あ♥@マブスファン

マブス専門NBAブログ(不定期)

【23-24 RS-42】セルツ戦雑感

 

 今シーズン33勝10敗でリーグ一位の勝率を誇るセルティックス。テイタム&ブラウンの攻守に優れたデュオにホリデーとポルジンギスを加えて、更にスーパースター軍団の雰囲気を強めました。管理人は試合前に「キッドとドンチッチのことだから10点差以内で負けかなー」と何となく思っていましたが、本当にそうなりました。20点差で負けて欲しかったんだけどなー。ちなみにマブスエクサムとセスがインアクティブ、セルツはポルジンギスがインアクティブでした。

 

■第1Q

 セルツのオフェンスは非常に分かりやすく、テイタムブラウンの1on1で点を取る作戦でした。この印象は昨シーズンからずっとそんな感じですが、スマートがホリデーになったことで余計にその傾向が強まったように思います。実際ホリデーの今日のシュートアテンプトは12/13がスリーと、ただのシューターって感じです。そういうシンプルな、言い換えれば単調なオフェンスのセルツですが、対戦相手によって変わるのは「1on1で誰を狙うか」ってとこ。そして今日狙われたのはドンチッチでした。

 と言っても一プレー目からドンチッチを狙っていたわけではなく、最初はライブリーのアウトサイドディフェンスを狙っていました。しかしここが上手く行かなかったセルツ。シーズン序盤はどうしてもインサイド側に寄ってしまい中途半端なクローズアウトになってしまっていたライブリーですが、最近は割とあっさりアウトサイドに走って行きます。その分手薄になったインサイドをドンチッチが奮闘しているわけですが、ここがハマってセルツの3Pが入らなかった印象です。まあ単純にシュートタッチっていうのもありそうだけど。マブスマブスで、セルツの固いディフェンスに手を焼いて思うように攻略出来ませんでした。

06:53スコア 8-9(マブス1点リード)

 物凄いロースコアな展開。ライブリーの連携を狙うオフェンスが機能しなかったセルツはドンチッチに狙いを切り替えます。テイタムブラウン対ドンチッチの1on1大会が始まるわけですが、結果は良くもなく悪くもなくって感じです。止められていたわけじゃないけど、点差を離されるほどでもない。ただここはセルツ側もドンチッチのディフェンスの悪さを狙うっていうより、ドンチッチにディフェンスをさせて疲れさせる&あわよくばファールトラブルにさせたいって意図の方が強かった。だってテイタムブラウンは割とシュートを外していたし、点差を離すことも出来なかったけど、徹底してドンチッチを狙っていたからね。

テイタムブラウンvsドンチッチ

 ということで分かりやすくスターパワー対決の様相を呈していきました。それもシュート外しまくりのスターたちなので、どちらもスターパワー&トランジションがオフェンスの基本ラインになった第1Q。

第1Q最終スコア 24-26(マブス2点リード)

 テイタム13点、ブラウン6点の合計19点に対して、ドンチッチ9点、カイリー6点の合計15得点とスター対決では押し負け気味のマブスでしたが、2点のリードで第1Qは終了。違いを作ったのはトランジションの部分だよね。具体的に言うとジョシュ・グリーン。ディフェンスで走り回るのはいつものことですが、今日はトランジションでいち早くコーナーに配置する彼の貢献が日を浴びました。マブスが第1Qで決めた3本のスリーの内、2本がJGのトランジションスリーでした。

 それと微妙に守れていないドンチッチでしたが、リバウンドの確保には大きく貢献しました。あれだけセルツがシュートを外してOREBはたったの1と大大大健闘。7REBはやばいって。やばいっていうのは、こんなに仕事したら絶対スタミナが持たないって意味で。

 

■第2Q

 思うように点が取れなかったセルツですが、スターパワーのゴリ押し作戦を継続します。継続というか、更にその路線を強めていきます。コ―ネットをOREB係にして、ドンチッチにインサイドで仕事をさせるようなラインナップにしました。そしてコ―ネットを機能させる、つまりドンチッチに仕事をさせる為か、ペイントエリアにドライブする素振りもなくプルアップを打つテイタム。リバウンド仕事はライブリーがある程度肩代わりしてくれてはいましたが、一方で手薄になったアウトサイドをホリデーが機転を利かせたハンドオフスクリーンでハウザーの3Pを演出します。

点が取れない代わりにドンチッチを疲れさせる。ドンチッチがサボるならシンプルに点を取る。

 見事に術中にハマったマブスは点差は離され、ドンチッチのオフェンスは低調。

08:26スコア 37-32(セルツ5点リード)

 思ったほど点差は離されていないけど、ここから巻き返せる気もしない展開でした。そして05:03にドンチッチがファウル、フラストレーションからテクニカルファールのおまけつき。ここでドンチッチを下げてカイリーを1stオプションとしたオフェンスに切り替えます。もっと早く下げろよと思っていましたが、これでドンチッチも少しは休憩出来る……と思ったら2分後に戻ってきました。思わず噴き出した管理人。

 ドンチッチは戻ってきましたがプレーメイクにはあまり関わらず、3Pラインで棒立ちしています。その間にグラントのドライブキックアウト→THJのスリーといった、彼以外のところでオフェンスを作りました。ドンチッチから目を離せないセルツディフェンスは対応がちょっと遅れ気味。反面オフェンスの狙い目が戻ってきたことで再びドンチッチをいじめようとするセルツオフェンスですが、2分間で冷静になったのかホーフォードからポストでスティールしたり、テイタムのドライブを止めたりとディフェンス面での修正が目立ちます。ドンチッチが穴じゃなくなったら、今度はTHJが穴になったけど。穴だらけなマブスディフェンス。

第2Q最終スコア 65-59(セルツ6点リード)

 苛々していたドンチッチを2分間下げるというショック療法を見せたキッド。結果的にそれが上手く行ったのかグダグダなクォーター中盤から大崩れしなかったマブスでした。そんなことをして欲しいわけじゃないんだけどね。

 前半が終了したところでセルツの45点がテイタムブラウン+ホリデー、マブスの40点がドンチッチ、カイリー、THJでした。ドンチッチのFGは5/16、3Pは5本打って1本も入らずと散々なスコアリング。6アシストとターンオーバーが1なのはさすがだけど。ディフェンスで常に負担を掛けさせられるセルツの作戦にハマって、疲れからかずっとオフェンスが低調でした。こういう時の為のカイリーとボールシェアして、オフェンスでサボるってことが必要になりそうなんですが、オフェンスではなぜかサボろうとしないドンチッチ。まあカイリーに任せたところで1on1でシュートが入るかどうかの勝負っていう、そういう博打みたいなオフェンスが嫌だったのかな。

 

■第3Q

 なんかめんどくさくなってきたなあ。実は試合中に色々と起きたことをメモしていたのですが、別に書きたいほど面白いことはあんまり起こっていません。前半はドンチッチを狙っていたセルツですが、後半はテイタムブラウンが特に相手を指定せずテキトーに1on1を仕掛けていきます。隙があればドンチッチを狙うけど、あんまり拘っていない。なめてるよね。なめられる方が悪い。

 第3Qは、ドンチッチが第4Qに全力を出すのに必要なスタミナを温存させる為に、色々な仕掛けを実行していたキッド。ドンチッチをテイタムブラウンから遠ざけたり、オフェンスでは比較的カイリーに頼ったり。あくまで比較的ってだけで、多分他のチームのファンが見たらずっとドンチッチがボール持ってるなーと思うんじゃないかな。

第3Q最終スコア 94-83(セルツ11点差リード)

 テイタムブラウン+ホリデーが67点、ルカイリ―THJが54点と大きく溝を開けられた第3Q。ただこの内訳には変化があって前半9得点だったカイリーがこのクォーターだけで7得点しています。ちなみにドンチッチも7得点、THJは0点でした。試合開始前の予想が現実味を帯びて苦笑い。

 

■第4Q

 試合の重要な場面では集中力が増すドンチッチ。第4Qはディフェンスでサボるシーンがぐっと減ります。そしてサボらないと結構守れるドンチッチでもあり、デリック・ホワイトを1on1で完璧に止めてからのトランジションスリーなんてのも披露してくれました。ブラウンにはやられまくったけど。

 そしてオフェンスでも、それまで一本も入っていなかったスリーを二本沈めます。第4Qは2/2! おまけにOREBにも絡んで4本ももぎ取っています。まあ実際はOREBに絡んでゴール下でわちゃわちゃしていただけなんだけど。そこの数字が2PのFGに影響している気がします。ファールドローも狙って、5ASTしてと、まさにドンチッチ劇場だった第4Qだったわけです。

第4Qスコア 25-27(マブス2点差リード)

 だからある意味、第4Qが本気のドンチッチ対本気のセルツの実力勝負って感じでした。そしてそこだと2点差と超僅差で勝ち切ったマブス。バスケが12分しか時間がないスポーツなら優勝だな。まあ48分あるんだけど。

最終スコア 119-110(セルツ9点差リード)

 管理人的にはひじょーにまずい点差です。これを見て「セルツにだってこれだけ戦える!」と勘違いする人が増えそうだからです。そりゃドンチッチが48分間第4Qみたいなパフォーマンスが出来れば勝てるに決まってるんだけど、出来るわけがないじゃん。そこの負担を分散させる為に他のメンバーが必要なんだけど、蓋を開ければドンチッチは39分出場。苦しい時ほどドンチッチを使い続けたキッドと、苦しい時ほどオフェンスでサボろうとしないドンチッチでした。2分のショック療法とか「は?」って感じ。分かりやすくキッドとドンチッチが勝たせようとした試合で、本当に負けてくれてよかったと思います。ただ9点差っていうのがよくない。接戦過ぎて「ワンチャン優勝?」っていう勘違いをフロントが増長するんじゃないかと非常に心配です。

 やっぱり優勝するにはあまりに戦力が整っていないと感じる試合でした。だって3P爆撃で負けたわけじゃないし、確率でいえばマブスの方が高いぐらいだ。相手の低調+こっちの好調が噛み合わないと勝てないチームで優勝するぞってのはきついよね。なによりセルツはポルジンギスが出ていません。優勝するには今日のセルツ+ポルジンギスにレギュラーシーズン82試合+プレーオフの日程をこなした状態で勝つ必要があるわけで、今のマブスがそんなことを目指そうとしたら、プレーオフどころかレギュラーシーズン中にドンチッチがぶっ壊れてしまう危険性があります。

 管理人的にはドンチッチのプレータイムを30分程度に抑えて、若手を使いまくって派手に負けて欲しかった今日の試合。ただあまりに点差が付き過ぎて後半丸々ガベージタイムみたいになったらセルツもまともに戦ってくれなくなるので、ガベージにならない程度にドンチッチに巻き返してほしかったんだけどね。ハーディが1分って……AJやO-MAXなんて出てすらいないし。ただ勝ちに行って負けた試合でした。