今シーズン二回目のサンズ戦。その時のサンズの印象は、とても噛み合っているとは思えないKDとブッカーのアイソ祭りと、同じく連携も何もないザルなディフェンスのチームって感じ。そこからビールが本格的に稼働し始めて一体どう変化したのかっていうのが見どころでした。まあビールが入って連携が良くなるとは思えなかったし、実際良くなってはいないんだけど。ちなみに初戦でスターターを務めていたエリック・ゴードンは欠場、逆に個人的な理由で欠場していたユスフ・ヌルキッチがスターターのサンズ。マブスはカイリーとパウエルが欠場です。パウエルは少し心配だ。
ちなみに前回のセルツ戦は各クォーター毎に書いていきましたが、今回は前半と後半で分けたいと思います。書きたいことがあんまりありません。
■前半
最初のプレーはJGにボールを渡して展開する珍しいオフェンス。ペイントエリアで困っているJGに対してグラントが逆サイドのウィングまで走ってパスを貰うと、このスリーがヒットします。ドンチッチにほぼほぼダブルチームみたいなヘルプを仕掛けるサンズに対して、あえて何もしないドンチッチ。省エネオフェンスでした。この路線を試合を通じて継続するのかと思っていましたが、その後普通に自分でアタックするドンチッチ。相変わらずドンチッチに寄りまくるサンズですが、その裏を突くようにDJJにパスして、エクストラパスからコーナーのグラントにスリーを打たせたり、ライブリーのロブパスを狙ったりと、テンポよくパスで崩しました。
対するサンズは以前と比べるとアイソが減ったイメージ。だけど上手く行っているかは微妙なところです。ヌルキッチをポイントセンターとして使いたい意図は感じるし、実際展開も出来てはいるんだけどお粗末な感じ。最初のプレーはパスミスからのターンオーバー。次のプレーはKDとのスクリーンからダイブ、KD→ヌルキッチ→コーナーへとパスを繋げて、ウィングのブッカーにエクストラパス、シュートは入りませんでした。コーナーのビールにパスを繋いだわけですが、そのパスが彼の足元当たりに少しズレています。だからビールがブッカーにエクストラパスを出すのに若干手間取って、ドンチッチのヘルプが間に合ってしまいました。これがシーズン序盤なら特に何も思わないわけですが、シーズン後半戦に差し掛かった今の段階でこの完成度はちょっと心配になります。
そこからヌルキッチのポストアップなんかも試したりしていましたが、ここを止めきるライブリー。まあヌルキッチは元々ポストプレーが特徴ってイメージもないので、あくまで試しただけって感じな気がします。そこからブッカーとヌルキッチのP&Rが始まりますが、ここは上手く機能しました。別にシュートが決まりまくったわけではありませんが、外してもOREBに絡んでくれるヌルキッチ。ブッカーが外したミドルをヌルキッチがゴール下からタップアウト、グレイソン・アレンが拾おうとしたところをTHJがファウルしたところでタイムアウトがコールされました。
8PTS 5REB 3AST 4TO
試合を通して便利に使われたヌルキッチ。やっぱりターンオーバーが気になります。ヌルキッチの能力的な部分もあるのかもしれませんが、どっちかといえばチームとしての連携が上手く行っていない雰囲気を感じています。
ヌルキッチがいる時は彼にプレーメイクを任せることが多いサンズ。ブッカーはP&Rもしてくれますが、KDとビールはやってくれません。これが若手時代にPGとして修業を積んだブッカーと、どちらかといえばシューターとして活躍していたKDビールとの違いのように思います。それもあってかブッカーとヌルキッチがいない時間に困り果てたサンズでした。自由気ままにシュートを打っては外し、トランジションで3Pを決め続けたマブス。別にマブスのディフェンスが良いとは思わなかったんだけどね。
第1QFG 13/20(65.0%) 3P 7/10(70.0%)
20本のアテンプトの内、6本がドンチッチでした。いつもに比べればプレーシェア出来ているイメージ。ここは改善したというより、ドンチッチを止めること以外頭になかったサンズのディフェンスと、アイソで自由気ままに外し続けるKDビールって感じです。
第1QFGFG 8/22(36.4%) 3P 2/10(20.0%)
FGは酷いもんですがそこはさすがのスター軍団で、フリースローで7点稼いでいます。
第1Qスコア 25-34(マブス9点差リード)
これだけFGに差があるのに思ったより点差がつかなかった印象です。フリースローアテンプトの差っていうのは当然なんですが、もう一つの理由はターンオーバー4。その内3つがDJJで、なんと3ポゼッション連続でTOしちゃっています。ドンチッチからパスを貰ってフリーになると、何をすればいいのか分からなくなったDJJ。そのままスリーを打ってくれれば外しても別に文句はないんですが、おもむろにリムアタックしてオフェンスファウルだったり、ボールを落としたりと酷い有様でした。ちなみにいつも献身的に動き回ってくれるDJJですが、今日はディフェンスでもちょっと冴えなかった。
というところで第2Q。ブッカーのいないサンズは相変わらずのグダグダしたオフェンスを展開します。一方のマブスも、第1Qと同様に小気味良くパスを捌くドンチッチですが、思ったように点に結びつきません。ドンチッチからパスを貰った選手が困って、結局ドンチッチが何とかするみたいな。どちらも急造チームらしいグダグダな展開ですが、個人的には嫌いじゃありません。上手く行かないのは新しいことを試しているっていう証拠でもあるわけです。しかし、さすがに自分以外の部分でのミスが多かったのか、ちょっと苛々しているドンチッチでした。グラントのイリーガルスクリーンとかね。
グダグダしながらも点差は広げていったマブスですが、そこでヌルキッチ、ブッカー、オコギーが入ったラインナップになると様子が変わっていきます。一時ベンチに下がっていたドンチッチもすぐに呼び出されました。オコギーにマークされてストレスを溜めているドンチッチ。冷静に対処して得点もしていましたが、やっぱり助けてくれないチームメイト。それが祟ったのか逆サイドのDJJへのパスが逸れてターンオーバー、ゴール下でライブリーに合わせたパスをカットされてターンオーバーと、ドンチッチの部分でも滞り気味のマブスオフェンスでした。
第2Qスコア 57-58(マブス1点差リード)
マブスFG 8/22(36.4%) 3P 4/12(33.3%)
サンズFG 11/20(55.0%) 3P 3/7(42.9%)
マブスのFGの内、5/9がドンチッチでした。ちなみに3Pに関しては3/6で沈めています。
ドンチッチ以外 FG 3/13(23.1%) 3P 1/8(12.5%)
これでドンチッチ以外に渡せっていうのは正気じゃないよね。こんなのにボール渡してたら勝てないよ。まあ勝たなくていいんだけどさ。幾ら何でも外し過ぎなチームメイトたちに、そりゃ苛々しない方がおかしいって話です。
■後半
第3Qブッカー FG 9/11(81.8%) 3P 2/4(50%)
これに尽きます。ヌルキッチとのP&Rで決めに決めまくったブッカーはこのクォーターだけで22点決めました。その裏には献身的にスクリーンを掛けて、シュートが外れてもケア出来るようにポジショニングしたヌルキッチの姿がありましたが、そんなことは関係なかった。打ったミドルは全部決めたブッカーなので、OREBもくそもありませんでした。
第3QサンズFG 18/22(81.8%) 3P 5/8(62.5%)
何気に他のチームメイトも凄い確率で決めきっていますが、完全にブッカーのおこぼれ。そのぐらいこのクォーターのブッカーは凄かった。だってJGが完璧なシュートチェックしてもあっさり決めちゃうんだから。そもそもこのブッカーに勝つのは無理筋だったように思える今日のパフォーマンスでした。
第3QマブスFG 8/24(33.3%) 3P 2/12(16.7%)
第3Qに3つのターンオーバーをしたドンチッチですが、このクォーターは1つだけ。分かりやすくボールを持つ時間が長くなりました。その割にFGアテンプトは少ないので、ドンチッチ的にはシューター達にシュートを打つ以外の選択肢が浮かばない程、つまり迷わなくていいように決定的なワイドオープンを作りたがっていたことが伺えます。
ドンチッチ以外 FG 7/19(36.8%) 3P 2/10(25.0%)
結果はこの通り。これで勝てるのはよっぽどディフェンスの良いチームぐらい。ミネソタとか。
最終スコア 132-109(21点差)
セルツ戦に続いて実力不足を感じる試合でした。ここにカイリーが戻って来て勝てるのかと言われると、そんなことは全く感じませんでした。エクサムが復帰して比較的守れるメンバーだったのに132点も取られたわけだから。カイリーがいたらオフェンスは改善したかもしれないけど、そしたらビールかKDか、あるいはどちらも30点取って結局負けてそう。もしかしたらブッカーの70点試合になっていたかもね。
だから概ね予想通りの内容だったんだけど、グラントの退場は誤算だったなー。今日はグラントの器用なところが目立っていただけに、もっと見たかったです。いや、出ていたらもっと接戦になっていたかもしれないから、やっぱりいいや。