シーズン開幕時に対戦したスパーズは、ドラフト1位の名に恥じないビクター・ウェエンバンヤマの活躍で爪痕を残しました。それ以上に爪痕を残したライブリーがいたんだけど。そこから若いスパーズがどういう成長を遂げたのか、NBAファンとして興味深い一戦です。
■第1Q
少し前にウェンビーが10ブロックを含むトリプルダブルを達成したというニュースを見てやべーと思っていましたが、その怪物ぶりを遺憾なく発揮した第1Qのウェンビーでした。
第1Qウェンビー 12PTS 2REB 2AST 2BLK
ディフェンスでは異次元のリムプロテクションでマブスのリムアタックを封殺していました。というかそもそもドライブに行きたくなくなる圧倒的な存在感で、スリーを打つしかないって感じ。
オフェンスでも打点の高さを活かしたフィニッシュでしっかり点を取っています。ほんと、打点が高い選手なんて幾らでもいるけど、そんな選手がスリーなんか打ったらどうしろって言うんだ。しかもウェンビーはステップバックスリーとか打って決めるんだから。OREBにも平然と絡むしね。
第1Q06:01 20対10(スパーズ10点リード)
攻守に大活躍したウェンビー。これでなぜウェスト最下位なんだと思うわけですが、第2、3Qに答えが出ました。
■第2、3Q
第1Qは0得点だったカイリーが大爆発、めちゃくちゃな確率で決めました。
第2Qカイリー FG 8/10
ウェンビーがゴール下に陣取っている為、ミドルレンジでシュートを打ったカイリーでしたがここを確実に決めきりました。いつぞやサンズと対戦した時の第3Qのブッカーを思い出します。カイリーのモンスターパフォーマンスによってオフェンスはなんとかなったマブスですが、同時にディフェンスもなんとかなりました。
第2&3Qスパーズ 3P 2/21(9.5%)
相変わらずのザルディフェンスでオープンスリーを作りまくったマブスですが、スパーズはこれを全然決められませんでした。期待値でいうと0.285。なるほど、これじゃあどこにも勝てないわ。
前回のウィザーズ戦と同じくハーフコートオフェンスに課題を抱えている様子のスパーズ。ウィザーズはアブディアやタイアスがボールをコントロールしていないと見ていられないオフェンスになってしまい、その二人のハンドラーとしての能力も特別高いわけじゃないという問題がありました。シーズン序盤と比べたら随分改善しているように見えたけど。対するスパーズはシンプルにスリーが入らないっていうのが問題に見えました。
スパーズ 3P 12.4/36.4(34.1%)
今シーズンのスパーズは結構スリーを打っているようで、試投数はリーグ11位と平均以上。この36.4Aっていうのは結構劇的な変化で、前年と比較すると4.2本もアテンプトを増やしています。ただ成功率が、ちょっとね。3P成功率34.1%っていうのはリーグ最下位です。ちゃんとオープンスリーを作れているんだけど、入らないスパーズ。あまりに入らなかったからか、オープンになってもドライブに切り替えるシーンがあり、その度にライブリーやギャフォードに潰されていました。
第1Qはウェンビーの個人技と、マブスがウェンビーに苦しめられてシュートを外しまくったことによるカウンターで点を稼いでいたスパーズ。第2Qはカイリーがウェンビーを避けたミドルレンジを決めまくったことで、カウンターでの得点がなくなり完全にオフェンスが停滞したって感じです。構図としては前回のウィザーズと同じなんだよね。
第3Q時点スコア 65対88(マブス23点リード)
攻撃は最大の防御っていうのは本当にそう。カイリーがいるとOFF/DEFレーティングが攻守ともに改善するんですが、それを体現したような試合でした。ただカイリーに対してグレッグ・ポポビッチが特に対策しようとしなかったのはちょっと謎ではある……と思ったけどショットチャート見たら試投数が5本に減っているから対策はしていたのかな。まあ対策したところでこの3P%じゃあね。ポポビッチとスパーズファンの苦悩が伺える試合でした。