あ♥@マブスファン

マブス専門NBAブログ(不定期)

【RS-75】ウォリアーズ戦雑感

 

 ハイキューを見に行きました。超面白かったです。元々アニメで追っていて、続きが気になり過ぎて漫画で全部読んだんですが、その事を後悔するぐらい映画の出来が良かった。勿論漫画も面白いんだけど。いやーアニメで追っている人が羨ましいね。

 映画が終わった後からウォリアーズ戦を見始めたので後半だけリアタイ視聴していて、その感想としてはドレイモンド劇場って感じでした。今まで管理人が見てきたVSマブスのドレイモンド・グリーンって、あらゆるポジションを上手く守れるってこと以外にディフェンスの長所を感じませんでした。マルチディフェンダーの走りなのは知ってるけど、今となってはそういう選手ってドレイモンド以外にたくさんいるし。同じ役割が出来る上でリバウンド魔人のルーニーの方がディフェンダーとしては優れているって印象でした。まあだからといってルーニーの方が選手として上って話ではない。ドレイモンドはオフェンスの役割が特殊だし。

 ただ今日はドレイモンドのディフェンス力が光る後半だったように思います。今までは目立たなくてこの試合で目立ったってことは、つまりマブスのオフェンスが変わったってこと。

 

■前半

 後追いで見た前半ですが、こっちでもドレイモンドが目立ちました。ということで試合を通してドレイモンド劇場だったってことになります。

 最初のオフェンスでギャフォードのスクリーンの逆を使ってカットするカイリー。ここにマークマンのカリー+ヘルプのドレイモンドが追いかけてドンチッチのパスを封じます。その間にドンチッチ+ギャフォード対ウィギンスの形に。ということで早速スクリーンでウィギンスを剥がしに行くんですが、ドレイモンドがすかさずギャフォードの元へ戻りファイトオーバー成功、ミスマッチを作れません。このドレイモンドがドンチッチに寄るタイミングでギャフォードへのパスっていうのが、ある種既定路線なんですがそれもさせてくれず。時間がなくなって結局ドンチッチ対ウィギンスの1on1に。ワンポゼッションでカイリー、ギャフォードの仕掛けを止めたドレイモンドでした。

 この時点でやべーって感じなんですが、それを上回るドンチッチ。ギャフォードとのP&Rをフェイクに左コーナーのPJへ豪快にパスして、コーナースリーを決めます。マブス基準では見慣れた光景だけど、今回はそれにPJのディップを省略するおまけ付き。正確過ぎだろ。ちょっと気色悪かったです。ディップを省略出来るのはPJのスキルでもあるんだけどさ。

 P&Rをフェイクに使ったスリップアクションっていうのがギャフォードがいる時間の新しい武器になったマブス。スクリーナーのディフェンスの裏を取れることが有効に働くセットオフェンスなので、ディフェンス側としてはスクリーナーのディフェンダーが裏を取られた時、ギャフォードの前に壁を作りたいわけです。それをコーナーを守っていたクレイがしようとしていたんですが、クレイがギャフォード側に動いた瞬間にパスを捌いたドンチッチ。それってつまりP&Rを仕掛けようとした時、目の前のディフェンダーじゃなくてクレイを見ていたってこと。視野が広すぎる。

 で、このポゼッションで読み取れるのは視野が広いドンチッチだけじゃなく、ウォリアーズがちゃんとマブスオフェンスを対策しているってことも読み取れます。もしこの試合がシーズン序盤に行われていたとしたら、ギャフォードのスリップ→フリーレーンでダンク→フリーレーンを作らないようにクレイがヘルプに行くって流れになる、言い換えるとこのポゼッションでギャフォードはダンク出来ていたはず。対策の対策を仕掛けたともいえるドンチッチのパス、何が言いたいかっていうとプレーオフっぽいよね。

 マブスがプレーインまで順位が落ちない限り、ウォリアーズとプレーオフで当たる可能性があるのはセカンドラウンド以降。随分と遠い話だ。とはいえ可能性はあるので、ナゲッツ戦同様プレーオフ前哨戦といえる今日の試合です。

 ただ、プレーオフ前哨戦とは思えないほどパスミスが多かったウォリアーズでした。アリウープパスミスにキックアウトパスのミス。どれも繋がれば決定的なシュートになり得たので、ここに助けられたマブスでした。まあウォリアーズは元々ターンオーバー多いんだけどね。

第1QウォリアーズTO 5

 ハイペースにターンオーバーを重ねた第1Qのウォリアーズでした。マブスファンとしては第1Qにターンオーバー5っていうのは卒倒したくなる数字です。ちなみ

第1QマブスTO 5

 マブスも同じターンオーバー数でした。というわけで卒倒。

 05:24のタイミングでセンターをギャフォード→パウエルに変更したマブス。今日はライブリーがいないのでその控えです。ウォリアーズの方もルーキーのブランディン・ポジェムスキーとトレイス・ジャクソン・デイビスの投入、ここから一気にウォリアーズの速攻が増えます。が、肝心なところでパスミス

 で、ドレイモンドが下がります。これでカリー+ベンチメンバーになりました。対するマブスはクリバーを投入し、お互いスモールな感じになりました。ギャフォードのリムプロテクションでゴール下を守っていたマブスなのでちょっと不安って感じでしたが、そこは問題なかった様子。平面のスピードでボールムーブに追いつきます。

 特に注目したいのは01:15のポゼッション。ポジェムスキーから、二枚のスクリーンを利用してオフボールで移動したムーディへのパスが渡るとカイリーがシュートチェックに行きます。それに対するカウンタードライブにクリバーが対応、ダイブするルーニーにドンチッチが対応します。以前だったらここでルーニーにパスが渡ってダンクされていたんだけど、それぞれがコミュニケーションミスせずに上手く対応しました。ただそこから更に仕掛けるのがクリス・ポールという男。スクリーナーになった後、オフボールで右コーナーに移動します。この右コーナーっていうのはルーニーがスクリーナーとして機能しているのでフリーになれるポジションであると同時に、ドンチッチがルーニーのマークを捨てるとウォリアーズの思惑通りにパスが通って、ルーニーのダンクが成立する非常に難しい場面。

 で、ドンチッチはルーニーを捨ててクリス・ポールを追いかけるんですが、ここのドンチッチのディフェンスが非常に上手かった。上手いし判断が早かった。上手かったからクリス・ポールはパスを出せなかったし、早かったからパウエルがコミュニケーションミスなくルーニーにマッチアップ出来ました。で、右コーナーから左コーナーまで追いかけるカイリー。よく追いかけたな。

サボらないエース二人

 ギャフォードが加入したタイミングからディフェンス戦術が変わったマブス。ギャフォードのリムプロテクションを活かす為に、他の選手がゴール下に誘導するように守るようになりました。クイン・スナイダーっぽい感じ。このディフェンスだとちゃんとシューターを追いかける必要が出てくるので、これが最近ドンチッチがディフェンスを頑張っているように見える要因のように思います。ディフェンスシステムが変わって、ドンチッチが頑張らないといけなくなった。

 対してパウエル&クリバーの時間は従来のヘルプ&ローテって感じでした。このディフェンスを実行する運動量が足りなかったから守れなかったんですが、ドンチッチ&カイリーがよく動いているのでしっかり守れていました。まあカイリーは元々動いてくれる方ではあったので、ドンチッチが頑張るようになったことが守れた要因に思います。スナイダーディフェンスの副産物なのか? ただこの時間になるとスリーを打たせまくるドンチッチ。サボってるな。

 最終的にウォリアーズはカリーを下げてクリス・ポールを起用します。そうなるとハーフコート中心のオフェンスになるウォリアーズ。ポジェムスキーはボールを持つと一人で走り出すけど。JGみたいだな。

 サマーリーグだったかのウォリアーズを見た時、クリス・ポールの補強っていうのは中々に機能しそうだと感じました。その理由っていうのがミスなく正確にパスを回せるクリス・ポールなので、ターンオーバーが減ってそこからの失点が減りそうだと思ったからです。少なくともマイナスの補強ではないのかなーと思っていたけど、今はプレーイン争いをしています。なんでだろうね。

 

■後半

 ドンチッチ&ギャフォードの連携とパワーで強みを作ったロケッツ戦に対して、ドレイモンドに連携を消されるマブス。それに対する対策でギャフォード以外の選手をスクリーナーにしたり、クリバーをストレッチ5にしたりと、手を変え品を変え誤魔化してきました。それで誤魔化せるんだけど、ここで効いてくるのがドレイモンドのローテーションの早さと対人ディフェンス。

 ドレイモンド以外に対してスリップアクションを仕掛けるとパスを通させてくれるウォリアーズ。ただ通されてもインサイドにドライブされないように中を固めるポジション取りを敷きました。そうなるとエルボー付近でボールを持った選手の選択肢はそのままシュートを打つか、パスを回すかの二択になります。

 マブスはここで積極的にパスを回してコーナーまで繋げるんですが、ドレイモンドはこのローテーションが早かった。そしてドレイモンド以外がローテーションした場合、つまりドレイモンドがリム付近にいるとしっかりディフレクションされて中々シュートが決まらない。ギャフォードがこの試合で外したシュートのうち、確か二本はドレイモンドが絡んでいたし。コーナーで貰ったDJJのドライブが決まらなかったのもここが大きい気がします。なんか普通にカリーに真正面からスティールされたシーンもあったけど。優れたチームディフェンスの上にあって輝く対人ディフェンスでした。

 ということでギャフォードがいる時間のオフェンスで苦しむマブス。こう書いといて過去に自分が書いた記事と比較すると「全然成長してねえじゃん」って感じなんだけど、自分たちの悪さから苦しんでいるのと、相手の良さから苦しんでいるのではわけが違う。ということでギャフォード加入当初の管理人としてはこの結果は嬉しい悲鳴って感じです。

ギャフォードOFF/DEFレーティング

前半 98.5/95.8

後半 120.0/112.5

 でもって試合中にある程度答えを出せたっていうのも、今日の試合で嬉しかったこと。それが第4Q06:25からのポゼッション。タイムアウト明けに対ドレイモンド用にどういうプレーを用意したかというと、ギャフォードのポイントセンターでした。ゲイリー・ペイトン二世の裏をついてカットしたカイリーにパスしてダンクします。

 ドンチッチ→ギャフォードの連携に対してパスコースを潰し、その上で一人ヘルプ&ローテするドレイモンド。総じてチームディフェンスが上手い、言い換えるとボールマンについていないドレイモンドが厄介ってことです。そういう選手に対して有効なのが1on1で守らせること。ラプターズでは優秀なディフェンダーだった渡辺雄太がネッツでディフェンスの穴と言われた理由でもあります。優秀なヘルプディフェンダーには1on1で仕掛けるんだ。まあドレイモンドはそれでも強いからたちが悪いんだけど。

 で、こうやってパスが回せるようになったのはやっぱりギャフォードの成長だよね。地道に積み上げてきたことが実を結んだようなポゼッションでした。このプレーをきっかけにオフェンスがまた機能し始めたように思います。ぶっちゃけクリバーがセンターの時はそういう悩みがなかったので、この試合で勝つだけならクリバーを酷使すれば良かった気はするんだけど、そうしなかったっていうのは今後を見据えているってことかな。

ギャフォード 10PTS 8REB 3AST

 FG 5/8だったギャフォード。外したシュートがドレイモンド絡みだったので、言い換えると1on1でドレイモンドから点を取れなかったってこと。そもそもパスを通させてくれなかったしね。その割に8本もアテンプトがあるっていうのは、速攻でよく走っていたからのように思います。だから課題は以前書いた1on1のスコアリング。ただ当時は「まず1on1で駆け引きを仕掛けること」からが課題であり、それがこの問題の大部分だったので、言ってしまえば課題の大部分は解決していると言えます。ここから更に個人で点を取れるかどうかがジャレット・アレンとの分水嶺かな。ギャフォードは管理人の中で株価爆上がりなので、期待しています。

ドレイモンド 11PTS 8REB 6AST 4STL 1BLK

 はい、本日の主役。ウォリアーズのギャフォード対策は完全にドレイモンドありきでした。そうやって自分たちよりデカい相手に勝ってきているわけです。でもってウェストの上位チームっていうのはこういう守り方をしてくるので、そういう意味でもドンチッチ→ギャフォードの連携が消された時に対応出来たことの意味は大きいと思います。

 しかしうざかったねー。チームディフェンスが上手いだけでもうざいのに、なんで普通に対人で守れるんだよって感じです。特に触れてないけどスクリーナーとしても超優秀な今日のドレイモンドでした。逆にルーニーの存在感がなかったのはちょっと気になります。

ウォリアーズ3P 15/32(46.9%)

 これだけスリーを決められて104点しか取られていないんだから、よく守れていたよね。クリス・ポールにあんなに決められたのはちょっと想定外だったけど。

PJ 20PTS 5REB 3STL 1BLK

 ドンチッチ→ギャフォードが機能不全になったこともあって、カイリーと並んで19のアテンプトがあったPJ。今日も今日とて酷いEFG%だ。あと一本決めてくれれば展開は全く違ったんだけど、20点っていうのが絶妙にケチをつけにくいところ。

クリバー 0PTS 3REB 2AST 1STL 3BLK

 個人的には何しとんねんって感じです。前半終了間際のシュートは除外したとして、1本ぐらい決めろやと思いました。でもレーティングは102.6/87.2でNETレーティングトップっていうね。アドバンスドスタッツが良いことに甘えてんじゃないよ。

 ウォリアーズとは4/6に再度対戦します。どちらもB2Bの対戦ですが、今度はマブスホームでの試合となるので、現地は盛り上がるだろうね。しかしハイキュー面白かったなー。

【RS-74】ロケッツ戦雑感

 

 キングスとの二連戦を制し、更に今日の試合も勝ったことで、ペリカンズと並んで一気に5位まで並んだマブス。残りの日程を加味すると6位以上は固くなってきました。管理人としてはこのまま5位をキープして、今度こそプレーオフクリッパーズに引導を渡したいところです。

 で、今日の相手のロケッツは最近調子が良い。直近11連勝という驚異的な追い上げでプレーインも射程圏内に入りつつあります。比較的相手が弱かったっていうのはあるんだろうけど、ウェスト1位のサンダーに勝っているのでそれだけじゃないんだろうね。

 11連勝とは関係なく、ロケッツのことは少なからず注目していました。相変わらずオフェンスは困っているけど、シェングン以外がハードに守れる選手に成長したことで勝率以上に苦しい戦いを強いられるチームになりました。いつぞやのラプターズみたいだな。

 前回対戦ではロケッツディフェンスにそこそこ手こずらされたものの、それ以上にロケッツがオフェンスで困っていたので助けられた感があります……と思ったけど、これ初対戦の時の話か。直近の対戦は12/23で、けちょんけちょんにやられています。まあスタメンがほぼいなかったからしょうがないね。

 

 ロケッツの11連勝に大きく貢献した要素がジェイレン・グリーンのスコアリング。身体能力が高く、スピードでゴール下まで切り込むことが出来るグリーンですが、シュート力の低さがネックでちょっと伸び悩み気味。とはいっても2年目には22.1点、今年は19.9点をアベレージしているので、全然バストではない。成功率の話はしないであげてって感じ。

 アルペレン・シェングンが欠場したことで、グリーンがハンドラーをする時間が多かった今日のロケッツ。あれからどれだけ成長したのかと楽しみにしていたんだけど、相変わらずって感じでした。

12PTS 6REB 5AST

FG 5/15(33.3%) 3P 0/5

 これで20点取れていたら「オールマイティーなガード」になるんだけどね。ルーキーシーズンの彼を見た時、自分のシュート力の低さを自覚しているからか、無理やり突っ込もうとしてターンオーバーっていうシーンが多かったんですが、それはかなり少なかった。今日のグリーンは積極的にロングレンジでシュートを打って、積極的に外していきました。まあ良いんじゃない? って感じです。シュートさえ入れば今シーズン成長したディフェンス力と合わせて有能なSGになれそう。視野の狭さはもうちょっとどうにかならんかとは思うけど。

 そう、今シーズンのロケッツはディフェンスのチーム。ガードからセンターまで頑張れる選手を揃えたことがチームを前進させました。ディフェンスが上手い選手じゃなく、あくまで頑張れる選手ね。以前は「なんで俺がディフェンスしなきゃいけないんだよ」みたいな空気だったけど、今は全員が「俺がエースディフェンダーだ!」みたいに積極的に相手に向かっていきます。

ロケッツOFF/DEFレーティング 113.6/112.2

 OFFレーティングはリーグ20位でウェスト12位。DEFレーティングはリーグ9位でなんとウルブス、ペリカンズ、サンダーに次いでウェスト4位です。22-23シーズンがリーグ29位のディフェンスだったのでとんでもない成長速度。ていうかNETレーティングが-8.1→+1.4ってやばいな。

 昨年ドラフト3位で、ヤニスを完璧に守るシーンもあったジャバリ・スミスに加え、全ポジションを守れるディロン・ブルックス、更にルーキーのアメン・トンプソンと優秀なディフェンダー陣を揃え、セルツをファイナルまで導いたウドカを連れてきたのはフロントの手腕が冴えていたと言って差し支えないでしょう。これでまたウドカが来年いなくなったら笑うんだけど。

 ロケッツのディフェンスが優れているっていうのは、戦術うんぬんより本当に気持ちの部分が大きく影響していそうです。実際今日の試合でも頻繁にコミュニケーションミスが起こっていたしね。言い換えれば気持ちでこれだけディフェンスは良くなるってことだ。

 

 管理人がロケッツで一番注目しているのはアメン・トンプソン。シーズン序盤は欠場続きで双子のアサーを見ていました。ガードなのにシュートが信じられないほど下手、だけどシュート以外のことは割となんでも出来るしハードワーカーだったので、アメンにも期待していたんですが、想像以上に面白い選手だね。

 今日はシェングンがいない事情もあってかジャバリをセンター、アメンをPF起用とスモールラインナップで始まったんですが、アメンがスクリーナーになるっていうね。しかもグリーンとP&Rを仕掛けるとか、面白すぎだろって感じでした。ガードとガードのP&Rなんて滅多に見られるものじゃない。で、アメンはダイブしてOREB役になるっていう。それはアメンが普通のガードとは違う働きが出来る特殊さがあるということと同時に、それだけ彼のシュート力に困っているというロケッツの苦悩が伺えました。シェングンがいる時にどういうプレーをするのか見てみたかった。

 初っ端がスモールボールだったロケッツに対して、普通にギャフォードを起用したマブス。至極当然、ギャフォードに苦しんでいました。ということで早々にアメンを下げて、ジョック・ランデールを起用したロケッツ。この時間が一番苦しそうだったね。ギャフォードにアジャストしたことで、ドンチッチに狙われまくったランデールでした。

ドンチッチ スコアリング(VSランデール)

18PTS FG 6/7(85.7%) 3P 4/5(80.0%)

 もう見ていて気の毒だったよ。ステップバックの錆になったランデールでした。さすがに決めすぎ。もっと気の毒なのが、ランデールの時間が結構長かったって部分。鬼畜なウドカでした。

 で、この時間にちょっと珍しいものが見れました。それがランデールとのP&Rに対してブリッツを仕掛けたこと。シェングンがいる時間にこんな事したら見てられないことになるので、オフェンスでも狙われたランデール。これもあって余計に下げた方が良かったんじゃないかと思ったわけですが、なんだかんだ後半は改善していたので、成長に期待したってことなのかな。でも今年29歳になる選手なんだよね。ジェフ・グリーン使えばいいじゃん。

 

 ロケッツのことばかり書いているのでマブスのことも書かないとって思うんだけど、あんまり書きたいことがないんだよね。ギャフォードは順調に成長しているし、ドンチッチとカイリーはよくシュート決めるし、エクサムはパーフェクトだったし。

DJJ 2PTS 5REB 1AST

 シーズン序盤に決まりまくっていた時は積極的にスリーを打っていたDJJ。それから確率が落ちると一気にドライブの比重が増えました。オールスター明けぐらいからまたスリーを打ってくれるようになったんだけど、今日は全然打たなかったね。しかもカイリーとギャフォードとそのディフェンダーと、更に目の前にマークマンがいる状態でドライブとかしていたし。ちょっと勘弁してくれってシュートチョイスでした。

PJ 12PTS 6REB 2AST

 効率良くスリーを決めたPJ。反面2Pは1/3という数字です。スリーが入らないならいつものことかって感じなんだけど、2Pが入らないのはちょっと困る。しかも平気でエアーボールするし。

直近10試合 PJ

9.1PTS FG 3.4/9.5(35.8%) 3P 1.5/5.4(27.8%)

 2Pが46.3%しかないっていうのは、ドンチッチの横に置くにはちょっと厳しい数字です。期待値1割ってるからね。一体何なら決まるんだって話になってきます。

 

 あと、最近になってちょくちょくカイリーとハーディを並べる時間を作り始めたキッド。カイリーとハーディのP&R+ギャフォードのポイントセンターみたいな感じ。ギャフォードの成長もあって形にはなっているけど、きついオフェンスを展開しています。恐らくエクサムのプレータイムを削りたいっていう意図です。カイリー&エクサムの時間が上手くいかないって事情と、ドンチッチとエクサムを並べたいって事情、それに長時間プレーさせると怪我をするエクサムっていう事情が加わった結果なので、割り切るしかないかな。現状オンコートだとマイナスのハーディですが、ここから如何にプラスに近づけられるかが問われます。

 そんな感じです。あとはカイリーのフェイダウェイが最近全然決まらないのがちょっと気になるところかな。

【雑談】第4Qの王-1

 

第4Qマブス

OFF/DEFレーティング 116.6/117.6

 第4Qのマブスは弱い。第4QのNETレーティングはリーグ20位、ウェストでは11位とプレーイン圏外の弱さ。ちなみに最下位はサンズで、29位のヒートを大きく下回る-14.1という数字。幾ら何でも酷過ぎないか?

第4Q OFF/DEF/NETレーティング

19-20シーズン 109.5/108.5/+1.0

20-21シーズン 116.6/113.0/-1.3

21-22シーズン 105.6/105.8/-0.2

22-23シーズン 113.0/115.9/-2.9

23-24シーズン 116.6/117.6/-1.0

 直近5シーズンで唯一プラスだったのは19-20シーズンのみ。それも全体のレーティングと比較すると4.8→1.0なので、そもそもマブスというチームが第4Qに弱いと言えます。それはドンチッチが原因のような気もするけど、まあ別にいい。第4Qが弱ければ、それまでにしっかり点差をつけていればいいだけだ。

 今シーズン第4QのOFFレーティング116.6はリーグ9位でウェスト3位、DEFレーティング117.6はリーグ25位でウェスト12位。前年と比較すると、第4Qはオフェンス勝負でどうにかしています。しょうがない部分もある反面、管理人的にはどうなの? って感じです。

 今シーズン第4QのOFFレーティングが高いチーム順に並べた時、上から12チームの内NETレーティングがマイナスなのは7チーム。対してDEFレーティングが低いチーム順に並べた時は1チームのみとなります。つまり、

第4Qは守れるチームが強い

 これが今シーズンのトレンドのように感じます。あくまで今シーズンの話。トレンドの話は置いたとしても、その日の調子にも左右されるオフェンスと比較したらディフェンスの方が再現性が求めやすいしね。そのトレンドと逆行しているようなマブスなので、そりゃ第4Qに弱くてもしょうがないかって感じです。まあそれはどうでもいいんだけどさ。ちなみに12試合っていうのはプレーオフ当確圏内のチームっていうフィルター。

 

■第4Qの王

 何か困ったことがあると事あるごとにクリバーを起用するキッド。試合を通してそんな感じなんですが、第4Qになると特にその傾向が強くなる印象です。

クリバー

20.8MIN 4.3PTS 3.3REB 1.6AST 0.4STL 0.6BLK

FG 1.5/3.6(41.0%) 3P 0.7/2.3(31.2%)

 今シーズンは得点、リバウンド、FG%、3P%がキャリアワーストのクリバー。超ダメダメです。これでストレッチビッグなんてとてもじゃないけど言いたくない。唯一アシストだけは20-21、22-23シーズンの1.4を超えてキャリアハイ。ミニッツは減ってるのにね。

 こう見るとなんでキッドが第4Qに重宝するのか、というかなんでNBAで生き残れているのかすら疑問なんですが、

クリバー オン/オフコートレーティング

オンOFF/DEF 116.1/112.5

オフOFF/DEF 116.9/116.1

 レーティング的にはプラスの選手です。さすがにシュートが入らなさすぎるからか、OFFレーティングはいない方が良いんですが、DEFレーティングは劇的に改善しています。オフェンスの悪さをディフェンスの良さでプラスにしているってこと。で、

第4Qクリバー オン/オフコートレーティング

オンOFF/DEF 129.4/109.2

オフOFF/DEF 112.4/118.8

 良いとか悪いとかそういう次元じゃなく、最早馬鹿馬鹿しいと言える数字です。オンコートのNETレーティングは+20.2。ちなみに、

第4Qオンコート NETレーティング

クリバー 20.2

PJ 15.0

セス 12.9

THJ 5.6

エクサム 3.8

 マブスの第4QNETレーティング上位5人を並べてみました。クリバー、PJ、セスはちょっとずば抜けている数字。クリバーとPJがこの数字っていうのは試合を見た感覚的に理解出来るんだけど、セスはどうだったかな。ちょっと覚えてないです。で、ここにTHJが並ぶのが分かるような分からないようなって感じなんだけど、まあいいか。

 クリバーのNETレーティング20.2っていうのは、562人中36位。562っていうのは今シーズンプレーした全選手で、これを20試合以上第4Qにプレーした選手に限定すると404人中5位。

アンソニー・ギル 29.0

サディアス・ヤング 24.8

ニーミアス・ケイタ 22.6

アレックス・レン 21.5

クリバー 20.2

 こういう並びになります。この内ギルとヤングはチームが勝っていなかったし、ケイタはそもそもセルツが強いし。レンはなるほどーって感じだけど、平均出場時間が9分だからよく分からない。サボニスの代わりにトレイ・ライルズをセンターに置くようなチームだしな。

第4Q最強の男・クリバー

 レンを差し置くのはちょっと心苦しい感があるけど、こう言い切ってもいいんじゃないかと思う管理人。実際レンの第4Qの平均ミニッツは3.8分に対し、クリバーは6.0分だからね。

 

■クリバー、とセンター事情

 第4Qにクリバーがいる時間はOFFレーティングが12.8、DEFレーティングが8.4も改善するという頭のおかしい数字。クリバー本人が決めまくっているわけではないので、周りの選手が効率良く決めているってこと。まあそれがストレッチ5の力といえばそうとも思える……けど、ちょっとね。ぶっちゃけクリバーだけでこの数字になるほど働いているようには思えない。

 チームが困った時に投入されるクリバー。ということは必然的にドンチッチ&カイリーが頑張る時間と重なります。で、第4Qとかだとスターパワーで決めまくる二人なので、その影響を強く受けた数字のように思います。クリバーがいることでインサイドで多彩に展開出来るっていうのはメリットとしてありつつも、それだけでOFFレーティングが12.8も改善するとはちょっと考えられないっていうのが結論です。

 反面、ディフェンスでの影響力はもろに出ていそうな雰囲気を感じます。

マブスDIFF%

クリバー -4.1

ライブリー -0.9

ギャフォード -0.8

DJJ +0.7

ドンチッチ +1.1

 これはローテーションメンバーの中でDIFF%が良い上位5人。センター陣は軒並みマイナスではあるものの、クリバーは突出しています。ちなみにドンチッチが5番目に良いっていう辛さね。この-4.1%は20試合以上出場した407選手の中で45位、ちょうど上位10%ってぐらいです。ちなみにKDも-4.1%。なんでも出来るな。

 相手のシュートを外させる能力がマブスの中でずば抜けて高いクリバー。その要因っていうのが3Pに対するディフェンスで、-8.4%と驚異的な数字です。それに次ぐのはDJJの-2.1%。ローテーションメンバーじゃないけどパウエルは-2.2%。一方で2Pに対しては、本職のセンターじゃない分ちょっと悪い……と思ったんだけどね。

2P DIFF%

ライブリー -3.0

クリバー -2.9

ギャフォード -2.6

PJ +0.1

DJJ +0.3

ドンチッチ +0.4

 ここでもライブリーに次いで2番目と優秀なクリバーでした。ちなみにパウエルは-5.3とこれまた良い。そして2Pに対しては踏ん張れているドンチッチ。君はスリーを追わないのが問題なんだよ。

 リムプロテクション能力でいえばライブリーとギャフォードの方が優れているのは明白。ブロック数が違う。それなのにこういう現象が起きているっていうのは、ゴール下のシュートを打たれる本数にあります。

6ft以内のDFGA

ライブリー 6.2

ギャフォード 7.4

クリバー 4.4

 ゴール下で打たれる本数が少ないクリバー。まあ出場時間が違うので、これを36分換算にしましょう。

6ft以内のDFGA/36

ライブリー 9.4

ギャフォード 10.4

クリバー 7.6

 現代バスケで重要とされている「ゴール下と3P」の二つのシュート。その理由っていうのがどちらも得点期待値という視点で見た時、期待値が高いからです。スリーはスペーシングを確保するっていう側面もあるけど。なので現代バスケでのセオリーっていうのは、そもそもゴール下と3Pを打たせないこと。

 クリバーは相手の動きに対して細かく手足を動かし、自由にさせないしつこさがあります。ライブリーはクリバーと似たようなポジション取りと動きをするんだけど、自由にさせてしまっているから意外と対戦相手も苦にしてないんだよね。いっそゴール下にどっしり構えてリムプロテクション専門にしたら機能するんだけど、その分動き回れる選手がマブスには足りないから難しい。ギャフォードは割と自由にはさせるけど、相手がシュートを打つタイミングをしっかり見計らってチェックに行くのでシュートを落とさせることは出来ています。ただゴール下を打たれまくるからDIFF%はリムプロ能力の割には良くない。

 まあこれは身体能力の差っていうのが大きいです。元がフォワードの選手だからスピード対応には優れていて、ゴール下に侵入させないように細かく守れる強みに加えてリムプロテクション能力があるから、ある意味普通のセンターよりやり辛さを感じそうなディフェンダー

 

■ツインタワー

 ライブリー&クリバーとか、ギャフォード&クリバーみたいにツインタワー起用して、どちらかが必ずリムプロテクション出来る位置にいるディフェンスをすることがあるんだけど、上手くいっていない。その理由っていうのが基本的にリムプロテクション担当がライブリーかギャフォードになるから。

 ビッグマンが二人いるってことはそれだけ機動力に難があるラインナップになるので、簡単に言うとスリーを打たれやすくなります。クリバーは問題ないけど、もう片割れのセンターは追いかけきれない。本来そのセンターが動かなくていいように他の選手たちがローテーションしないといけないんですが、それが出来たら苦労しないんだ。

 ツインタワーっていうのは今のマブスにはキツい。ギャフォードとクリバーの時間はオフェンス面でキツい。けどナゲッツ戦から別人のようにチームプレーが出来るようになったギャフォードなので、案外今シーズンにでも実用化出来そう……でも今度はクリバーのスリーが入らない問題からのスペーシング問題が生まれそうでね。ギャフォードがナゲッツ戦で見せた向上心や献身性を考えると期待したくなるけど、クリバーのスリーを考慮すると期待したくなくなります。一方でライブリー&クリバーは厳しすぎる感があります。打たれるけど持ち前の跳躍力でしっかりクローズアウト出来るギャフォードに対して、打たれまくるしクローズアウト出来ないライブリー。オフシーズンにパウエルによく教えてもらってください。

 機能すれば強いけど、機能させる為にはあまりに課題が多いセンター事情。その課題をまとめると、

ギャフォード&クリバー

・センター二人以外がしっかりシューターを追う

・クリバーがスリーをちゃんと決める

・ギャフォードはゴール下を打たせ過ぎない

 上の二つが必須条件、特にシューターを追うのは大前提の話です。最後のは出来たらいいなーぐらい。

ライブリー&クリバー

・センター二人以外がしっかりシューターを追う

・ライブリーが相手を自由にさせない

 現状ツインタワーの時間だと、クリバーはシューターを追う役割になっていて、ペイントエリアを片割れのセンターが担当と、完全に分担されています。だったらスリーが入らないクリバーを起用する意味ってないんだよね。リムプロテクターがコートに二人いるっていうメリットを活かしたいなら、大前提としてクリバーがヘルプポジションからあまり動かなくても問題ないぐらい周りに守って欲しい。

 でもってギャフォードとライブリーはスリーに対してある程度は追いかけられないといけなくなります。ギャフォードはともかく、ライブリーはだいぶヤバい。ヤバいからライブリーの分までクリバーがスリーを追いかけまくって、結果ヘルプポジションを取れない。

ラインナップOFF/DEFレーティング

ライブリー&クリバー 121.1/117.6

ギャフォード&クリバー 106.1/111.9

 というわけでラインナップのレーティングも概ねそんな感じの数字になっています。ライブリー&クリバーの時は守れないけど、オフェンス面でプラスを作れています。ギャフォード&クリバーの時は守れるけどオフェンス面でマイナス。

パウエル&クリバー 122.2/105.9

 ちなみにパウエル&クリバーだと半端なく守れます。幾らセンターの層が厚いとはいっても、干さなくてもいいだろ。まあそうしたらライブリーのミニッツは10分とかになるんだろうけどさ。層が厚すぎるっていうのも考え物だ。

 

■一旦終わり

 元々クリバーについて書こうと思って色々と調べていたんだけど、3月だから結構忙しくて手がつけられませんでした。そうなるとレーティングとかの細かい数字が変わって来て、記事の内容を修正して、でも完成させる時間は取れなくて、また数字が変わって、みたいなループでぜーんぜん終わりが見えなかったので、一旦スタッツだけを纏めた記事にすることにしました。今後はこのスタッツを元にYouTubeの動画とかを引用して書こうかなーとか思っていますが、そっちも苦心しています。一体クリバーの活躍が文字になるのはいつになるのやら。

 

【23-24 RS-68】ナゲッツ戦雑感

 

 久しぶりの雑感スタイルです。レギュラーシーズンも残り15試合を切り、緊張感のある試合が増えてきました。特にウェストは1~3位が1ゲーム差、6~8位が今日の結果で0ゲーム差と超大混戦。その中で4位のクリッパーズと5位のペリカンズはその間に挟まれて、絶妙な立ち位置を保っています。このまま行くとどっちが4位になろうが5位になろうが対戦相手は変わらないんですが、ホームコートアドバンテージがあるから、欲を言えば勝ちたいところ。とはいえクリッパーズペリカンズも主力選手が怪我しがちっていう問題があるので、無理はしたくなさそう。ホームコートアドバンテージは手に入ったけど、カワイが怪我したとかなったら笑えないし。

 マブスは現状7~8位を行ったり来たりしており、何としても6位まで浮上したいところ。プレーインを回避したいっていうのと、現在3位のウルブスはKATが怪我したってことで、上位3チームの中では最も勢いを落としているチーム。優勝を狙うならウェスト6位っていうのは喉から手が出るほど欲しくなる順位。

 ただそうならなかった時のことも考えなければならないのが難しいところ。KAT離脱でウルブスの順位が上向くことはないと仮定した場合、ウェストの第一、二シードはサンダーかナゲッツのどちらかになるわけです。だからマブスが7、8位になった場合のことを考えると今回はプレーオフ前哨戦という立ち位置になります。

 結論から言うと、良い試合だったね。こんなに接戦の試合って久しぶりな気がする。ということで3点差以内で決着がついた試合をちょっと調べてみたんですが、

3点差以内で決着した試合(各シーズン3/18まで)

21-22シーズン 11試合

22-23シーズン 15試合

23-24シーズン 6試合

 数字にすると凄い違いだな。今シーズンは接戦の試合が異様に少なかったマブス。ちなみに最後に3点差で決着したのは2/28のキャブス戦、その前が1/30のマジック戦。5点差以内とかだったらもっと多いんだけどね。

 

■ギャフォードの話

 今日の試合はとにかくギャフォードが良かった。前回の記事で取り上げた「ギャフォードのポジショニングの修正が必要で、ハイポストでのプレーパターンを増やして欲しい」って部分が、ほぼ完璧に修正されていました。目ん玉飛び出るかと思ったぜ。

 最初のポゼッションでカイリーがプルアップでスリーを打ったシーン、ここでギャフォードがコートの左側を空けるように動いていました。カイリーのドライブコースを作る為なんですが、良いよね。でもここは数試合前から既に改善していた部分なので「ちゃんと学んでるんだなー」ぐらい。

 次のポゼッションではダンカーズスポットにギャフォードが立った状態でのドンチッチのドライブ。マブスに来た当初はここでヨキッチとポジション争いしまくってドライブする場所を潰していたんですが、ここでギャフォードはボールを要求せず。敢えて何もしないからこそ、パスを通される可能性を考えてゴール下のヨキッチもヘルプに行きづらく、イージーなレイアップになりました。

 10:15からのポゼッションでP&Rからパスを貰えなかったギャフォード。ここでもドンチッチより前を走り過ぎないようにしてドライブコースを確保。パスは来なかったんですが、右ウィングでボールを持ったDJJがドライブすると、DJJのドライブコースを空けるようにポジショニングを変えるギャフォード。DJJは外します。

 で、08:18のポゼッションね。スリップアクションでハイポストでボールを貰ったギャフォードがノータイムで右コーナーにパスを捌きます。DJJからのエクストラパスでワイドオープンになったカイリー。たださすがのナゲッツで、MPJがすかさずクローズアウトしてカウンタードライブを選択、ミドルをブロックされました。その後なんやかんやでギャフォードがダンク。

三日間で急成長したギャフォード

 ちょっと涙出そうになったね。徐々に改善してはいたけど、前回のウォリアーズ戦ではまだまだかなーって感じだったギャフォード。この三日間の間に一体何があったんだってぐらいに今日はハイポストの判断が良かったです。これはあくまでワンプレーですが、今日はずっとここのプレーチョイスが適切でした。何より積極的に自分で仕掛けようとしているところが良かった。しかもその仕掛けがフックシュートじゃなくてダンクっていうのがね。ちゃんと自分の強みを活かした駆け引きをしているってこと。ダンクに行こうとしてコーナーにパスを出すっていう、更に高次元な駆け引きも出来ていたし。

 恐らくこの三日間でフィルムセッションとかして改善したんだろうけど、人って三日でこんなに変われるんだね。歴史的な記録を残しながらそれに驕らず、本来の自分の強みではないプレーをチームの為に身につけたギャフォードの献身性には感服する他ありません。

8PTS 6REB 1AST FG 4/7(57.1%)

 ボックススタッツで見ると平凡な数字ですが、管理人的には33連続FGよりよっぽど価値がある数字だったと思います。+/-はちゃんとチーム二番目の+13だし。ちなみに最も高いのはDJJの+20。すげー。

ギャフォードOFF/DEFレーティング 114.6/89.4

 ギャフォードがいる時間のオフェンスが整備されたことで、今日の試合でギャフォードのOFFレーティングはDJJに次いでチーム二番目という数字。これまでの傾向とは全くの真逆です。

オン/オフコートTOV% 10.4%/14.0%

 これまた真逆の数字になったTOV%。ゴール下ではなくハイポストから積極的にボールを貰うようになった為、危険なパス回しが減ったことがこの数字に表れているように見えます。

 試合自体の面白さなら戦術の仕掛け合いが多かったペイサーズ戦とかの方が面白かったんだけど、今シーズン一番感動したのは今日の試合かもしれません。それほどギャフォードの献身性と向上心には胸を打たれました。これで次の試合で元に戻っていたら笑うけど、さすがにそんな事ないよね?

 ぶっちゃけギャフォードの話だけで終わっていいぐらいなんですが、一応他のことも書いとくか。

 

■その他

 個としての能力があまりに完成されている上に、それをチーム全体に波及することが出来るヨキッチ。彼とジャマール・マレーを中心にオフェンスを多様に展開していくのがナゲッツで、前回の対戦ではそれにアーロン・ゴードンが加わってゴール下でポンポン点を取られました。その上でヨキッチのシュートが止められない苦しさね。

 ただ最近のマブス、というかドンチッチは結構ディフェンスを頑張っています。なんで頑張り始めたのかは分からない。多分プレーオフとプレーインの瀬戸際になって緊張感が増しているからだと思います。まあ頑張っているといってもやることは基本的にゴール下↔コーナーを行ったり来たりなんだけど。

直近15試合ドンチッチ平均移動距離 3.28

 実際距離自体は変わってないしね。ちなみに10試合以上出場した選手の中ではリーグで下から二番目の数字です。一位、じゃなくて最下位はジェームズ・ハーデン。

 頑張る気持ちは良いし、ナゲッツも前回と比べてやりにくそうにしていたけど、同時に空回りしちゃっているのが今のドンチッチ。オフボールやスクリーンで崩せなくなったナゲッツはドンチッチを狙いまくり、ディフェンスでハッスルしたドンチッチですが、あんまり止められないっていうね。ちょっと不運なファウルもあった気がするけど。で、これがライブリーと並ぶとディフェンスの連携の悪さも相まって中々に苦しかったです。

 シーズン序盤はライブリーとDJJの連携が悪かったマブス。オフボールスクリーンなんかでシューターがポップアウトする時に「どっちが追いかける?」みたいな雰囲気になることが多かったし、リムアタックに対しては「どっちが止めに行く?」みたいになることもしばしばありました。要するにライブリーとインサイドのヘルプディフェンダーの連携が悪く、それがスタメンから外された理由のようにも思います。

 ただそのDJJが、今日はスクリーンに対してスムーズにスイッチ対応していたのが印象的です。ライブリーと並んで出ていないからっていうのは大きな要因だとは思うけど、ナゲッツを困らせるほどスムーズにやっていたのはちょっと驚いた。多分誰かが何かしらの指示をしているってことなんだろうけど、一体どういう指示を出しているのか非常に気になります。こればかりは現地の最前列とかじゃないと分からないか。

 

 今日の試合で勝敗を分けたのはヨキッチがいない時間。マレーがコントロール役になってオフェンスを仕切るんですが、マブスディフェンスの連携の良さで思うように崩せなかったからか、マレーの1on1シチュエーションが多くなりました。そこでもう少しマレーが決めていればだいぶ話は違った。まあドンチッチの助けもあって、言うほど深刻な問題でもなかった気がするけど。

 おまけにヨキッチもシュートを落としていたので、そもそもが苦しかったナゲッツ。センター陣のディフェンスが効いていたような、いないような。それでもMPJ、ゴードン、レジー、ブラウンと次々に得点源を作る多彩さはさすがとしか言いようがない。そうやって試合を繋いで第4Qにマレーが爆発、見事に第4Qギリギリで追いついたわけです。無理やり勝ち筋を作ってくる集中力は文句のつけようがないマレー。同時に管理人がナゲッツファンなら「もうちょい早くスイッチ入れろよ」と言いたくなるマレー。

 試合を見た感じ、ナゲッツに通用するとは思ったけど、プレーオフで勝てるとまでは思えない内容でした。マブスナゲッツの連携を消していたのは非常に良かったんですが、連携を消されたとしても個人の力で試合を決めちゃうのがヨキッチとマレーだからなー。それが勝てると言い切れない部分。まあうちに限らず、どのチームだってそうか。

【雑談】ダニエル・ギャフォードの33連続FG

 

 33本連続FG達成という偉業を成し遂げたギャフォード。連続FGの歴代記録はウィルト・チェンバレンの35本だったので本当に惜しかった。記録があるところにはどこにでもいるなこの人。

 連日FGを100%で決めていたギャフォード。一方で彼がコートにいる時のオフェンスはかなり苦しさを感じていました。本人のシュート効率は良いのにね。

直近15試合ギャフォード

オンコートOFF/DEFレーティング 112.7/113.4

オフコートOFF/DEFレーティング 121.4/113.2

 とはいえこんなに苦しいかね。精々下がっても5ぐらいのものかと思っていたけど、レーティング差は8.7でした。直近15試合でフィルターを掛けると、ギャフォードがコートにいる時間のオフェンスはリーグ18位、いない時間はリーグ2位です。その分ディフェンスで強みを作れているかと言われるとそうでもないし。ちなみに15試合っていうのは、ギャフォードがマブスに来てちょうど15試合経ったから。以降の数字は断りがない限り全て直近15試合のものです。

オンコートTOV%/EFG%/TS% 14.7%/55.6%/58.4%

オフコートTOV%/EFG%/TS% 10.7%/59.7%/62.5%

 ギャフォードがいる時間はTOV%、EFG%、TS%のどれもが悪化しています。まあEFG%なんかは「シュートタッチが悪い」で無理やり片付けることが出来なくもないんですが、TOV%に関してはちょっと見過ごせない。元々リーグトップレベルにターンオーバーが少なかったマブスなので、明らかな異変と言えるでしょう。

オンコートFG%/3P% 49.4%/29.8%

オフコートFG%/3P% 51.7%/40.6%

 で、見過ごすつもりだったFG%と3P%。ギャフォードがいる時の2P%は63.4%とさすがの高さですが、割に合わないぐらいスリーを外しまくっています。シュートが外れるからOREBが多いわけだ。これらをまとめると、

・ギャフォードがいる時間はターンオーバーが多い

・ギャフォードがいる時間はスリーが入らない

 これらの要素がOFFレーティングの悪化に繋がっているといえます。なんで? っていうと彼がマブスに来た時からずっとそうだったんですが、ポジショニングの悪さだよね。

 

■ギャフォードのスコアリング能力

 ゴール下のシュート、というかダンクを驚異的な確率で決めることが出来るギャフォード。今シーズン全体での話ですが、ゴール下で平均2本以上シュートを決めている選手の中でギャフォードのFGは75.8%でリーグ5位です。ちなみに1位はジェームズ・ワイズマン、2位はライブリー、ジェイレン・スミス、ケビン・デュラントと続きます。その5選手の中で最もアテンプトが多いので、まあ微々たる差です。

 一方でゴール下のシュート以外に武器になるものがないギャフォード。制限区域内のシュートを今シーズン73.6%で決めているのに対して、ペイントエリアのシュート、所謂プッシュショット系になると47.4%まで確率が落ち込みます。とはいえそんなに悪くはない。だからシュート自体はそこそこ上手いんだけど、問題はそれを活かせていないってこと。

 マブス加入直後のギャフォードはペイントエリアで押し込めずにフックシュートを打って入ったり入らなかったり、みたいな何とも言えない感じでした。だからゴール下のシュートを増やしてほしいと思っていたんですが、それはあくまで自らショットクリエイションして欲しいってことでした。それをパスで解決しようとしているのが今のマブスです。

 スクリーンからのダイブでいち早くゴール下に走って行くギャフォード。そこでパスが通れば楽に点が取れるわけですが、そう簡単にやらせてくれるはずもなく。大抵のチームはハンドラー→ギャフォードへのパスコースを潰すようにポジションするし、パスを通されたとしてもノードリブルでダンク出来るような位置に来させないようにペイントエリアから押し出そうとします。サンダーはガードの機動力と、サイズの割にフィジカルが強いディフェンダー集団でこれを成り立たせていました。ウォリアーズはポジショニングが広すぎてギャフォードにフリーレーンを作りまくっていました。ブルズはハナから無抵抗だった。

 そういう風に守られてパスが通らないとギャフォードはダンカーズスポットに立つんですが、あまりにもパスを貰いたさそうにしているわけです。そもそもダンカーズスポットにセンターが立つシチュエーションっていうのは、ただでさえ5アウトに比べてドライブしづらいのに、その上でノードリブルでダンク出来る位置に来られると窮屈なんてもんじゃない。必然的に2Pが全体的にタフショット気味になるんですが、それでギャフォード以外の2P%が57.9%なのはエースの強さとしか言いようがないです。

ラインナップOFF/DEFレーティング/TOV%

ドンチッチ&ギャフォード 111.7/107.1/14.2%

カイリー&ギャフォード 108.2/117.7/14.7%

ドンチッチ&カイリー&ギャフォード 107.4/110.2/14.0%

 一番割を食っているのがカイリー。シーズン全体で見るとカイリーのオン/オフコートでのNETレーティングは4.0/-1.2なのでカイリーがいないと苦しいって数字でした。ただギャフォード加入以降は1.9/12.9と、カイリーがいない方が圧倒的に楽っていう数字に。いてもプラスだからまあ悲観するほどではない。インサイドのスペースがなくなって確率の悪いミドル中心になったっていうのはなんとなく分かるんだけど、ディフェンスがどうした? って感じの数字なのが気になります。

 

 ゴール下でボールを貰えれば無双できるけど、そう都合よく渡すことが出来ないのがギャフォードがいる時間の苦しさ。で、ゴール下でボールを貰おうとリングに近いところでもがくから、余計にドライブしづらくなって苦しくなるっていう悪循環。

ライブリー

オンコートOFF/DEFレーティング 121.6/115.8

オフコートOFF/DEFレーティング 114.3/115.6

 一方でFG%でいえばギャフォード以上に優れているライブリー。その彼がいる時間は真逆の数字を残しています。同じセンターなのにこうも違うのか。

ラインナップOFF/DEFレーティング/TOV%

ドンチッチ&ライブリー 131.2/116.0/10.2%

カイリー&ライブリー 121.4/120.2/10.2%

ドンチッチ&カイリー&ライブリー 126.6/121.7/10.9%

 気になるのはTOV%の低さ。ライブリーがいる時間は極めてTOV%が低く、リーグトップに躍り出ます。まあチーム歴の差といえばそうなんですが、11月のドンチッチ&ライブリーは13.1%、カイリー&ライブリーは11.3%。チーム歴どころかリーグ歴が一か月程度の時点でこの数字と考えると、ねえ。

 

■引き出しの多さ

 ライブリーとギャフォード、二人の違いといえばこれ。デビュー戦からワイドにパスを捌ける視野の広さがあったライブリー。スリップアクションからボールを貰ってコーナーにパス→スリーっていう展開は、他チームにとって驚異的ですぐに対策されました。で、今のライブリーは同じシチュエーションから1on1で点を取りに行くことが増えました。

ライブリーのフックシュート 18/33(54.5%)

 これはシーズン通しての数字。サイズと柔らかいシュートタッチを活かしたフックシュートは止められない武器になっています。その上でディフェンダーと駆け引きしながらパスを捌けるので、あまりにも優秀過ぎます。ウェンビーがいなかったら余裕で新人王だろ。じゃあギャフォードはどうなのかというと、

ギャフォードのフックシュート 19/34(55.9%)

 寧ろライブリーより良いんだよね。ということでシュートタッチの柔らかさに有意差はない。ちなみにフックシュートを引き合いに出しているのは、あくまでシュートタッチの比較の為だけで、それ以外の理由は特にないです。

 ペイントエリアでの柔らかいシュートタッチを持っていて、その上でライブリーに及ばないまでもサイズがあるんだから、ここの差がOFFレーティングに影響しているとは考えにくい。というかそれ以前にギャフォードは

そもそも1on1を仕掛けたがらない

 ギャフォードはそもそもハイポスト近辺のプレーを避けている印象です。最初の数試合、妙にハイポストでボールを要求しないし、貰ってもゴール下まで押し込むことなくフックを打ってしまう。そんでもってドンチッチを置き去りにしてダイブしてパスを貰おうとしている場面が目立ちました。自分のゴール下での得点力に自信があるのは良いんだけど、それに固執し過ぎているのがオフェンスのリズムを崩しています。ゴール下で貰いたがるっていうのは自分の得点力への自信からか、ゴール下以外でのプレーに自信がないことの裏返しなのか。誰でも自分の得意分野で戦いたいっていうのは理解できるし、それがずっと出来るのが理想なんだけどね。

 で、ここがライブリーを評価できるところでもあります。ライブリーはゴール下での確率がギャフォードと遜色ないレベルですが、それに固執せずにあらゆる役割をこなそうとしています。若いし、自分の力を誇示したがってもおかしくないのにね。出来るけどやり過ぎないライブリーと、出来るけどやり過ぎなギャフォード。言い換えるとエゴのないライブリーとエゴイストなギャフォード。

 今のマブスは「ゴール下のギャフォードにパスを通す」オフェンスなんですが、これが簡単にはいかなくて困っています。トップからゴール下にパスを通すのと、ハイポストに通すのでは単純にパスの長さが違うし、パスが長くなればなるほどカットされやすくなるし。カットされないパスを出す為には精密さと確実なポジショニングが必要になるので、ギャフォードの得点っていうのはパサーの能力に依存します。サンダー戦とか何回ギャフォードへのパスのところでターンオーバーしたかって感じです。

ドンチッチからのパス FG 2.1/2.8(74.4%)

カイリーからのパス FG 0.5/0.9(58.3%)

THJからのパス FG 0.6/0.8(72.7%)

 ここでもドンチッチのアシスト能力が冴えるわけです。THJはどうしたって感じ。ギャフォードのスコアリングを上手く活かしているドンチッチですが、活かした上でこのOFFレーティングだから、まあ苦しいよね。

 

■スリーの不調

 ギャフォードがいる時間はスリーが入らないという数字を「シュートタッチが悪い」で片付けるのは簡単ですが、それもおかしな話ではあります。いない時間の3P%は40%を超えているからね。特定の選手が入るだけでシュートタッチが悪くなるってちょっと考えにくい。ということでそれ以外の理由がありそう、というかあります。

 ギャフォードがゴール下にポジションすることでハンドラーのドライブスペースがなくなると、いざドライブを仕掛けた時にゴール下まで侵入出来ず、ペイントタッチ出来るかどうかぐらいの場所で止められます。そうなると十分にディフェンスを収縮出来ず、キックアウトパスを出しづらくなります。出せたとしてもワイドオープンを作れないので、無理やり打って外してしまう。

ゴール下→3Pの連動を生めていない

 最近はスリーを有効に打つ為に、ギャフォードをスクリーナー兼OREB役にしてシューターに打たせるセットなんかを使っています。これがTHJのパスがギャフォードに対して有効に働いている……かはよく分からない。何なんだ君は。ただこれも結局3Pラインでボールを回し続けているってことなので、それこそシュートタッチの要素が強くなりがちです。外れた時のケアをギャフォードのOREBで補おうとしていますが、毎回取れるわけでもないしね。付け焼刃って感じのセットです。

 ここでちょっと視点を変えてみましょう。ハンドラーがドライブするスペースがないなら、最初からギャフォードに使わせればいいじゃん。ゴール下に渡すのは難しいけど、ハイポストになら比較的安全に捌けるから、

ハイポストでギャフォードに渡して、突っ込ませればいいじゃん

 そしたら今みたいなターンオーバーは減るし、ギャフォードのゴール下は強いし、ハンドラーは楽できるし、一石三鳥じゃん……とは思うんですが、そこが上手くいっていません。ハイポストでパスを中継する時の判断がちょっと遅く、中々ワイドオープンを作れず時間がなくなってしまいます。まあウッドの二倍ぐらいは早いけど。でもウッドみたいに個人でガンガン点は取ってくれない。こう書くとPJと悩みの種は似ているんですが、PJは物足りないのに対し、ギャフォードはそもそも仕掛けられないので全く違う悩みです。

・ゴール下へのパスでミスが多い

・ワイドオープンを作れない

・ドライブが出来ない

 ここら辺がギャフォードがいる時間のオフェンスの課題。これら全てに「ゴール下で貰いたがり過ぎる」ギャフォードのポジショニングが関わっているので、プレーエリアの整理が必要だと感じます。現状ハンドラーとギャフォードでゴール下のエリアを奪い合う形になっているし。

 ドライブコースを確保してからのダイブ、又はドライブコースを作るスクリーナーになるようなプレーがオフェンスの伸び代って感じです。スクリーンの分厚さはペイサーズ戦でネムハードに効きまくっていたから、充分強力な武器になります。

 もしくはゴール下よりも安全にパスを貰えるハイポストでのプレーを増やすか。これが管理人的には本命です。増やすっていうか、

ハイポスト→ゴール下に自分で運ぶ

 言い換えると「ハイポストで1on1しろ」ってことです。この距離をパスでどうにかしようとしているから上手く行っていないわけで、ギャフォードが自分で何とかしてくれたら何の問題もありません。幸いその駆け引きに使えるぐらいには柔らかいシュートタッチがあるわけだし。ドンチッチもパスを捌くだけでいいから楽できるしね。

 現状ギャフォードのハイポストでのプレーは①ワンドリブルからのダンク②フックショット③パスの概ね3つ。ワンドリブルからのダンクはフリーレーンになっていたら気持ちよくやってくれるんだけど、一人でもディフェンダーがいたら途端に消極的になります。そうなるとフックショットを打ちがちだし、駆け引きせずに打とうとするからヘルプも来ない。来ても適切には捌けていない。

 多少強引でもいいから自分で突っ込んで思い切りダンクしてほしいんだけど、そうやってドリブルをつくとポロッと落としちゃうこともあるギャフォード。上手くいかないね。

もっと自分で頑張れ

 言いたいことはこれです。超単純。もっと自分から駆け引きに持ち込め、もっと積極的に1on1しろって感じ。難しいのはドンチッチが凄すぎて、ロールプレイヤーは時に何もしなくても簡単に点が取れちゃうんだ。それが所謂ドンチッチ依存に繋がるわけです。ドンチッチも自分で何でもやりすぎてしまうフシがあるし。

 おそらくウィザーズでは自分の1on1で駆け引きするようなプレーをやってこなかったんだろうね。PJとかはマブスに来た時からやっていたし。だからそもそも慣れてなさそうなギャフォードです。ただ1on1で駆け引きする能力ってあと一ヶ月かそこらで解決できる課題なのかね。

 そういう経緯から、今のパスと苦しいドライブ中心のオフェンスを展開していそうなギャフォードの時間です。これで懲りずにゴール下に籠もり続けられたら困るんだけど、ここ数試合はハイポストでボールを貰ってシューターへパスを出そうとキョロキョロしているシーンが多いです。ということで向上心は感じます。それがいいよね。口先だけならなんとでも言えるけど、プレーにちゃんと表れているから。毎年のように進化し続けるNBAで、一番必要なのは向上心だと思っている管理人なので、それが伺えるギャフォードにはそこそこ期待しています。オフにどのぐらいレベルアップ出来るかが、一巡目指名権を出すに値したかの評価基準かな。

 

 

■余談

 余談ですが、管理人がドンチッチと最も相性が良いと思うビッグマンはバム・アデバヨ。オフェンス面もそうですが、ビッグマンのサイズで広い範囲をカバーできる守備範囲の広さが、動きたがらないドンチッチと上手く補完出来そうって意味で。

 ただ「オフェンスでの相性の良さ」って考えると、モントレズ・ハレルが凄く気になります。1on1のスコアリングが特徴というレアなビッグマンで、そのスコアリングっていうのが正面からのドライブっていうのが魅力的です。ロールマン+1on1能力、このどっちかしかないのが普通なんですが、どっちもあるのが良いんだよね。ただリーグにはもういないっていう。今だと近いのは八村とかなのかな。P&R出来るかは知らないけど。

【雑談】PJワシントンとクリスチャン・ウッド

 

 マブスがPJワシントンを獲得したという記事を見た時、管理人は肯定も否定もなくって感じでした。いや、一巡目指名権を出したからどちらかといえば懐疑的だったかな。

 ラメロをドラフトしたシーズンこそ勢いがあり、プレーインにも出場したホーネッツでしたが、それからはずっと下り調子で結局最後にプレーオフに出たのは2015-16シーズン。つまりずっと弱いチームの選手、しかも今年に関してはそのチームのベンチメンバーだったPJを、強豪セルツのローテーションプレイヤーだったグラント+一巡目指名権で獲得したっていうのは、字面だけ見たら釣り合っていないように見える。それがPJを信じにくかった理由です。で、今はどうなのか。それを話す前に数字を見ていきましょう。

PJワシントン

31.8MIN 11.8PTS 5.4REB 1.4AST 1.0STL 0.8BLK

FG 4.4/10.1(43.8%) 3P 1.7/5.6(29.9%) FT 1.3/1.8(71.4%)

 マブスに来てからの12試合で残した数字です。気になるのは得点効率。FG 43.8%っていうのはPJのこれまでのキャリアと比べると特別低いってわけではないんですが、そもそもがちょっと低すぎる感があります。FG%を下げている要因っていうのがスリーの効率の悪さです。

EFG 52.3% TS% 54.5%

 これがPJのEFG%とTS%です。15分以上出場した選手でフィルターを掛けた時、EFG%は486人中309位、TS%は345位と平均以下の数字です。当然どちらもマブスのチームスタッツと比較したら悪い数字で、得点効率の話をするとグラントからグレードダウンしたように思えます。

PJワシントン

オンコートOFF/DEFレーティング 118.8/115.5

オフコートOFF/DEFレーティング 114.6/114.0

 その割にオンコートのOFFレーティングは高いです。オフコートのレーティングが低くなるのはよく分からない。単純にPJがドンチッチと一緒に出ている時間が多いからな気がします。

グラント

オンコートOFF/DEFレーティング 113.5/117.4

オフコートOFF/DEFレーティング 118.4/114.5

 こう見るとまあ合わなかったよね。グラントがいるとオフェンスは困るし、守れないし。グラントはとにかくドライブを止めることが出来ませんでした。そもそもスピード対応よりフィジカル対応に強みのある選手ではあるんですが、にしてもスコ抜きされまくりました。インサイドへの侵入を止めることを基本としているキッドとはあまりに合わないわけです。ただ彼が22-23シーズンにいたらちょっと面白そうだったんだよね。やっぱりマブスに来るのが一年遅かった気がするグラントでした。

 ということでグラントと比較すると攻守に機能しているPJですが、なぜこのようなことが起こっているのか。

 

■ウッドの話

 唐突ですがここでクリスチャン・ウッドの話です。22-23シーズンに獲得し、一シーズン限りでお別れとなった彼ですが、なぜそのようなことになったのか。

クリスチャン・ウッド

25.9MIN 16.6PTS 7.3REB 1.8AST 0.4STL 1.1BLK

FG 5.9/11.5(51.5%) 3P 1.6/4.2(37.6%) FT 3.2/4.2(77.2%)

 PJより少ないミニッツで立派な数字と得点効率を残したウッドですが、数字に残らない部分があまりに酷かった。

オンコートOFF/DEFレーティング 115.4/116.7

オフコートOFF/DEFレーティング 114.6/113.6

 OFFレーティングはウッドがいた方が良かったものの、別にいなくてもそれほど悪くはならず、寧ろディフェンスのマイナスを見るといない方が良かったという悲しい数字です。

 1on1で止める能力はそれなりにありましたが、チームディフェンスとなるとかなりまずかったウッド。ヘルプ&ローテの連続でインサイドとスリーを守るシステムで、ウッドはワンポゼッションでどちらかしか出来ませんでした。ヘルプしてキックアウトパスが出ると追いかけられないし、ローテーションした後は戻らないし。出来なかった理由はアジリティ的な問題か、判断の遅さの問題か。シーズン終盤には多少改善を見せていたので、多分判断力の問題だろうね。

 ディフェンスの穴がウッドだけだったら何とかなったかもしれないけど、ドンチッチと並ぶことでどうにもならなくなりました。シーズンの最後の方でゾーンディフェンスのリムプロテクターにしたら誤魔化せるかと思ったけど、ボールマンに寄りたがって裏のスペースを使われまくっていた気がします。ビッグマンだけどフィジカルが強いわけではないので、ちゃんとしたセンターには力負けするし。

 で、PJの話に戻ります。PJは身長201センチ、体重104キロ、ウィングスパン219センチと、ウィングの身長ですがインサイドでも戦える体重とビッグマン並みのウィングスパンを持った選手です。対するウッドは身長206センチ、体重101キロ、ウィングスパン222センチ。

非常に似たボディフレームの二人

 どちらも純粋なセンターには力負けするものの、ウッドは身長的にビッグマン寄り、PJは体重的にビッグマン寄りなウィングといえます。どちらかといえばっていう話ですが、要は大体同じ体の二人なわけです。にも関わらず二人のオン/オフのDEFレーティング差がPJは-1.5、ウッドは-2.9と約二倍の開きがあるのか。ちなみにどっちもマイナスであることは目を瞑ります。

 二人のディフェンスの差はぶっちゃけヘルプ&ローテが出来るか出来ないかでしかないんですが、これが途轍もなく大きい差なわけです。PJはヘルプディフェンスでドライブコースを絞りつつ、パスが出たらすぐに追いかけられます。

23-24 PJディフェンス移動速度 3.82

22-23 ウッドディフェンス移動速度 3.73

 ということでPJの方がディフェンスでよく動いています。3.82と3.73という数字自体は大きな差ではないんですが、二人の出場時間の違いを考慮すると明確に違いがあるところです。

 ここまではPJとウッドのディフェンスの違い。言い換えると気が利くか利かないってことなんですが、それはオフェンスでも違いを作っているところです。

 

■スリップアクション

 キッドがオフェンス面で重要視しているのがスクリーンからのスリップアクション。ドンチッチ→スクリーナーへパス、スクリーナー→シューターへパスか1on1で点を取るみたいな形のことです。

 このスリップアクションはP&Rのカウンタープレーとして有効に働きます。スクリーンに対してディフェンスがハンドラー側に寄り過ぎると、スリップしたスクリーナーがミスマッチの状態でペイントエリアの1on1に持ち込めるし、数的有利が生まれるのでキックアウトパスでワイドオープンのスリーに繋げることも出来ます。だからといってスリップを警戒し過ぎてハンドラーへのプレッシャーが落ちると、シンプルにスクリーン→プルアップスリーが打ててしまうと、守る側としては一瞬の判断を求められる厄介なプレーです。

 スリップアクションからの展開っていうのはディフェンスにとって判断が難しいプレーであると同時に、オフェンスとしても難しい判断を迫られるプレーでもあります。プルアップで打つか、パスをするかの判断を一瞬で求められるし、スクリーナーはパスを貰える位置にいないといけないし。ただそこはさすがのドンチッチ。スリップアクションでダブルチーム気味にこられても冷静にパスを捌くし、捌く為のパスコースを幾つも用意しています。かといってそっちに気を取られ過ぎていると感じたらプルアップでガンガン打ってくるし。

スリップアクション=ドンチッチの能力と相性が良い

 今となっては割とどのチームもやっているプレーではありますが、ドンチッチほどこのプレーと相性が良いチームもないだろって感じです。で、カーライルがHCだった時はこのプレーが今以上に活発でした。クリバーがパスの中継役になっているシーンは大体この展開の時だったしね。

 で、キッドはこのスクリーナー役にウッドを使っていました。そして全然上手くいきませんでした。スリップアクションを成立させる要素には「パスの貰い方」と「貰った後の判断」があり、前者はドンチッチの個人技で解決してくれました。ただ貰った後の判断が遅いし悪かったウッド。目の前にディフェンスがいない時は気持ちよく飛び込みますが、一人でも誰かついていると途端に困り出しました。困りに困ってキックアウトパスを出すけど、判断が遅すぎて数的有利が解消されていたり、何ならウッド自体にヘルプが来てボールをもぎ取られたり。

オンコートTOV% 12.8%

オフコートTOV% 11.9%

 そういう事情からか、ウッドがいる時はターンオーバーがやや多くなりました。ディフェンスでもそうでしたが、総じて頭を使うプレーが軒並みダメそうなウッドと、オフェンスでもディフェンスでも素早く的確な判断を求めるキッドなので、まあ相性は最悪と言っていいでしょう。救いがあったのは困っても個人技でギリギリ誤魔化せたことと、スリーはちゃんと上手かったことかな。

 

 なぜここまでウッドの話をしているかというと、PJを見ているとウッドを思い出したからです。背格好が似ているし。背格好は似ているのにやっていることは真逆だから面白い。

 PJが加入してから、徐々にスリップアクションからボールを渡す形を増やしたキッド。同じ形でボールを渡すと迷わず1on1を仕掛けるし、キックアウトパスの判断も早い。ボールを貰ってから平気で3秒ぐらいぼっ立ちして、そこからドリブルを突いて1on1を仕掛けだすこともあったウッドなので、ギャップが凄いです。その1on1もフィジカルの強さ以上に多彩なステップワークとシュートで駆け引きするタイプなのでここもウッドと違うところです。ウッドは無理やり突っ込んで無理やり決めるのでシューティングファウルも多かったのに対し、PJはフックシュートを駆け引きの道具にして自分のシュートを打ち切ることを大事にしている印象です。そのフックシュートを左手でも打てるから器用だよね。こう書くとPJの方が明確に優れているように見えるんですが、そうとは言い切れないのが難しいところです。

ウッド2P 4.3/7.3(58.9%)

PJ2P 2.7/4.5(60.0%)

 連携というところでは最悪だったウッドですが、連携が上手いPJと2Pの確率はそれほど変わりません。フリースローを加味すると寧ろウッドの方がちょっと良いようにも思います。つまり個人技でどうにかしていたってことです。それを考えるとちょっと物足りない気がするPJ。ちなみにPJの数字はマブスに来てからの数字。

ウッド3P 1.6/4.2(37.6%)

PJ3P 1.7/5.6(29.9%)

 スリーに関しては明確にウッドの方が上手いと言えます。というかPJの3P%が年々下がっているのが謎。謎っていうか、起こっていることはアテンプトは年々増えているけど成功数は変わっていないっていう現象なんだけど、なぜそうなっているのかが分からない。入らない時は平気で横にズレまくるので、そもそも技術として確立しきれていないのかなーって印象です。

 ボディフレームはほぼ一緒、なのに色々な意味で真逆のウッドとPJ。ウッドは総じて判断力が伴うプレーはダメダメだけど、それを誤魔化せるぐらいの個人技とスリーの上手さがあります。対するPJは判断の早いプレーと多彩さが持ち味だけど、個人技っていう部分ではちょっと物足りなさがあるし、スリーは入らない。

 ウッドを見ていた時は「もっと判断が早ければなー」と思っていました。で、いざPJが入ると「ウッドみたいな強引さがあればなー」と思うわけです。管理人的にはPJはかなり期待しているし、キッドも相当気に入ってそうです。ただやっぱりスリーの確率が気になるところで、PJ+センターの形にした時にスペーシングがかなり不安。そのセンターをクリバーにして解消させようとしていますが、クリバーも入らないからな。ある意味オフェンス面ではウッド以上に采配の難しさを感じる選手です。

【23-24 RS-62】ペイサーズ戦雑感

 

 ありがたいことにこの一週間忙しすぎてブログを更新していませんでした。ラプターズ、セルツ、シクサーズと割と面白い試合が続いていたのでちょこちょこ書いてはいたんですが、今更出してもって感じだし。特にシクサーズの変貌ぶりは面白かったんだけどなー。

 ということでペイサーズ戦。前回の対戦では一つの試合につき約15000字というボリュームだったんですが、今日はだいぶ少なくなりそうです。というのも前回のアジャスト合戦でお互いの手の内を晒した状態での試合になるし、その結果マブスは「エースの個人技で決める」って感じになりそうだったからです。個人レベルの技術の話になるとハイライト見てればいいので、敢えて事細かに文章に起こす必要はない。ということで、早めに書き終わりそうな今回の記事です。

 

■第1Q

 サイズの小ささを活かしてスクリーンを無効化する新しいタイプのディフェンダーであるアンドリュー・ネムハード。前回は彼の存在がスクリーンからのミスマッチを狙いたいマブスに効きまくりました。ということでこれに対するアンサーが必要なんですが、マブスは至ってシンプルに1on1で狙いまくりました。

 最初の2ポゼッションはカイリーにネムハード、ドンチッチにはアーロン・ネスミスをマークさせるペイサーズ。ネスミスはあっさりライブリーのスクリーンで剥がされます。マサリンとは大違いだ。これを見てかその後ドンチッチ対ネムハードの形に仕向けるペイサーズでしたが、ここでドンチッチはポストアップを選択。どう見ても1on1で守れるボディフレームじゃないネムハードなので、相手の苦手分野のディフェンスをさせたがったわけですが、ここが上手くハマりませんでした。

 上手く行かなかった要因はドンチッチのパスミスとか、パスを連続で繋がせない程度にやるペイサーズのヘルプディフェンスの上手さとか色々あるわけですが、意外とフィジカルで耐えられるネムハードの存在が大きかったです。本当にいやらしいな。

 それでも点差を離されなかったマブスネムハードを狙うっていう作戦は思うようにいかなかったものの、速攻――つまりJGでどうにか誤魔化しました。ここで早々にネムハードを下げたカーライル。ぶっちゃけ下げた理由はよく分かりません。別にネムハードのところからやられたわけでもないし。ネムハードが耐えられなくなってヘルプで守らざるを得なくなる状況が嫌だったのかな?

 で、ネムハードがおらずギャフォードがいるって状況になると簡単にスクリーンで剥がせるペイサーズ。ここでハンドラー対センターのミスマッチが生まれ、その結果ペイサーズはヘルプせざるを得なくなるっていう。先手を打った結果、結局ヘルプディフェンスせざるを得なくなったペイサーズでした。先手を打ちすぎるのも考え物だ。まあ多分ただのプレータイム管理なんだろうけど。ペイサーズがヘルプしてくれることでスリーまで展開出来るようになったマブス

06:16以前マブス3P 3/3(100.0%)

06:16以降マブス3P 2/10(20.0%)

 06:16っていうのはネムハードがベンチに下がったタイミングです。ネムハードがいる間は3/3で決めていましたが、以降2/10という酷い数字。

 パスを展開させることを嫌がったペイサーズなので、06:16以前の3Pアテンプトはたったの3本。しかもうち二つはドンチッチとカイリーがプルアップで打ったものです。もう一つはPJのトランジションスリー。そこから狙い通りにパスを繋いでスリーを打たせることには成功したものの、まあ入らなかったね。さすがにスリーが入らないことまでマネジメントするのは不可能だ。

THJ FG 2/8(25.0%) 3P 2/5(40.0%)

 この人は調子悪いねー。オールスター明けからFG 33.8%、3P 29.3%とずっと低調です。3Pの不調に引っ張られて2Pの成功率まで悪化している感じです。

 そもそもカイリー、THJと役割が被っている上に、そのポジションで経験を積ませたいハーディがいるっていう今のロスター構成はどうなんだって感じです。ハーディを抱えておく必要性を全く感じません。22-23シーズン後にカイリーと契約したならTHJは放出しないとハーディにプレータイムが与えられるわけがないのにね。

 だからこのTDLでこの三人の誰かをトレードするべきだと思っていたんですが、それはしないハリソン。ぶっちゃけ今のTHJを指名権なしでトレードするのは相当厳しそうだし、交渉してもがっつり足元を見られそうなんですが、指名権はPJとギャフォードの獲得に使うっていうね。指名権の使いどころがそこ? って感じです。

 心なしかTHJに対してブーイングが飛んでいるような気がする第1Q。と思ったらスティールしてトランジションスリーを沈めます。スティールしたのはギャフォードに見えたし、バウンドしたスリーをギャフォードがティップインしたように見えたけど、3点でカウントされます。本当に色々と迷惑なTHJだ。

 

■第2Q

 プラン通りに構築出来たけど、実行は出来なかったマブス。ということでドンチッチの個人技頼みになっていきます。スクリーンでジェイレン・スミスとの1on1に持ち込んでいじめまくります。

第2Qドンチッチ 19PTS FG 7/10(70.0%) 3P 3/5(60.0%)

 スミスに対してお得意のステップバックスリーを駆け引きに使い、完全に個人技でオフェンスを繋ぎました。スミスがきつくなってきてネスミスがファイトオーバーでついてきても、お構いなしに個人技。ネムハードがつくとスローダウン。

 凄いのはこれだけ点を取りながらも、オーバーヘルプに対しては冷静にパスを捌き続けたことです。その上で1TOなんだから文句のつけようがないよね。ちなみにターンオーバーはネムハードにやられました。

第2Qドンチッチ以外 FG 7/12(58.3%) 3P 1/4(25.0%)

 そのパスもあってかスコアリング自体は割と好調でしたが、追いつくには至らない。

第2Qスコア 39対38(ペイサーズ1点リード)

 ドンチッチが12分間死ぬほど頑張ってもぎ取った38点を、このクォーター6分程度しか出場していないハリバートンとTJマッコネルたちがそれ以上の点で応えます。見ていて悲しくなったね。

 

■後半

 後半は自身の引力を使って味方にプレーを促すドンチッチ。スターパワー炸裂でパスを回すことには成功するんですが、相変わらず頼りないチームメイトたちでした。

第3Qドンチッチ 6PTS FG 2/9(22.2) 3P 0/4 2TO

第3Qドンチッチ以外 12PTS FG 4/14(28.6%) 3P 1/4(25.0%) 2TO

 明らかに不調だったドンチッチ。そこを他のチームメイトに助けて欲しかったところでしたが、どうにもなりませんでした。JGはオフェンスファウルで2TOするし、苦しい時にディフェンスで耐えられるチームでもないので、この時点でほぼ決着って感じです。第4Qになると復調の兆しを見せましたが一歩も二歩も及びませんでした。

 ちなみに第4Qはカイリーが無理やりプルアップでスリーを打って決めたおかげで、ヘルプに来たがらなかったペイサーズ。その影響でギャフォードにロブパスが飛びまくったんですが、ここで意固地になって守りきろうとしなかったのはペイサーズの試合運びの上手さだね。ペースダウン+オーバーヘルプを避け、代わりにローテンポな2点は許していました。その分のエネルギーをオフェンスに費やすことで点差を離させてくれないっていう、まさに攻撃は最大の防御って感じ。

ドンチッチ 39PTS 10REB 11AST 5TO

 チーム二番目に悪かった+/-となる-18を記録したドンチッチ。まあそうだろうね。キッドがドンチッチに60点取ることを求めて取れなかったような試合でした。ターンオーバーが多かったのが印象的ではありますが、チーム全体として多かったシクサーズ戦と違って、今回はチームとしては9TOなので気にするほど悪い数字でもない気がします。これは数字の印象。

 実はオールスター明けからめちゃくちゃディフェンスを頑張っているドンチッチ。ガードのドライブを止めきるスピードはないけど、フィジカルの強さでドライブコースを絞ったり、フォワードに対しては普通に止めたり。全くの別人みたいな動きなんですが、それがオフェンスに悪影響を与えているような気もしています。以前とは別人みたいなディフェンスをするようになった代わりに、以前とは別人みたいなしょうもないターンオーバーをするドンチッチ。

オールスター前OFF/DEFレーティング 117.5/116.2

オールスター後OFF/DEFレーティング 118.4/126.0

 その割にDEFレーティングが良くなるどころか、10も悪化しているんだからやってられないよね。ドンチッチが頑張ったところで守れないマブスでした。

 とはいえこれは采配の悪さでもあります。後半は疲れからかシュートも入らないし、ディフェンスでも動けなくなってきたドンチッチなので、第3Qはもっと早くドンチッチを下げるべきだったと思います。というか第2Qの残り3分ぐらいからだいぶ怪しかったので、その時点で下げてよかった。でも下げた時に出てくるのが、直近のシクサーズ戦で10-23のランを作ったエクサム&カイリーって考えると下げたくないって気持ちはまあ理解できます。だからドンチッチのミニッツを削ってエクサム&カイリーにしたところで勝てたとは全く思わないんだけど、別にプレーオフじゃないんだから出す必要性も薄かった気はします。キッドらしいね。

ライブリー 15分

クリバー 15分

ギャフォード 21分

 センター陣の中で一番プレータイムが長かったギャフォード。ペイサーズのディフェンスにはスクリーンの分厚さがあるギャフォードが最もオフェンスで効いていたと思います。ライブリーは躱されるし、ディフェンス狙われるし。クリバーはスリー入らないし。

 一方でセルツ戦でギャフォードに与えられたプレータイムが5分と極端っちゃ極端なんですが、こうして使われる日はちゃんと使われているので、なんだかんだセンターの使い分けは上手く行っているように思います。この三人の控えにパウエル、最悪モリスがいるんだからちょっと層が厚すぎる気はするけど。

 次は今シーズン初のヒート戦。管理人がイーストで最も応援しているチームです。カイル・ラウリーがテリー・ロジアーになったことでどうなったのか楽しみなんですが、その日は仕事なんだよね。