あ♥@マブスファン

マブス専門NBAブログ(不定期)

【23-24 RS-51】サンダー戦雑感

 

 トレードで獲得したPJとギャフォードのデビュー戦となった本日の試合。サンダーといえば12/3の対戦で第4Qに30-0という歴史的な大逆転をした後、再逆転されて負けたという何とも言えない相手です。ガード主体のロスター構成の中にチェット・ホルムグレンという、ある種異物的なセンターが混じった今年のサンダーですが、上手く行っているような、いないような感じに見えました。まあチェットのことを書いたってしょうがない。今日は気になったプレーを止めながら見ていきます。

 

■第1Q

 今日はドンチッチのディフェンスに注目して書いてみようかな。ルーゲンツ・ドートをマークする形のディフェンスから始まると、ドートがオフボールスクリーンでトップに移動しました。そのドートとの絡みでチェットのスリップアクションに対応します。そこはクリバーがカバーしてくれたので、ドンチッチはコーナーのギディーを見る形に。そこからジェイレン・ウィリアムスのパスフェイクにまんまと引っかかってギディーのカットが成功、プッシュショットを外します。

 次のポゼッションでも変わらずドートをマーク。今度はドートが左ウィング→右コーナーへ移動するので、それを見ながらジェイレンのドライブに対してヘルプポジションを取ります。ただここではドライブを仕掛けなかったので、モタモタとドートのマークに戻ろうとしました。そのタイミングでSGAがドライブを仕掛けたので、左コーナーを見ていたクリバーが半ばドンチッチを押しのける形でポジションチェンジ。ここのドライブに対してはDJJが止めてくれましたが、結局ファウルドローされます。

 10:20あたりのポゼッション。ドートとチェットのスクリーンアクションについて行くドンチッチ。結局何も起こらなかったわけですが、ここでSGAがドライブ。どこに行けばいいか分からなくなったドンチッチを再び押しのけてヘルプディフェンスに行くクリバー、SGAはミドルを外しました。ただクリバーが飛び出したことで裏にいたチェットがOREBに絡みます。しかしドンチッチはチェットより早くボールに手を伸ばしてリバウンドを確保しました。

 ちなみにSGAがミドルを打つってプレーチョイスも微妙に見えるポゼッションでした。クリバーとドンチッチの裏にいたチェットへのロブパスでも、左コーナーで完全フリーになっていたギディーへのキックアウトでも良かったように思うけど、そこまで見えていないのか、信用されていないのか。

 09:05のポゼッション、マークマンの交換によってゴール下のチェットを見ることになったドンチッチ。そのチェットを見ていたところ、ジェイレンがドライブしてきました。そこをはたいてスティール、綺麗なファストブレイクになるはずがDJJのひっどいパスミスで再びサンダーのポゼッションとなります。今度こそ正真正銘ドートとの1on1になったドンチッチ。ステップバックに対して大胆にチェックしに行き外させました。クリバーがDERBを確保。

 07:15あたりのポゼッション。ケイソン・ウォレスに見事にぶち抜かれたドンチッチ、それに対してクリバーがカバーに行きます。その裏にはSGAのスクリーンからオフボールでアウトサイドに飛び出したケンリッチ・ウィリアムスがいました。THJがSGAについたことで3Pラインでフリーになったケンリッチでしたが、なぜかもう一度3Pラインの内側に戻ってミドルを打ちます。クリバーがマッチアップ、その頃になってようやくドンチッチがSGAのところへ。いや、今来られてもって思っていそうなTHJ。

 06:50のポゼッション。ハーフコートからペイントエリアにダイブしたケンリッチを見失うドンチッチ。そこをクリバーがカバーしてくれたので、お得意の左コーナーのマークに行こうとしましたが、既にコーナーには誰もいませんでした。だからキョロキョロして末でケンリッチのマークに行こうとしましたが、そのタイミングでSGAにドライブを仕掛けられます。そうするとクリバーがまたヘルプポジションへ移動、JGとクリバーによってペイントエリアの外で止められたSGA、ジェイレンに一旦ボールを渡します。トップでボールを貰ったアイザイア・ジョーがドライブキックアウト、またもヘルプに顔を出すクリバーですが、アイザイアはストレッチしたケンリッチにパスを捌きました。それを見てアウトサイドへ飛び出してチェックに行くクリバー、シュートは決まりました。

ドンチッチめちゃくちゃ邪魔やな

 ディフェンスがザルなのは誰が見ても分かりますが、映像を止めながら見るとより酷さが際立ちます。とにかくディフェンスでは迷子になることが多い。何回クリバーに邪魔者扱いされたことかって感じです。

第1Q05:23 13対28(マブス15点リード)

 マブスの28点は凄いけど、注目したいのはサンダーの13点。平気でイージーシュートを外しまくっていたので13点っていうのはちょっと出来過ぎな気がしますが、サンダー相手によく頑張っていました。その大部分はクリバーがドンチッチの分まで必死に穴埋めしていたおかげです。

 

 そして05:23からは満を持してギャフォードとPJが投入、クリバーとJGが下がりました。二人が入った最初のポゼッションではPJがSGAのマンマーク担当。ケンリッチとケイソンのP&Rの形、ケイソンをギャフォードが見ています。ケイソンがペイントタッチしたところで右ウィングのジェイレンにパスを捌きますが、ここはちゃんとローテーションしたドンチッチ。カウンタードライブに対してドンチッチとギャフォードで壁を作ると更にパス、再びケンリッチが今度は単独でドライブを仕掛けたところ、ファウルとなりました。

 次のポゼッション。既に右コーナーにいるケイソンに対して誰もマークにいかないマブス。そして本来SGAを見るのが自分の仕事だったはずのPJが高速でコーナーをカバーして、なんとかコーナースリーは防ぎました。するとSGAとケイソンでP&P、ギャフォードとTHJでSGAを挟み撃ちにしますが、普通にケイソンにパスを捌きます。ケイソンはワイドオープンのスリーを打って外します。

 04:25あたりのポゼッション。SGAのドライブに対して全員で止めに入ったマブス。ペイントエリアから左ウィングのアイザイアにパスを捌きます。すかさずPJがローテーション、アイザイアはワイドオープンのスリーを防がれてカウンタードライブに切り替えます。ドライブからのミドルレンジジャンパーに対してドンチッチがシュートチェック、見事なファウルとなりました……と思ったらチャレンジで覆った。思いっきり足引っかけてる気がするけど。

 04:00のポゼッション。相変わらず誰につけばいいのか分からず迷子になっているドンチッチにTHJがアイザイアに付くよう指示しますが、DJJのヘルプに行きます。するとケンリッチがドンチッチに対してスクリーンを仕掛け、ワンパスでアイザイアのワイドオープンスリーを演出。ちょっとため息が出ました。オフェンスではコート全体を把握出来るのに、ディフェンスだと自分のマークマンすら見えていないドンチッチ。見えていないっていうか、フリーになることを予測出来ていないって感じです。せめてスクリーンへの対応が上手ければムービングスクリーンを誘えたんだけどね。

 

 これぐらいでいいか。ドンチッチ中心に華々しいオフェンスを披露した裏では、ドンチッチ中心にとんでもないディフェンスが展開されていたわけですが、そのディフェンスの悪さを必死にカバーしていたクリバーの奮闘が伺えました。まあいつも通りっちゃいつも通り、クリバーはずっとこんな感じでディフェンスではドンチッチの子守をしています。でもクリバーではカバーしきれないから、結局マブスは守れないチームなわけです。今日に関してはサンダーがイージーシュートを外し過ぎ。

 ドンチッチがいることで起こるディフェンスの問題っていうのは、主にドンチッチがどこにいればいいか分かっていないって部分が大きいです。基本的にコーナーを守ることが多いドンチッチですが、コーナーから選手がいなくなると途端にどこにいればいいか分からなくなり、分からなくなるとゴール下に居座ります。それが上手く行くこともありますがマークマンを見失うと大抵の場合、相手チームの選手がフリーになっているとか関係なくゴール下に居座るので、簡単にワイドオープンを許してしまいます。それで元々ゴール下でヘルプポジションを取っていた選手……つまりクリバーとかギャフォードとかがその穴埋めで外を追いかけると、ゴール下には無力なドンチッチが残ります。ゴール下なら無力ってほどではないか。

 しかし本来ゴール下でヘルプポジションを取らせたいセンター陣に、自由にアウトサイドを追いかけさせるとセンター使う意味ないじゃんってなります。それは嫌なのか、今シーズンはワイドオープンのスリーに対してドンチッチとセンター役の選手が一緒にゴール下から見つめているって状況が多いです。スリーを捨ててでもリムプロテクターをゴール下に置きたいってことなんだろうね。

 

 今日の試合ではギャフォードとドンチッチが並んでいる時間だとディフェンスの酷さが際立っていたように思います。ギャフォードは相手センターに対してマンマークする意識が強かった。それにドンチッチの悪さもプラスされて、ワイドオープンスリーを連発された感があります。まあギャフォードはしょうがない。マブスマンマークとゾーンの中間みたいなディフェンスポジションで、ちょっと特殊です。だから一般的なマンマークをされると歪みが出来てしまうって事情があるんだけど、恐らくまだまともにチーム練習に出来ていないだろうからね。

 その一方で、SGAにちょっかいを掛けつつきっちりフリーの選手に対してローテーションするPJワシントンの姿もありました。不思議だよね。チームに来た瞬間からヘルプとローテが両方出来る選手がいれば、いつまで経っても出来ないドンチッチ、カイリー、THJみたいな選手もいるし。ということで第1Qだけで今日は終わりです。