリー、同じシチュエーションから再びギャフォードがフリーになりボールを貰います。ギャフォードにプールがマッチアップしましたが、なぜかゴール下まで押し込まずにプッシュショットを選択、これを外します。その後OREBを確保しますがここでも外してトランジションに。JGが守ったけど。

 10:40のポゼッション。アブディアのハンドルから右ウィングのタイアスにパス、JGとPJを引き付けて更にトップのバグリーにパス、バグリーのドライブからリバースレイアップを沈めました。

影が薄いプールとクズマ

 このポゼッションは中々に面白かったです。本来エースであるはずのクズマとプール以外の三人でデザインしたプレー。しかもバグリーなんて最近来たばかりなのにね。ウィザーズはウェス・アンセルド・ジュニアHCが解任されて現状ACがHC代行として指揮しているという話を聞きましたが、その影響なのか、それより前からそういう風になっていたのか。

 10:06からのポゼッション。ファストブレイクでカイリーのプルアップミドルが外れると、ギャフォードがOREBを確保、アブディアに対してフックシュートを打って外します。その前の対プールのところから非常に気になっていましたが、なぜか押し込むことをしないギャフォード。ゴールに近づくどころか、寧ろディフェンダーと距離を取ってフックシュートを選択しています。それ自体は良いけど、決めろよって感じです。

ペイント内得点 FG 32/69(46.4%)

 これはギャフォードのゴール下を除いたペイントエリアでのシュート。このエリアでのシュートっていうのはいわゆるプッシュショットやフックシュートの系統ですが、あんまり良くないです。ちなみに昨シーズンは57/104で54.8%と高確率、それ以前の数字を遡ると良かったり悪かったりで微妙に信用していいか分からん。反面ゴール下の効率はキャリアを通してずっと良いので、シュートチョイスの見直す必要は大いにあります。というかプッシュショットとかするんだったらホームズの方が良いしね。

 06:35、ウィザーズはバグリーを下げてホームズを起用します。早速プッシュショットで得点、ゴール下でクリバーを止めたり等そこそこ活躍していました。ただホームズ以上に目を引くのが同時に入ってきたクリバリーの存在。どうやらチームの連携がそこそこ機能している様子のウィザーズですが、シーズン序盤から唯一その雰囲気を出していたのがクリバリーでした。ぶっちゃけオフェンスではただのコーナーシューターですが、ディフェンスではドライブコースを限定させる守り方と、クロージングをサボらずしてくれるルーキーということで、ちょっと興味があった管理人。ただそのクリバリーが、以前ほど目立っていないのを感じました。それだけ前はウィザーズのディフェンスがスカスカだったのかもしれません。

第1Qドンチッチ 5PTS 5REB 5AST 3TO

 ウィザーズのディフェンスが効いたのかは微妙なところですが、第1Qだけで3TOのドンチッチでした。アブディアはドンチッチを守るのが結構上手いよね。あとドンチッチにしては非常に珍しいめちゃくちゃなパスでのターンオーバーもありました。

第1Qギャフォード 5PTS 8REB

 8REBのうち3つがOREBですが、セカンドチャンスポイントは2点と、稼いだリバウンドの割に得点に結びついていないのが気になります。あとFG 2/5っていうのがね。アテンプトのうち2つがショートレンジのシュートでどちらも外しているので、今季の成功率を見てもあまりギャフォードには打って欲しくないシュートです。

 

■第2Q

 第2Qになってクズマとプールどちらもコートにいないウィザーズ。シューターのコーリー・キスパートとランドリー・シャメット、ハンドラーとしてデロン・ライトが入るとオフボールムーブ中心のオフェンスになりました。まだ未熟さはあるものの、これだともう連携の悪いチームとは言えない。あまりの変貌ぶりに若干戸惑った管理人でした。マブスにはドンチッチ、ウィザーズにはクズマとプールのいない時間、7-0のランであっさり逆転を許したマブス。走り合いで見事に負けました。

 ぶっちゃけ連携はしていたもののウィザーズもハーフコートオフェンスでは相応に苦しんでいたので、走り合いにさえなっていなければ逆転されることはなかった気がしますが、走り合いじゃないとマブス側も点が取れないっていうね。ザ・弱小チーム同士の戦いって感じで見ていて辛くなりました。

 逆転されたことでドンチッチを投入すると、変わらずトップのドンチッチに対してダブルチーム気味に守るウィザーズ。パス交換だけでカイリーをフリーにして、スリーであっさり追いつきました。なんだそりゃ。最近やたらとダブルチームを仕掛けられるドンチッチ。

 ドンチッチが戻ったことで泥仕合になってきた第2Q、ウィザーズ側は徐々にスタメンを呼び戻していき、中にはプールが下がってクズマがいる時間帯がありました。しかしクズマはハンドラーをしようとせず、アブディアにお前が仕掛けろというジェスチャーをしているのが見えました。どういう心境の変化なんだろう。

 05:50あたりのポゼッション。ドンチッチ、ギャフォード、THJのスペインピックのポゼッションで、スクリーナーのTHJに思い切りぶつかりながらダイブするギャフォード。ええ……。ダメージを受けたTHJはフリーにはなれたもののパスが手に付かずファンブル、なんとかドンチッチが取り返したところをファウルされました。

第2Qスコア 36対25

 書く気が失せるぐらいミスが多かったマブス。第1Qに3TOしたドンチッチが第2Qは1TOなので、他の選手のミスが目立ちました。

TOからの得点 10

セカンドチャンスポイント 7

FBP 12

 ウィザーズもハーフコートオフェンスは相変わらず上手く行ってなかったので、自滅対決で負けたって感じです。あとドンチッチが出るまで無得点っていうのもきついよね。ハーディもこのクォーターはあまり良いところがありませんでした。

 

■第3Q 

 06:50のポゼッションでまあまあ信じられないミスが起こりました。JGがコーナーとタイアスの間をキョロキョロしている間にクズマがカット、フリーレーンのダンクが決まりました。JGがこんなミスするところなんて初めて見たぞ。と思って見返しているとカイリーとTHJが指示を出していました。

 恐らくカイリーが「フリーレーンを作らないようにヘルプポジションにいろ!」という意図で指示を出したんだと思いますが、ちょうどその時左コーナーから右コーナーまでのポジショニングを確認していたJG。JGはカイリーの指を見て目の前にシューターがいると勘違いしたかのように突然振り向きました。でも振り返ると誰もおらず、代わりにがら空きになっているタイアスがいたからすかさずマークしに行き、それを見たクズマがカットしたという一連の流れです。

 THJはオフボールで動くであろうキスパートを本来見る役目ということで、ヘルプに行くとキスパートのワイドオープンスリーを打たれる可能性があり動ききれませんでした。ただ一歩インサイド側に寄ってしまったことで、後ろのクリバーが「THJがインサイドヘルプに行くから、俺はアウトサイドを守らないと!」と外に飛び出しました。結果完璧ながら空きダンク。

 どうやら指示出しに夢中になって本来マークしていたタイアスもクズマも見失った様子のカイリー。THJとクリバーもご立腹の様子でした。一方ドンチッチは我関せず。そりゃディフェンスが良くなるはずないよってプレーでした。なんでもかんでもJGが解決してくれると思っていそう。

 ぶっちゃけこのプレーが衝撃的過ぎて他に書きたいことがないぐらいですが、残り40秒のポゼッションにも少し触れてみます。注目するのはDJJ。プールをマークしていたところをホームズとスイッチしたDJJは、ドライブするプールを見つめていました。アウトサイドでフリーになっているキスパートがいましたがそこには目もくれずにね。まあ目もくれなかったのはプールも一緒で、これ自体はキスパートを全く把握していなさそうなのを除けば問題ありません。プールが豪快にシュートを外すとホームズがOREBからアブディアにパスアウト、アブディアのドライブを中腰で見守るDJJ。ホームズのダイブを守ろうとしているわけですが、ゴール下のキスパートをがら空きにしてダンクされます。

 この時、DJJは一度キスパートがゴール下にいることを確認するように顔を向けていました。その上でホームズを止める選択をしたっていうのは判断ミス。どうもPJが加入してからというもの、DJJの悪い部分が目立っている気がします。今まではJGやパウエルを除けば一番動いてくれるのがDJJだったから良い部分が目立っていたけど、適切にヘルプしてくれるPJと並ぶことで、視野の狭さや判断の悪さが表出してきた感じ。

 まあそれは、DJJが悪いと思えるほどにPJはちゃんとディフェンダーとして機能しているってことでもあるので、管理人的には良いことだと思います。そのPJはオフェンスがだいぶアレなんだけど。

 

■第4Q

 プールとクズマ、二人のエースにハンドラーをさせないことでオフェンスの連携が生まれたウィザーズ。正直見直しました。まだまだ拙い部分はあるものの、若い――ってほどでもないか――コアメンバーを中心にこれから再建に向かっていくんだろうなーと、ウィザーズのちょっと明るい未来が見えた今日の試合でした、ってこの第4Qを見ていなければ書こうと思っていたんだけどね。

 第4Q初っ端はプールがハンドラーを務めていました。これはまあ、良いとは思わないけどダメとも言えない。プールのハンドラーとしての能力を試したいっていう意味でね。そのスーパープールタイムも4分ぐらいで終わったし。だけどプールが下がったら今度はスーパークズマタイムが始まりました。まあまあ……と思っていたら最終的にタイアスとクズマのP&Rが始まったので、ちょっと待てって感じです。色々試すことは良いんだけど、あまりに脈絡がなさ過ぎて意味が分かりませんでした。

第4Qスコア 16対34

 複数シュートを決めたのはアブディアとクズマ、1本決めたのはホームズとバグリー、それ以外の選手は誰もシュートを決めていません。そしてスリーは0/9。純粋にフィニッシュ力が足りなかったって感じです。第3Qまではマブスのミスからハイペースなバスケで得点を荒稼ぎ出来ていたけど、シュートを決められたらどうにも出来ない。つまりはシュートを決められまくるディフェンスの問題でもあるんですが、まあドンチッチをどうにか出来るチームなんて早々ないから、ウィザーズとしては大健闘だと思います。

第4Qアブディア 6PTS 0AST 3TO

 スタメンではプールに次いでプラスマイナスが+1のアブディア。万能ではあるけどハンドラーとしての能力が特別優れているわけじゃないので、どうしてもPGとしての限界を感じてしまう場面がありました。よく頑張っていたと思います。

ギャフォード 16PTS 17REB 2AST 5BLK

 良いところも悪いところも見えた今日のギャフォードでした。OREBが7の割にセカンドチャンスにあまり結び付けられていないところは残念。でもOREBが7っていうのは、それだけリバウンドに積極的に絡みに行ったってことであり、特にファストブレイクのシチュエーションでOREBを取っていたのは非常に好印象です。さすが機動力が売りのセンターって感じ。

 スタッツを見て初めて5ブロックもしたんだーと驚きました。クズマやアブディアにはそれ以上にゴール下で点を取られていた気がします。コンタクトでスペース作られたら全然腕届いてなかったし。そういう部分からリムプロテクターとして信用出来るのかはちょっと微妙に思えます。まあ控えセンターとしては充分か。

ホームズ 10PTS 2REB

 僅か12分の出場で10得点したホームズ。第1Qはゆるーい雰囲気でしたが、第4Qからは特にディフェンスでギアを上げてきました。パウエル顔負けのショーディフェンスから、パスを捌かれても即座にゴール下に戻る機動力は普通にギャフォード以上のものを感じました。まあハードショーで張り切り過ぎて戻り切れていないことが多々あったけど。マブスではちょっと見覚えがないハッスルでした。

 特筆すべきはFG 5/7で71.4%と、高確率なスコアリング。ギャフォードが7/13で53.8%と、やはりショートレンジのシュート力に差を感じます。あとホームズも良く走っていたしね。今日の試合でギャフォードとホームズを比べると、普通にホームズの方が選手として格上な気がしなくもないです。少なくとも一巡目指名権を放出するほどの差はなかっただろうね。なんでホームズ放出したんだろう。