あ♥@マブスファン

マブス専門NBAブログ(不定期)

【雑談】第4Qの王-1

 

第4Qマブス

OFF/DEFレーティング 116.6/117.6

 第4Qのマブスは弱い。第4QのNETレーティングはリーグ20位、ウェストでは11位とプレーイン圏外の弱さ。ちなみに最下位はサンズで、29位のヒートを大きく下回る-14.1という数字。幾ら何でも酷過ぎないか?

第4Q OFF/DEF/NETレーティング

19-20シーズン 109.5/108.5/+1.0

20-21シーズン 116.6/113.0/-1.3

21-22シーズン 105.6/105.8/-0.2

22-23シーズン 113.0/115.9/-2.9

23-24シーズン 116.6/117.6/-1.0

 直近5シーズンで唯一プラスだったのは19-20シーズンのみ。それも全体のレーティングと比較すると4.8→1.0なので、そもそもマブスというチームが第4Qに弱いと言えます。それはドンチッチが原因のような気もするけど、まあ別にいい。第4Qが弱ければ、それまでにしっかり点差をつけていればいいだけだ。

 今シーズン第4QのOFFレーティング116.6はリーグ9位でウェスト3位、DEFレーティング117.6はリーグ25位でウェスト12位。前年と比較すると、第4Qはオフェンス勝負でどうにかしています。しょうがない部分もある反面、管理人的にはどうなの? って感じです。

 今シーズン第4QのOFFレーティングが高いチーム順に並べた時、上から12チームの内NETレーティングがマイナスなのは7チーム。対してDEFレーティングが低いチーム順に並べた時は1チームのみとなります。つまり、

第4Qは守れるチームが強い

 これが今シーズンのトレンドのように感じます。あくまで今シーズンの話。トレンドの話は置いたとしても、その日の調子にも左右されるオフェンスと比較したらディフェンスの方が再現性が求めやすいしね。そのトレンドと逆行しているようなマブスなので、そりゃ第4Qに弱くてもしょうがないかって感じです。まあそれはどうでもいいんだけどさ。ちなみに12試合っていうのはプレーオフ当確圏内のチームっていうフィルター。

 

■第4Qの王

 何か困ったことがあると事あるごとにクリバーを起用するキッド。試合を通してそんな感じなんですが、第4Qになると特にその傾向が強くなる印象です。

クリバー

20.8MIN 4.3PTS 3.3REB 1.6AST 0.4STL 0.6BLK

FG 1.5/3.6(41.0%) 3P 0.7/2.3(31.2%)

 今シーズンは得点、リバウンド、FG%、3P%がキャリアワーストのクリバー。超ダメダメです。これでストレッチビッグなんてとてもじゃないけど言いたくない。唯一アシストだけは20-21、22-23シーズンの1.4を超えてキャリアハイ。ミニッツは減ってるのにね。

 こう見るとなんでキッドが第4Qに重宝するのか、というかなんでNBAで生き残れているのかすら疑問なんですが、

クリバー オン/オフコートレーティング

オンOFF/DEF 116.1/112.5

オフOFF/DEF 116.9/116.1

 レーティング的にはプラスの選手です。さすがにシュートが入らなさすぎるからか、OFFレーティングはいない方が良いんですが、DEFレーティングは劇的に改善しています。オフェンスの悪さをディフェンスの良さでプラスにしているってこと。で、

第4Qクリバー オン/オフコートレーティング

オンOFF/DEF 129.4/109.2

オフOFF/DEF 112.4/118.8

 良いとか悪いとかそういう次元じゃなく、最早馬鹿馬鹿しいと言える数字です。オンコートのNETレーティングは+20.2。ちなみに、

第4Qオンコート NETレーティング

クリバー 20.2

PJ 15.0

セス 12.9

THJ 5.6

エクサム 3.8

 マブスの第4QNETレーティング上位5人を並べてみました。クリバー、PJ、セスはちょっとずば抜けている数字。クリバーとPJがこの数字っていうのは試合を見た感覚的に理解出来るんだけど、セスはどうだったかな。ちょっと覚えてないです。で、ここにTHJが並ぶのが分かるような分からないようなって感じなんだけど、まあいいか。

 クリバーのNETレーティング20.2っていうのは、562人中36位。562っていうのは今シーズンプレーした全選手で、これを20試合以上第4Qにプレーした選手に限定すると404人中5位。

アンソニー・ギル 29.0

サディアス・ヤング 24.8

ニーミアス・ケイタ 22.6

アレックス・レン 21.5

クリバー 20.2

 こういう並びになります。この内ギルとヤングはチームが勝っていなかったし、ケイタはそもそもセルツが強いし。レンはなるほどーって感じだけど、平均出場時間が9分だからよく分からない。サボニスの代わりにトレイ・ライルズをセンターに置くようなチームだしな。

第4Q最強の男・クリバー

 レンを差し置くのはちょっと心苦しい感があるけど、こう言い切ってもいいんじゃないかと思う管理人。実際レンの第4Qの平均ミニッツは3.8分に対し、クリバーは6.0分だからね。

 

■クリバー、とセンター事情

 第4Qにクリバーがいる時間はOFFレーティングが12.8、DEFレーティングが8.4も改善するという頭のおかしい数字。クリバー本人が決めまくっているわけではないので、周りの選手が効率良く決めているってこと。まあそれがストレッチ5の力といえばそうとも思える……けど、ちょっとね。ぶっちゃけクリバーだけでこの数字になるほど働いているようには思えない。

 チームが困った時に投入されるクリバー。ということは必然的にドンチッチ&カイリーが頑張る時間と重なります。で、第4Qとかだとスターパワーで決めまくる二人なので、その影響を強く受けた数字のように思います。クリバーがいることでインサイドで多彩に展開出来るっていうのはメリットとしてありつつも、それだけでOFFレーティングが12.8も改善するとはちょっと考えられないっていうのが結論です。

 反面、ディフェンスでの影響力はもろに出ていそうな雰囲気を感じます。

マブスDIFF%

クリバー -4.1

ライブリー -0.9

ギャフォード -0.8

DJJ +0.7

ドンチッチ +1.1

 これはローテーションメンバーの中でDIFF%が良い上位5人。センター陣は軒並みマイナスではあるものの、クリバーは突出しています。ちなみにドンチッチが5番目に良いっていう辛さね。この-4.1%は20試合以上出場した407選手の中で45位、ちょうど上位10%ってぐらいです。ちなみにKDも-4.1%。なんでも出来るな。

 相手のシュートを外させる能力がマブスの中でずば抜けて高いクリバー。その要因っていうのが3Pに対するディフェンスで、-8.4%と驚異的な数字です。それに次ぐのはDJJの-2.1%。ローテーションメンバーじゃないけどパウエルは-2.2%。一方で2Pに対しては、本職のセンターじゃない分ちょっと悪い……と思ったんだけどね。

2P DIFF%

ライブリー -3.0

クリバー -2.9

ギャフォード -2.6

PJ +0.1

DJJ +0.3

ドンチッチ +0.4

 ここでもライブリーに次いで2番目と優秀なクリバーでした。ちなみにパウエルは-5.3とこれまた良い。そして2Pに対しては踏ん張れているドンチッチ。君はスリーを追わないのが問題なんだよ。

 リムプロテクション能力でいえばライブリーとギャフォードの方が優れているのは明白。ブロック数が違う。それなのにこういう現象が起きているっていうのは、ゴール下のシュートを打たれる本数にあります。

6ft以内のDFGA

ライブリー 6.2

ギャフォード 7.4

クリバー 4.4

 ゴール下で打たれる本数が少ないクリバー。まあ出場時間が違うので、これを36分換算にしましょう。

6ft以内のDFGA/36

ライブリー 9.4

ギャフォード 10.4

クリバー 7.6

 現代バスケで重要とされている「ゴール下と3P」の二つのシュート。その理由っていうのがどちらも得点期待値という視点で見た時、期待値が高いからです。スリーはスペーシングを確保するっていう側面もあるけど。なので現代バスケでのセオリーっていうのは、そもそもゴール下と3Pを打たせないこと。

 クリバーは相手の動きに対して細かく手足を動かし、自由にさせないしつこさがあります。ライブリーはクリバーと似たようなポジション取りと動きをするんだけど、自由にさせてしまっているから意外と対戦相手も苦にしてないんだよね。いっそゴール下にどっしり構えてリムプロテクション専門にしたら機能するんだけど、その分動き回れる選手がマブスには足りないから難しい。ギャフォードは割と自由にはさせるけど、相手がシュートを打つタイミングをしっかり見計らってチェックに行くのでシュートを落とさせることは出来ています。ただゴール下を打たれまくるからDIFF%はリムプロ能力の割には良くない。

 まあこれは身体能力の差っていうのが大きいです。元がフォワードの選手だからスピード対応には優れていて、ゴール下に侵入させないように細かく守れる強みに加えてリムプロテクション能力があるから、ある意味普通のセンターよりやり辛さを感じそうなディフェンダー

 

■ツインタワー

 ライブリー&クリバーとか、ギャフォード&クリバーみたいにツインタワー起用して、どちらかが必ずリムプロテクション出来る位置にいるディフェンスをすることがあるんだけど、上手くいっていない。その理由っていうのが基本的にリムプロテクション担当がライブリーかギャフォードになるから。

 ビッグマンが二人いるってことはそれだけ機動力に難があるラインナップになるので、簡単に言うとスリーを打たれやすくなります。クリバーは問題ないけど、もう片割れのセンターは追いかけきれない。本来そのセンターが動かなくていいように他の選手たちがローテーションしないといけないんですが、それが出来たら苦労しないんだ。

 ツインタワーっていうのは今のマブスにはキツい。ギャフォードとクリバーの時間はオフェンス面でキツい。けどナゲッツ戦から別人のようにチームプレーが出来るようになったギャフォードなので、案外今シーズンにでも実用化出来そう……でも今度はクリバーのスリーが入らない問題からのスペーシング問題が生まれそうでね。ギャフォードがナゲッツ戦で見せた向上心や献身性を考えると期待したくなるけど、クリバーのスリーを考慮すると期待したくなくなります。一方でライブリー&クリバーは厳しすぎる感があります。打たれるけど持ち前の跳躍力でしっかりクローズアウト出来るギャフォードに対して、打たれまくるしクローズアウト出来ないライブリー。オフシーズンにパウエルによく教えてもらってください。

 機能すれば強いけど、機能させる為にはあまりに課題が多いセンター事情。その課題をまとめると、

ギャフォード&クリバー

・センター二人以外がしっかりシューターを追う

・クリバーがスリーをちゃんと決める

・ギャフォードはゴール下を打たせ過ぎない

 上の二つが必須条件、特にシューターを追うのは大前提の話です。最後のは出来たらいいなーぐらい。

ライブリー&クリバー

・センター二人以外がしっかりシューターを追う

・ライブリーが相手を自由にさせない

 現状ツインタワーの時間だと、クリバーはシューターを追う役割になっていて、ペイントエリアを片割れのセンターが担当と、完全に分担されています。だったらスリーが入らないクリバーを起用する意味ってないんだよね。リムプロテクターがコートに二人いるっていうメリットを活かしたいなら、大前提としてクリバーがヘルプポジションからあまり動かなくても問題ないぐらい周りに守って欲しい。

 でもってギャフォードとライブリーはスリーに対してある程度は追いかけられないといけなくなります。ギャフォードはともかく、ライブリーはだいぶヤバい。ヤバいからライブリーの分までクリバーがスリーを追いかけまくって、結果ヘルプポジションを取れない。

ラインナップOFF/DEFレーティング

ライブリー&クリバー 121.1/117.6

ギャフォード&クリバー 106.1/111.9

 というわけでラインナップのレーティングも概ねそんな感じの数字になっています。ライブリー&クリバーの時は守れないけど、オフェンス面でプラスを作れています。ギャフォード&クリバーの時は守れるけどオフェンス面でマイナス。

パウエル&クリバー 122.2/105.9

 ちなみにパウエル&クリバーだと半端なく守れます。幾らセンターの層が厚いとはいっても、干さなくてもいいだろ。まあそうしたらライブリーのミニッツは10分とかになるんだろうけどさ。層が厚すぎるっていうのも考え物だ。

 

■一旦終わり

 元々クリバーについて書こうと思って色々と調べていたんだけど、3月だから結構忙しくて手がつけられませんでした。そうなるとレーティングとかの細かい数字が変わって来て、記事の内容を修正して、でも完成させる時間は取れなくて、また数字が変わって、みたいなループでぜーんぜん終わりが見えなかったので、一旦スタッツだけを纏めた記事にすることにしました。今後はこのスタッツを元にYouTubeの動画とかを引用して書こうかなーとか思っていますが、そっちも苦心しています。一体クリバーの活躍が文字になるのはいつになるのやら。