あ♥@マブスファン

マブス専門NBAブログ(不定期)

【雑談】宙に浮くジョシュ・グリーン

 

 JGについて書きたいことがあって記事をちょくちょく進めていると、今日のヒート戦で復帰しました。実に12試合ぶりの出場。その間マブスは11勝1敗と非常に好調で、今日の試合も無事勝ちました。ホントにケビン・ラブ以外は何事もなくって感じで、逆にヒートが心配になる試合でした。

 復帰したJGについてある懸念があった管理人。で、割とその懸念通りの動きをしていたので残念でした。JGが悪いのか、或いはロスター構成の問題かはちょっと難しいところなんだけどね。

 

■JGの特徴

 2020-21シーズンに一巡目で指名されて、4年目のシーズンを迎える23歳です。若いけどマブス歴は長い貴重な生え抜き選手。身体能力、特にスピードに優れたガードで、フィジカルもそれなりに強いので1〜3番ぐらいまでなら守れるディフェンダーです。

 21-22シーズンまではシュート力の低さからオフェンス面で起用を悩ませる選手でしたが、オフシーズンに修行を積んで22-23シーズン以降は高確率でスリーを決めています。

26.6MIN 8.5PTS 3.2REB 2.3AST

FG 3.2/6.6(49.3%) 3P 1.3/3.3(40.1%)

 得点以外はキャリアハイの数字を記録しています。この8.5点っていうのは25分以上出場している選手の中では183人中176位。得点力のある選手と言えないもののTS%は60.0%なので文句を言われる筋合いもないって感じです。

 まあちょっとでもマブスを見ている人ならJGの価値はここじゃないっていうのは分かると思います。彼の武器はコート上を常に走り続ける運動量。

平均移動速度 4.60

 この数字は20分以上出場している選手の中で248人中3位。ちなみに1位はバディ・ヒールド、2位はオビ・トッピン。ちなみにヒールドのオフェンス時の平均移動速度は5.18。そもそも5を超える選手が20分以上っていうフィルターだと6人しかいないのに、その中でもずば抜けている数字です。

ディフェンス時移動速度 4.52

 ディフェンス時の移動速度だと248人中1位になります。4.5を超えるのはJGと2位のキャム・レディッシュだけ。で、

AJローソン ディフェンス時移動速度 4.5

 30試合以上出場した選手というフィルターだと、1位がJG、2位がAJになる……はずだったんだけど、最近試合に出てきたジャスティン・ミナヤが30試合を超えたので、マブスの選手で2位と3位を独占しています。これは余談。

 そんなJGなので、彼がコートに立っている時にはよく目立ちます。特にシーズン序盤なんかはJG以外ディフェンスしているのか分からないぐらい。

www.youtube.com

 ということでハイライトを引っ張ってきました。ほんとにこれが一番大変だ。半分はオフェンスハイライトで、ディフェンスもほぼスティール集なので部分的にしか使えないんですが、探してもJGのディフェンスハイライトがこれぐらいしかなかった。

 この動画の7分20秒のところからディフェンスのハイライトが始まります。彼の特徴が出ているのは7:37、8:15、8:25のポゼッション。7:37と8:15のポゼッションではヘルプディフェンスでボールマンにプレッシャーを掛けてスティールしています。そして8:25ではKDからの山なりのパスをインターセプト。まあこれはフランキーとTHJのダブルチームが良かったからパスが山なりになったんだけど。

 7:37と8:15のポゼッションで特徴的なのは、自分のマークマンを捨ててヘルプに行っているってこと。俗にいうオーバーヘルプなんですが、JGはこれを積極的に仕掛けるディフェンダーです。考えなしにこれをやってしまうと普通にパスを捌かれてオープンスリーになるので、ヘルプディフェンダーは自分のマークマンとヘルプの強度を天秤に掛けるバランス感覚が必要になるんですが、JGは結構大胆にマークマンを捨てて、ほぼダブルチームみたいになることが多いです。このハイライトで取り上げられている21-22シーズンは特に。

 そして8:25のポゼッション。トランジションのシチュエーションなので何とも言えないところはあるんですが、JGはこの時フロアバランス的にジェームズ・ジョンソンとジェームズ・ハーデンの二人を見なければならない場面でした。そしてKDの判断がアレだったのがほぼ全てなんですが、結果的に二人を一人で守ったことになります。

 

ディフェンダーとしてのJG

 JGはチームディフェンスに欠かせないヘルプ&ローテが実行出来るディフェンダーなのはハイライトからもある程度見て取れると思います。けど今時ヘルプ&ローテなんて全NBA選手に備わっている基本設定みたいなものなので、出来るだけじゃダメ。OGアヌノビーみたいにハンドラーがボールをキープ出来ないぐらいにプレッシャーを掛けられたり、ドレイモンド・グリーンみたいに次々にディフェンスの穴を埋める速さがあったり、バム・アデバヨみたいに広い範囲でプレッシャーを掛けたり。その最上級がジョナサン・アイザック

 で、JGはそこんとこどうなのって話です。ウィングスパンは207.6センチなので短いとは言わないまでも、武器と呼べるかどうかってぐらいなのもあって、シュートコンテストする為にはジャンプする必要があります。そんな頻繁に飛んでたら逆に格好のフリースローチャンスになるので、どちらかというとスティール系のディフェンスを仕掛けるJG。その割に今シーズンは0.8STLなので多いわけでもない。ぶっちゃけJGのヘルプディフェンスが怖いかって言われると、多分そんなに怖くないんだよね。ただここで見えてくるのがさっきのハイライトで取り上げたJGの特徴である「自分のマークマンを捨てる」ことと、「二人を一人で守る」こと。

 大胆にマークマンを捨てたように見えても、余程ピンポイントで速いパスじゃない限りあっさり戻ってしまうJG。「パスよりも速く動ける人間なんていない」っていうのは常識ですが、いるんだなここに。まあ正確には、パスが出されても受け手のアクションまでには追いつけるってところか。実際のボールよりも速く動いているわけではないので。

 それを可能にしているのがJGのパスコースを予測する能力です。精度の違いはあれど、これもNBA選手の標準装備。ドンチッチもパスカット上手いし、実際今シーズンは公式だと9位のスティール数だし。何気にルーキーシーズンから1STL切ったことないのか。

 そんでもってJGはパスコースを予測して、パスの受け手まで走って行ける運動量があります。パスコースを予測する能力は皆持っていても、実際にパスの先まで追いかけられるかどうかは話が変わってきます。なんとも皮肉な話だ。パスコースを読むのが上手いけど動かないドンチッチの方がスティールが多くて、パスコースを読めて尚且つ追いつけるJGの方がスティールが少ないっていう。スティールっていうスタッツの難しさを感じます。

マークマンを捨てても追いかけられる運動量が武器

 その為JGはしつこくヘルプディフェンスを仕掛けてきます。時にはワンポゼッションで複数回顔を見せることも。一回一回は怖くないとしても、何度も仕掛けられると嫌だろうね。これがJGの特徴……のひとつ。もうひとつの特徴については次の記事で。ネタバレすると運動量です。