あ♥@マブスファン

マブス専門NBAブログ(不定期)

【考察】TDL振り返り

 

 OGアヌノビー、パスカル・シアカムと大物選手がトレードされてからというもの、随分と大人しかった今年のTDL。そこから小粒なトレードは起こったものの、最終日も結局大人しいまま終わりました。最終日に最も大きく動いたチームがマブスとは思わなかった。今回はマブスのトレードを振り返ってみましょう。

 

■トレード内容

獲得

PJ・ワシントン

ダニエル・ギャフォード

2024、28年ドラフト二巡目指名権

 

放出

グラント・ウィリアムス

セス・カリー

2024、27年ドラフト一巡目指名権(27年はトップ2プロテクト付き)

リショーン・ホームズ

 

■ダニエル・ギャフォード

 リショーン・ホームズと24年の一巡目指名権を放出して、ウィザーズからダニエル・ギャフォードを獲得しました。

 実はこの記事はトレード情報確定前に書いていました。そこでギャフォードは、ホームズとdraft compensationとの交換と書かれており、管理人はん? って思っていたのですが、確定情報によると一巡目指名権をホームズと一緒に送ったとのことです。ということで普通に誤情報を書いていたわけですが、放出したのが二巡目指名権程度なら別に訂正しなくてもいっか、と思っていました。どっかから金を貰っているわけでもない、趣味の個人ブログだし。でもさすがに一巡目指名権が絡むとなると話が変わってくるので内容を書き直しました。

 ギャフォードのことも後に書くPJ・ワシントンのことも詳しくない管理人なので、ホームズがギャフォードになったことがポジティブな変化なのかは分かりません。ラッセル・ウェストブルックがいた時とクリスタプス・ポルジンギスがいた時のウィザーズはたまーに見ていたので、その時の印象からすると悪くはなさそう。ラスと一緒に走れるリムランニング能力と、ディフェンスで動かないポルジンギスの分までアウトサイドを追いかける機動力と、ザ・走れるセンターってイメージです。走れるセンターということでペースの早いバスケだと活きそうなギャフォード。でもドンチッチはあまり走りたくなさそうなので、カイリーと相性の良いセンターを引っ張ってきたトレードに見えます。

 問題になりそうなのはインサイドのディフェンス力。ギャフォードってポルジンギスと並んだ時は優秀に見えたけど、ギャフォードのワンビッグの時にどういう風に守っていたか全く記憶にありません。記憶にないってことは多分守れていないんだと思います。まあウィザーズが守れていたことなんてないしね。

 ということで使われていない選手を交換したって意味では別に問題ないんですが、一巡目指名権を出すかね。ちょっと信じられないというか、普通にドン引きです。センターを獲得したら何でもかんでも解決すると思っていそうなハリソンなのか、キューバンなのか。この一巡目指名権とTHJでオフシーズンにウィングの補強に動くのかと思っていましたが、まさかセンターに使うとは。

 

■PJ・ワシントン

 グラント・ウィリアムス、セス・カリー、一巡目指名権をホーネッツに送って獲得したPJ。放出した指名権は軽いプロテクトが付いているとのことですが、具体的にどのぐらいなのかは判明していないのでなんとも。まあ敢えて軽いって書いているからトップ4プロテクトとかなのかな(追記……トップ2プロテクトでした)。

 ギャフォード以上に詳しくない選手です。ホーネッツの試合を見ていた時にオフェンスでそこそこ目立っていたのは覚えていますが、あそこはみんな目立つので比較するとちょっと影が薄い。200センチのウィングで二桁得点をマークしている選手なので、サイズがあってオフェンシブなウィングって印象。ホーネッツの選手なので、ギャフォードみたいにファストブレイクではすんなり馴染めそうです。

 こっちも問題はディフェンス、と3P。ホーネッツとPJのDEFレーティングを比べてみたところ、キャリア序盤はPJの方がチーム全体の数字と比較して良いレーティングだったものの、段々その差がなくなっていました。だから少なくとも一人でディフェンスを解決してくれる選手ではなさそう。まあそれはいいとして、3P%が年々下がっているのは気になります。今シーズンは32.4%と、とても3&Dとは呼べない数字。FG%も44.6だし乱発して得点を稼いでいる雰囲気をちょっと感じます。

 スタメンレベルのウィングとは呼べないグラントとセスがPJになったってことで、選手交換の面で見ると良さげですが、やっぱり一巡目指名権を手放したっていうのがどうしても引っかかります。それはPJの問題も多少ありつつ、殆どはギャフォードの為に出したってとこがね。だからそれ相応に活躍してくれないと非常に困ります。最低でもトレードして一巡目指名権を取り返せるぐらいにはね。

 それと、グラントとセスという管理人的には面白い選手が出て行ってしまいました。グラントは本当にタイミングが悪かった。昨シーズンに来てくれていたらハーフコートオフェンスに拡張性をもたらすオフボールスクリーンの動きと、インサイドディフェンスに加われるウィングディフェンダーという器用貧乏の器用の部分を活かして非常に面白いウィングオプションになれそうでした。セスは戦力としては別にって感じだったけど、彼のDEFレーティングにはずっと注目していた管理人。結局マブスを出るまで良い数字を保っていたので、現時点でマブスのディフェンスは改善していないんだろうな。まあ試合を見ていたら分かるか。

 

■トレード評価

 元々少なかった指名権を更に売り払って、唐突にオールイン態勢に変わったマブス。オールイン具合で言ったらバックスと同じぐらい。まああっちは既に優勝はしているからちょっと事情が違うし、マブスは一応失敗した時の保険としてライブリー、ハーディ、O-MAXがいるから……うん。

 PJ、ギャフォード、カイリーと今後主力になるであろう選手たちの契約がどれも残り三年ということで、

この3年間で優勝する

 つまり「今勝ちたい」という姿勢を明確にしたニコ・ハリソン。そのリスクを払うだけの価値があるトレードだったのかは3年経たないと分からないので置いておくとして、明確なのは良いよね。シーズン開幕当初の勝ちたいのか育てたいのかよく分からないロスターを用意して、ドンチッチとキッドが勝たせていたので非常に混乱していた管理人でしたが、少なくとももうそこで迷わなくて済みます。若手の成長がーとか、ロスターの役割を整理してーとか、そんな小難しいことを考えずに

勝て!

 これだけで済むので、応援する側としては非常に気が楽。勝ちたいのか育てたいのか、どっちなんだいってチーム構成のストレスが良くも悪くもなくなったので、トレードの収支は一旦置いといて、純粋な気持ちでこの3年間は応援出来そうです。ありがとう、ハリソン。そしてこのTDLではトレード以外に、方針次第ではジェイソン・キッドHCの体制にもメスが入る可能性があったわけですが、そちらは特に言及はなかった模様。普通に継続です。

 今勝つしかないチームを作り上げたハリソンと、何が何でも勝ちたいキッド。この方向性が幸か不幸か今までで最も強く一致した結果となりました。幸か不幸かっていうのは、去年まではまだ指名権がそれなりにあったけど、今年はもうないって意味でね。だからある意味、ここからがキッドのHCとしての手腕が問われるところ。期待しています。ということでチーム的にもファン的にも退路を絶ったTDLでした。